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背面に巨大ロゴがトレンドとなっている最近の中華スマホのデザイン

2021年04月23日 10時00分更新

Redmiの名前を大きくアピールした「Redmi 9T」の背面デザイン

 激安なスマートフォンとして日本でも発売になったシャオミの「Redmi 9T」は、その価格や性能だけではなく、背面のデザインにも特徴があります。ブランド名の「Redmi」のロゴが背面に大きく表記されており、Redmiを知らない日本の消費者に製品名を大きくアピールしようとしています。

 この「背面ロゴ入りデザイン」は中国メーカーが1年くらい前から次々に採用しています。最初のモデルはおそらく2020年4月、今はファーウェイから独立したHonorの「Honor 30」シリーズでしょうか。背面にデカデカと書かれた「HONOR」ロゴは、他社品との差別化を図ったものだったと思われます。

「Honor 30」が巨大ロゴの走り。しかしこれ以外のモデルには広がらなかった

 ブランド名もわかるいいデザインと思ったのですが、消費者受けがよくなかったのかもしれません。Honorのこのロゴ入りデザインはこれだけで終わったようで、広がりませんでした。ところがすぐさまOPPOが2020年7月に「Reno4」シリーズを発表。「Reno4 Pro」の背面に大きく「Reno Grow」の文字を入れました。このReno Growとは、OPPOが開発した独自の背面処理技術です。

OPPO「Reno4 Pro」のReno Grow処理モデル

 Reno Growは背面のアンチグレアガラスに独自のダイヤモンドカット処理を表面に施しています。これによりきらびやかな光沢感を与えながらも指紋の跡の残りにくいマットな仕上げとしているのです。従来のスマートフォンは指紋の跡がべたべたと残ってしまうことや、背面保護のため多くのユーザーはケースをつけます。しかしReno Grow処理したスマートフォンは傷もつきにくく、ケースなしでそのままの背面を見せたくなるほどといいます。

Reno Growの表面。細かいカットが光沢感を与えつつも指紋を残さないマット仕上げを実現

 OPPOは後継機の「Reno5」シリーズにも同様のReno Growとロゴ処理をする一方、日本でも発売予定の「Find X3」シリーズや、ミドルレンジの「A」シリーズには同処理はされていません。Reno Growは「Reno」シリーズ限定の証としているようです。

 一方で、あまり特徴のなかった「K」シリーズの最新モデル「K9」に、「09-K Super Performance」の表記がされています。こちらはモデル名を表しているのでしょう。ダイレクトに製品名が伝わるわかりやすいデザインといえます。OPPOの今後のほかのスマートフォンも、このようなデザインを採用していくのかもしれません。

5月6日発売の最新モデル「K9」の背面

 OPPO以外ではrealmeが背面のロゴ表記を積極的に展開してます。同社のキャッチコピーである「DEAR TO LEAP」(臆することなく、飛び越える)を背面に大きくプリントしたモデルを複数投入しているのです。realmeには「GT」「Q」「V」「X」という4つの製品ラインがありますが、DEAR TO LEAPのロゴを配したモデルは特徴的な製品に絞っているようです。

「realme V15」は「錦鯉」カラーのみにDEAR TO LEAPロゴを入れている

 またロゴを入れる位置を変えたモデルもあり、背面デザインが単調にならないような工夫もしています。realmeもOPPO同様に背面ロゴデザインの取り入れに積極的ですね。

「realme X7 Pro」はカメラの横にロゴを入れている

 realmeは2020年10月にコストパフォーマンスを高めた「Q」シリーズを投入した際、最上位モデル「Q2 Pro」には同様にDEAR TO LEAPロゴを入れています。一方、中核モデルの「Q2」にはメーカー名である「realme」のロゴを大々的に記載しました。しかし、realme表示はこの1機種で終わっており、キャッチコピーのほうが中国の消費者には受けたようです。

唯一のメーカー名を大きくアピールした「realme Q2」

 いつの間にか復活していた中国のGioneeも、さっそくロゴ入りスマートフォンを中国で販売しています。これはもう完全に「OPPOやrealmeがやっているからうちもやっちゃおう」と、何も考えずにやっているようにも思えますが、ロゴがあるだけでなんとなくオシャレかな、と思えるから不思議です。

Gioneeも自社ロゴ入りスマホ「M3」を発売している

 ほかのメーカーには今のところこのロゴありデザインはあまり広がっておらず、万人受けするものではないようです。ケースをつけてしまえば隠れてしまうことを考えると、ロゴの有無で製品を選ぶという消費者も少ないかもしれません。しかし他社品と似通ったデザインの製品が増える中で、メーカーやブランドを認知してもらうためにロゴを入れるという動きは今後増えるかもしれません。

シャオミの「Poco X3」。こちらはブランド認知のためにロゴを入れているようだ

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