2021年6月2日、MicronはCOMPUTEX 2021にて、世界初となる176層NANDメモリーを採用したPCI Express 4.0(Gen4)対応SSDを発表した。また、こちらも世界初となる1αノードベースのLPDDR4xメモリーの出荷を開始した。これにより、ノートPC向けのストレージやメモリー市場において、強いリーダーシップを示していくという狙いだ。
Gen4 SSDは「Micron 3400」と「Micron 2450」の2種類。Micron 3400は176層TLC 3D NANDを採用し、512GB~2TBモデルがラインアップするパフォーマンス重視の製品だ。フォームファクターはM.2 2280で、PCI Express 4.0×4接続。最新のNVMe 1.4規格に対応する。
Micron 2450もMicron 3400と同様、176層TLC 3D NANDを採用している。コストパフォーマンス重視の製品で、ラインアップは256GB~1TB。PCI Express 4.0×4接続で最新のNVMe 1.4規格に対応する点もMicron 3400と同じだが、フォームファクターはM.2 2280のほか、2242、2230も用意する。
具体的な性能は不明だが、PCI Express 4.0×4接続のSSDであれば、シーケンシャルリードで毎秒7GBの製品が現在の最速モデルだ。176層NANDを用いることで、1チップあたりの実装容量が増えるため、超高速モデルでもより安い製品の登場が期待できる。
1αノードのLPDDR4xは従来の1zノードのLPDDR4xと比べ、メモリー密度が40%向上し、消費電力が最大20%低減している。これにより、ノートPCのバッテリーの節約につながると同社は語る。
なお、「ノード」とは技術的節目のことで、微細化の基準になる。1αノードは従来の1zノードよりも微細化している世代ということになる。つまり、同じサイズのチップなら、より電力効率の良い製品が作れる。
また、Micronはいよいよ来年登場するといわれているDDR5メモリーについても言及。DDR5は単なるDDR4の後継規格というだけではなく、AI処理における有用性なども高いという。2020年に数社で始まったMicron DDR5 Technology Enablement Program(TEP:技術支援プログラム)はいまや100社に上り、250名以上の設計・技術リーダーが参加しているとのこと。
ちなみに、DDR5はインテルの次世代CPU「Alder Lake」、AMDの次世代CPU「Zen4」で採用されるとのウワサがある。DDR4とDDR5は互換性がないため、プラットフォームをまるごと買い替えることになりそうだが、3200MHz駆動でもDDR5ならメモリーバンド幅は1.36倍も高速とのことなので、今から楽しみだ。
最後に、Micronは業界初となる車載向けのUFS 3.1対応NANDのサンプル出荷を開始することも発表した。UFS 3.1はUFS 2.1と比べて、読み込み速度で2倍速く、連続書き込み性能では50%高速化。レベル3+のADASシステムなどのセンサーやカメラのデータをリアルタイム保存できる。
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