第342回
初代~最新Ryzenのパフォーマンスを検証
8コアRyzenのパフォーマンスはこの4年間でどう変わったか?歴代Ryzenを横並びで比較
2021年05月24日 15時30分更新
近年のCPUパフォーマンス競争における大きな分岐点といえば、2017年2月に発売されたAMDのRyzen 1000シリーズ、いわゆる“Zen”世代のRyzenが登場した時だ。
その後、RyzenはZen+、Zen 2と順調にアーキテクチャーを更新し、Zen 2では物理12コアどころか16コアモデルまで投入して世間を沸かせた。昨年7月に発売された“Zen 3”世代のRyzen 5000シリーズでは、長年の弱点であった内部レイテンシーを大幅に抑える設計を採用したことで、さらにパフォーマンスを伸ばした。
ライバルであるインテルがプロセスルールの微細化に手間取る一方で、AMD(とTSMC)は14nm→12nm→7nmと順調にモノにした。上位モデルの製品出荷ペースに問題を抱えているものの、Ryzenは今やデスクトップ向けCPUの頂点に立っているといっても過言ではない。
そこで今回は、初代~最新Ryzenの間に、どの程度パフォーマンスが伸びたのか検証してみたい。Zen 4世代のRyzen出荷までまだ時間がある(2022年出荷予定)が、ここらで新旧比較をしてみるのも悪くはない。

2017年に発売されたZen世代の「Ryzen 7 1800X」。Socket AM4向けCPUのハイエンドモデル。Ryzenの8コアモデルは初めてインテルのメインストリームをマルチスレッド性能で上回るという快挙を達成した

初代Ryzenから約1年後に発売されたZen+世代の「Ryzen 7 2700X」。プロセスルールを14nm→12nmにシュリンクし、新たなブースト機能「Precision Boost 2」などを搭載した

2019年7月に発売されたZen 2世代の「Ryzen 7 3800X」。CPUコア(CCD)は7nm、周辺回路(cIOD)は12nmとマルチダイ構成にすることで、パフォーマンスとコスト低減を一挙に達成。この世代からPCI Express Gen4に対応したほか、物理12コアと16コアの上位モデルが追加された
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