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ハイエンド並みの性能で5万円台、際立つ特徴を多く備えた5Gスマホ「moto g100」

2021年05月22日 12時00分更新

チップセットはハイエンド、低価格でもゲームは快適

 性能面でも非常に特徴的な要素を備えている。というのもRAMは8GB、ストレージは128GBなのだが、国内投入されたスマートフォンとしては初めて、チップセットに「Snapdragon 870」を搭載しているのだ。

 これは「Snapdragon 865 Plus」の強化版という位置付けで、最新の「Snapdragon 888」より性能は落ちるものの、2020年に発売された多くのハイエンドスマートフォンが搭載していた「Snapdragon 865」より高い性能を誇る。実際にベンチマークを試してみたところ、Snapdragon 888搭載機種より低いとはいえ、かなり高いスコアを記録していた。

moto g100の「Geekbench 5」のCPUベンチマーク結果

moto g100の「3DMark」(Wild Life)のベンチマーク結果

 さらに「PUBG MOBILE」のグラフィック設定を確認すると、「FHD」でフレーム設定を「ウルトラ」まで上げることが可能。「原神」の画質設定もデフォルトで「中」と、ミドル~ミドルハイクラスの端末と比べれば明らかに性能が高いことが分かる。

「PUBG MOBILE」の設定画面。グラフィック設定は現時点で最高となる「FHD」まで上げることができた

「原神」の画質設定画面。デフォルトでは「中」で、「最高」にしても大幅なフレーム落ちなどはあまり発生しなかった

 そうしたことからゲームプレイには申し分ない性能を持つといえるが、それに加えてmoto g100は、ディスプレーのリフレッシュレートを90Hzにまで上げることができる。ハイエンドモデルの多くが対応している120Hzではないのがやや惜しいが、価格も安いだけに、ゲームを楽しむことを重視する人にはかなり適しているといえそうだ。

 バッテリー容量も5000mAhと、本体が厚く重い分かなりの大容量。急速充電の「TurboPower」にも対応しているので、バッテリーの減りが気になる長時間の外出や、ゲームプレイ時も安心感は高いだろう。

 もう1つ、性能面の特徴として挙げられるのが5Gなのだが、moto g100は主な対応周波数のうち、3.7GHz帯のn77/n78には対応しているが、4.5GHz帯のn79には対応していない。そうしたことからドコモの回線で5Gを利用する場合、エリア面で制約が出てくる点に注意が必要だ。

 ちなみにSIMはnanoSIM×2のデュアルSIM構造。ただし5Gに対応するのはそのうち一方のみとなるようだ。

SIMスロットはナノSIM×2で、うち一方はmicroSD(最大1TB)との排他利用になる

大画面でさまざまな機能が使える「Ready For」の実力

 moto g100はスマートフォン単体で利用する機能だけでなく、新たに「Ready For」という機能にも対応したのが大きなポイントにもなっている。これはディスプレーに接続することで、パソコンのようなデスクトップ画面で作業したり、大画面で動画やゲームなどが楽しめたりするという機能だ。

ディスプレーに接続して大画面でさまざまな機能が利用できる「Ready For」。ディスプレーにもよるが、一般的なUSB Type-Cケーブルや、USB-C-to-HDMIケーブルで接続すれば利用可能だ

 この機能を利用するには、ディスプレーとUSB Type-Cケーブル、またはUSB-C-to-HDMIケーブルで接続する必要がある。接続すると自動的にReady Forの画面が現れるので、後はmoto g100をタッチパッドとして操作することで、好きな機能やアプリを利用することが可能。もちろんマウスやキーボード、ゲームコントローラーなどを接続して利用することも可能だ。

「モバイルデスクトップ」で使用している時のスクリーンショット。パソコンと同じように、スマートフォンアプリをデスクトップ上で利用できる

 同様の機能はサムスンやファーウェイのハイエンドモデルにもあったものなのだが、Ready Forがそれらと違う点は、ビデオ電話サービスを利用する際に顔をトラッキングしてくれる機能を備えていること。2つのフロントカメラを搭載していることを生かし、一方のカメラで全体を捉え、もう一方のカメラでその中から顔の部分を追従してくれることから、たとえば何らかの作業をしながら、ビデオ電話で会話をするような時に便利だ。

「Duo」などのビデオ通話アプリでは、顔の動きを検知するトラッキング機能の利用が可能。有効活用するにはスマートフォンを固定しておく必要がある

 ただこの機能をうまく利用するには、moto g100を固定しておく必要がある。専用のクレイドルは国内では販売されていないので、別途三脚などを用意し、ディスプレーの近くに固定しておく必要があるのに注意が必要だ。

 実際にReady Forで色々なアプリを試してみたのだが、デスクトップでパソコンのように便利に活用するには、ある程度使いやすいようアプリや設定を整える必要があり、準備にやや時間をかける必要がある印象だ。またゲームに関しては、そもそもコントローラーやキーボード・マウスによる操作に対応していないものが多く、大画面で表示はできてもプレイ自体がしづらくなってしまうケースが少なからずあった。

マウスとキーボードによる操作に対応していた「War Robots」をReady Forでプレイ。ゲームによってはマウス操作時にゲームタイムのツールキット(画面左)が表示され、プレイを邪魔してしまうのでMotoアプリからオフにしておいた方がよい

 こうした課題は必ずしもReady Forに限ったものではないのだが、スマートフォンをパソコンのように大画面で活用するにはやや工夫と努力が必要なことは覚えておきたい。

【まとめ】重さと厚さはデメリットだが特徴が際立つ面白いモデル

 moto g100はハイエンドモデルに匹敵する性能を備えながらも、液晶ディスプレーの採用など随所でコストを落とすことで、公式オンラインストアのMOTO STOREでの価格は5万8800円と非常に低価格に抑えられていることから、ゲームや動画などを安価で快適に楽しむ上ではオトク感が非常に高い。Ready Forはやや利用シーンを選ぶ印象もあるが、フェイストラッキングなどは活用の仕方次第で化ける可能性もあるだろう。

 もちろんスマートフォン単体で利用することを考えると、本体の厚さと重さが気になるというのは正直な所。だが非常に際立つ特徴を多く備えているだけに、ハマる人にはかなりハマるモデルとなりそうだ。

モトローラ「moto g100」の主なスペック
ディスプレー 6.7型液晶(20:9)
画面解像度 1080×2520
サイズ 約73.97×168.38×9.69mm
重量 約215g
CPU Snapdragon 870(オクタコア)
内蔵メモリー 8GB
内蔵ストレージ 128GB
外部ストレージ microSDXC(最大1TB)
OS Android 11
対応バンド 5G NR:n1/n3/n5/n7/n8
/n28/n38/n41/n66/n77/n78
LTE:1/2/3/5/7/8/18/19
/20/26/28/38/40/41
W-CDMA:1/2/5/8
4バンドGSM
DSDV ○(5G+4G)
対応ネットワーク ドコモ/au/SB
無線LAN Wi-Fi 6
カメラ画素数 64メガ(標準)+16メガ(超広角)
+16メガ(マクロ)+2メガ(深度)+ToF
イン:16メガ+8メガ(超広角)
バッテリー容量 5000mAh(20W急速充電対応)
FeliCa/NFC ×/○
生体認証 ○(指紋)
SIM nanoSIM×2
USB端子 Type-C
イヤホン
カラバリ イリディセントスカイ
発売時期 5月28日
価格(税込) 5万8800円
 

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