注意:本記事は無修正の虫の画像が出てきます。虫が苦手な方は読むのをやめて、今すぐASCII.jpのトップに戻ることをオススメします。
昆虫食の自動販売機との出会い
時は2300年、人口爆発による深刻な食糧危機問題から、人類の主食は昆虫となっていた――。
初めまして! アスキー編集部で働いているイチと申します。何とも不吉な未来予測で始めてしまいましたが、内容はただのグルメレビューです。いや、ただのグルメと言うと語弊があるか……。
今回、僕がレビューするのは、肉でも魚でもない、野菜でもない。
昆虫なのですから‼
「昆虫食」。僕もそのワード自体は聞いたことがありました。しかし現物、すなわち、食べるための昆虫を見たことはなかったのです。ところが出会いは唐突なもの。中野ブロードウェイ、その裏路地の一角で出会ってしまったのです……昆虫を売っている自動販売機に!
デデーン。衝撃でした、何が衝撃って、価格が。
スズメバチが1500円、コオロギが1100円⁉ た、高い! なんでこんなに高いの……? いい晩ゴハン食えるやんか、そう思いました。しかし人間とは欲深いもので……アスキーの編集部員たるもの、これをネタとしないでなんとする。そう思ってしまったのです。
意を決して、購入。
購入したのはミルワーム/サゴワーム/カイコさなぎ/スーパーワームの欲張り4点セット‼ 価格はな、な、なんと驚きの1300円‼ 内容量は17g(少なっ!)。
ですがおそらく、みなさんが気になっているのは価格ではなく、中身だと思います。前置きが長くなりましたが、開封しましょう!
パックを開けると香ばしい匂いがします。わかりづらくてすみませんが、例えるならば江の島名物・たこせんべいと同じような香ばしく、どこかいぶされた感じの匂いです。匂いだけでいえば特に問題ありませんでした。しかし世の中、そんなに甘くない。
※この先、なかなか刺激的な画像なので、要注意。
ちゃんと、虫ですやん……。日本語がおかしくてすみません。でも、ちゃんと虫でしょう?
みなさん、この画像を見てどのような感想を持たれたでしょうか? おいしそうと思う人も中にはいるかもしれない。しかし、僕はそう思えませんでした。「今からこれを食べなきゃいけないんだ」と頭を抱えました。でもここまで来たなら、食べるっきゃない。
いざ実食‼
エントリーナンバー1番・スーパーワーム
スーパーワームとは飼育動物の生餌のために飼育されているゴミムシダマシ科の甲虫の幼虫の総称(ウィキペディアより引用)だそうです。
食べた感想をひとことで表すなら、揚げた桜エビに近いですね。中は空洞のようになっており、サクサクッとした軽い食感。味も桜エビに似ていますが、スーパーワームのほうがもっとタンパクな気がします。
おいしいか、おいしくないかで言うと、そのどちらでもない中間地点。頭の部分に若干、苦みがあるのがマイナス。ですが塩・胡椒などをふりかけて食べれば、普通にスナック感覚で食べられる気がします。
エントリーナンバー2番・カイコサナギ
なんというか4種類の中ではもっともなじみがあるというか……みなさんも小学生のときに教室でカイコ飼育とかしませんでした? 数十年経ち、食べる日が来るとは、なんとも感慨深い。
こちらはザクザク食感。スーパーワームと違い、中身がぎっしりと詰まっています。味はアーモンドのような香ばしさがありますが、噛むと砕けて、口の中が粉っぽくなります。
スーパーワームと比べると、食べる人を選ぶような気はしますが、僕は問題なく食べられました(謎の達成感)。
エントリーナンバー3番・ミルワーム
ミルワームはスーパーワームと同じゴミムシダマシ科の昆虫の幼虫となるようです。
しかし、サイズはスーパーワームの半分くらいで、袋の中におそらく1番たくさん入ってました。
食感はスーパーワームよりさらに軽くサクサクしていますが、こちらのほうがエビの風味をより強く感じました。正直、サイズが小さく抵抗が少ないというのもあるのでしょうが、おいしくいただけました。
エントリーナンバー4番・サゴワーム
サゴワームは「ゾウムシと呼ばれる甲虫の幼虫。ヤシを食べて弱らせる害虫としての一面を持ちながらも東南アジア諸国では蚕白源かつおいしい食材として親しまれている」(引用サイト:bugoom https://bugoom.jp/worm/item_3387.php)そうです。
「おいしい食材として親しまれている」。え、ほんとうに? 写真だとわかりにくいのですが、10円玉よりも大きい。
――食べたくない(本音)。人は未知の食べ物に遭遇したときに、恐怖を覚えるのだと知りました。しかし食べなければこの企画は終わらない……‼
意を決して食べてみると、ザクっとした食感ですが、カイコとはちがい身が分厚い。しかも噛んだ瞬間、ほかの3つにはない油のようなエキスがジュワッと口の中に広がりました。噛めば噛むほど苦くもない、けれど甘くもない濃厚なエキスが出てくる。
なんだこれは? 何度も首を傾げました。知らないようで、知っている味。これは、あれだ……中華料理屋とかで出てくる殻ごと揚げた子ガニだ……! カニということにしておこう!
なんとか食べ終わりました。大きさ的にも味的にも1番、手ごわい相手でした……ちなみにサゴワームは大きいからか、袋の中に2個しか入っていませんでした(よかった)。
総評:昆虫、意外といける!
さて、無事に食べ終わってほっとしたところで、この4種類で個人的おいしかったランキングをつけていこうと思います。
第1位・ミルワーム……1番、虫ということを感じずに食べられましたね。小さなエビを食べているようで、普通においしくいただけました。
第2位・カイコサナギ……ザクザク食感ながら、後味は悪くなくクセがなかったので2位にランクイン! 個人的にはこの中だと1番お酒に合う気がしました。
第3位・スーパーワーム……ミルワームと似たエビ系の味ながら、頭部の黒い部分に独特の苦みがあり、人を選ぶ昆虫だと思いました。まぁ昆虫自体が人を選ぶのですが。
第4位・サゴワーム……まぁ、レビューでわかりますよね(笑)。クセが強いんじゃ。口の中に残る油っぽさが無理な人は無理だと思います。僕は無理でした。
おわりに
初めて昆虫食を体験して思ったのは、「案外、食べられるじゃん」ということでした。もっとどぎつい味がするのかなと食べる前は内心おびえていたのですが、(サゴワーム以外は)難なく食べられました。
昆虫食を買ったのは、中野ブロードウェイにある昆虫食の自販機だったのですが、今回レビューした昆虫以外にもコオロギやバッタなど多種多様な虫が売られていました(笑)。
価格こそ少しお高めですが、興味のある方はぜひ、買ってみてはいかがでしょうか? もしかしたら将来、本当に昆虫食が主食となる日が来るかもしれませんよ。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります