Amazon Music HDの3Dオーディオは2種類ある
360 Reality Audioに対応したコンテンツの探し方について説明しよう。Amazon Music HDの場合、アプリの検索フォームで「3D」と入力して検索すると候補が上がる。Amazon Musicアプリでは、対応楽曲に3Dバッジが付いていて目印になる。ただし、Amazon Music HDは、ドルビーアトモスミュージックも3Dカテゴリーに分類しているので、3Dのバッジの有無だけでは360 Reality Audioなのか、ドルビーアトモスのコンテンツなのかは分からない。
RA5000を利用しているのであれば、「MusicCenter」の設定を開き、「Immersive Audio Enhancement」のオン/オフを切り替えられるかを確認する方法がある。グレーアウトして変えられない場合は360 Reality Audioコンテンツだ。Immersive AEは、後述するようにステレオ音源の再生時に上部スピーカーも利用し、音の広がりを高める機能だが、360 Reality Audioの利用時は常に上部スピーカーを利用するので設定変更できないようになっている。
とはいえ確認のためにいちいちアプリを切り替えて設定メニューを開くのは手間がかかる。簡略に確かめたい場合は、TIDALなどで、新着の360 Reality Audio対応楽曲のプレイリストなどを確認する手もあるだろう。
なお、現在、360 Reality Audioの楽曲として配信されているものの多くは、洋楽のポップスになっている。声や楽器の音を3D化する(空間のどの位置に置くかを位置決めする)際には、ボーカルや楽器を別々に録音したマルチトラック収録との相性がいいということかもしれない。クラシック楽曲は少なく、ほとんどがドルビーアトモスでの提供だ。ポップスでも、テイラー・スウィフトの「willow」などはドルビーアトモス配信になっていた(少々意外だった)。
反射なども利用して広がりあるサウンドを
SRS-RA5000は、斜め上方に3基、水平方向に3基のユニット(46mm口径と同一)、下側に70mmのウーファーを配置している。外観は少し異様だが、金属製のスピーカーグリルは角度によって色合いが変わるなど質感は高い。筺体は樹脂製で、側面には目が粗いファブリック素材が使われている。本体は脚で少し浮かした状態になっており、電源ケーブルを下に通す仕組みはよく考えられている。AC電源はかなり大きい。
水平方向に向けたユニットは人間のウェストのようにくびれた部分にある。箱から取り出す際には不用意に触れないよう注意したいところだ。
一体型のBluetooth/Wi-Fiスピーカーの多くは、無指向性になっている(360度スピーカーとも呼ばれる)。その場合、どの位置から聞いても音に大きな差は出ない。しかし、本機は適切な定位を得たいなら、正面で聞くのが正解だ。「SONY」ロゴが正面に来るように設置し、その前で聴いた際に適切な定位が得られる。
ドライバーは一部が背面方向に向いているが、これは壁の反射を考慮して音の広がりや高さを出す仕組みだと思われる。つまり、壁際の設置が有効だろう。音場補正機能を備えており、電源を入れて最初に起動した際や本体の「CAL」(タッチセンサー)を押した際に、各ユニットから「ピュピュ……」という音が出て、部屋の状態が確かめられる。再生する信号と出力した信号の違いを見て、定在波の影響やインパルス応答などを見ているのだと思う。
本体は壁際に置いたローキャビネットなどに設置し、それを部屋の中央のリスナーが聴く想定なのだろう。筆者は最初、ガラスラックの上に置いてみたがあまりいい効果が得られなかった。下側の素材はもちろんだが、天井反射も利用するし、水平スピーカーを耳の位置ぐらいにして……と考えると高さにもある程度配慮する必要がある。
筐体もかなり大きいため、よりよい音で聞きたいという人は、購入前に設置場所をしっかり考えたほうがいいだろう。サウンドバーのようにテレビラックの上に置くことは難しそうだ。
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