セキュリティ月間に実施した生配信では、読者の皆様からたくさんの「ヒヤっとした話」をいただきました
生配信で紹介できなかった
ネットで「ヒヤっとした話」を大公開
先日、アスキーのYouTubeチャンネルで生配信した「アカウント乗っ取り? SNSで身バレ!!!? ネットでヒヤッとした話~【アスキー×マカフィー】がパネルで対策!」では、皆さんから募集した「ヒヤっとした話」をもとに最新のセキュリティ対策をやさしく解説しました。
番組内では小林編集長の体験談を含め、数々のヒヤっとした話が飛び出し大変盛り上がりましたが、じつは紹介しきれなかったヒヤっとした話が編集部にはまだ大量に眠っています。そこでこの連載では、皆さんからいただいたエピソードにあらためてスポットライトを当てたいと思います。
番組内では「ヒヤっとした話」をパネル形式で発表しましたが、今回はパネルに埋め込んだものの、時間切れで読めなかったエピソードを紹介しましょう。いわゆるサイバー攻撃ではありませんが、あなたも遭遇しかねない「ヒヤっと」するお話です。
これも新手のコロナ被害!?
仕事の先輩が「君に真実を教えてやる」
最近、現在は退職されたものの在職中は非常に可愛がってくれていた会社の先輩と久しぶりに会ったのですが、その人は「最近亡くなった芸能人のあの人は自殺ということになっているが、本当は社会の暗部と戦って消されたんだ」というような陰謀論も陰謀論、荒唐無稽な話を真実として受け取っているようで、「君にも真実を教えてやる」といった感じで真剣に話してくるのです。
昔世話になった人だし、年上なので遠慮気味に、「でもアメリカも日本も法治国家なんでね。そんな事まかり通るんスかね?」と反論をしてはみたのですが、「YouTubeの○○先生がおっしゃっていたから間違いない。地上のメディアは権力に負けて隠蔽しているんだ」と聞く耳を持ちません。
コロナの自粛期間中にずっと家でYouTubeを見ていたのでそういう思想になったようなのですが、以前は全然普通の人だっただけに変貌ぶりにショックを受け、これも立派なコロナ禍だなと思いました。
オフィスの清掃員に化けて、ディスプレーの端に貼ってあるパスワードを盗み見たり、ゴミ箱から社内情報を漁ったりする行為を「ソーシャルエンジニアリング」と呼びます。機材やサービス側のセキュリティホールではなく、私たち人間側の「ユルさ」を狙ってセキュリティを突く手口ですが、上記のエピソードはある種、心のセキュリティホールを突破されてしまったような状態ですね。
コロナ禍によって大勢と賑やかに過ごす機会が奪われてしまいました。一方、1人でテレビやスマホを眺める時間は増えています。そのため、各人にとって聞き心地の良い話に混じって繰り返される陰謀論は、たとえ荒唐無稽でも心に深く刺さってしまう可能性大なのです。
今回は「退職された先輩」でしたが、孤独のままメディアと接する時間が多い人は誰でも陰謀論にのめり込む危険性があります。ですから「定年退職して自由時間が増えた両親/祖父母」なども同様です。定期的に連絡をとり、心配事を聞いて安心させてあげることが、地味ですが有効な対策となり得るでしょう。
ネットで「ヒヤっとした話」募集再開
突然ですが、「ネットでヒヤっとした話」の募集を再開します! ご自身あるいはご家族が遭遇した体験談、はたまた友人知人から聞いた話でもOK。純粋(?)なサイバー攻撃から、ネットで交流する上でのリテラシーにまつわるイザコザまで広くお待ちしています。ご応募はこちらから。
第1回はここまで。またヒヤッとする話でお会いしましょう……。
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