週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Xアイコン
  • RSSフィード

サラウンドとTHXでライバルに差をつけるのだ

高音質のドライバーを搭載した超軽量ヘッドセット「Razer Kraken V3 X」レビュー

2021年04月23日 11時00分更新

 PCゲームをプレイする際に、ある意味でディスプレーより重要な装備がゲーミングヘッドセットだ。ハイリフレッシュレートのディスプレーが勝敗を左右することはもちろんあるが、ハイレベルなゲーマー同士の戦いでなければ必ずしも決定的な差とはならない。

 一方で、特にFPS/TPS(ファーストパーソン・シューティング/サードパーソン・シューティング)では敵を見るより、聞くことのほうが重要なシチュエーションが多いのだ。

 予算が限られているのなら、高価なゲーミングディスプレーよりも、まずは購入しやすいゲーミングヘッドセットの導入を強くお勧めする。そこで今回推したいのが、4月16日に発売されたばかりの「Razer Kraken V3 X」(8980円)だ。

「Razer Kraken V3 X」8980円

パッケージには本体、クイックスタートガイド、メッセージカード、ステッカーが同梱。Razerのイカしたロゴのステッカーはかなーり嬉しい

高音、中音、低音ごとに最適化されたオーディオドライバーを採用

 「Razer Kraken V3 X」は税込で9000円切りのミドルレンジクラスのゲーミングヘッドセットである。最大の特徴は「Razer TriForce 40mmドライバー」だ。従来のKrakenには、50mmのドライバが採用されているため、サイズダウンはしているものの、Kraken V3 Xは高音、中音、低音それぞれに最適化された3部構成のRazer TriForce 40mmドライバーが搭載されており、高音域はより明るく鮮明に、中音域はより自然でクリアに、低音域はより深くパワフルに再生される。つまり、オーディオドライバー自体の素性が優れていると言える。

「Razer TriForce 40mmドライバー」は、Treble(高音域)、Midrange(中音域)、Bass(低音域)それぞれにフォーカスした特許技術のドライバーなのだ

 マイクは「Razer HyperClearカーディオイドマイク」を採用。感度に優れているだけでなく、後ろや横からの周辺音を遮断して音声を分離して捉えるように設計されている。もちろんノイズキャンセリング機能も搭載し、ミュートのON/OFFもわかりやすい。戦いの喧騒のなか自分の声を仲間にしっかりと届けられるのはもちろんのこと、ビデオ会議などでも明瞭な音質でコミュニケーションが可能なのだ。

マイクのアームは折り曲げ可能。集音に適切な位置に調整できる

 本製品はPCに接続すれば自動的にドライバーがインストールされ、ヘッドセットとして認識されるが、サラウンド機能を利用するためには「7.1サラウンドサウンド」をメーカーサイト(https://www.razer.com/7.1-surround-sound)からインストールする必要がある。本ソフトをインストールすると、7.1chバーチャルサラウンド(7つのスピーカーと1つのサブウーファーによる音場を仮想的に再現する機能)が有効化される。具体的には銃声や足音の方向を正確に把握できるようになるのだ。

「7.1サラウンドサウンド」をインストールしたのち、出力デバイスとして「Razer Kraken V3 X(スピーカー)」を選択する必要がある

 さらに臨場感のある7.1chバーチャルサラウンド機能を必要とする競技ゲーマーなどのために用意されているのが「THX Spatial Audio」である。2588円の有料プラグインだが、周囲の音を忠実に再現する「THX環境モード」に加え、爆発などの低音域を下げつつ足音・リロードなどの音を強調する「THX競技モード」が利用可能となる。

 下記のゲームなどが対応しているので、より戦いを有利に進めたいのならぜひ導入しておきたいプラグインだ。なおRazer BladeシリーズなどのRazer製ノートPCなら本プラグインがプリインストールされており、接続するだけで利用可能なのでお得である。

●「THX Spatial Audio」対応ゲームの一例
Apex Legends、Battlefield 1、Call Of Duty: Warzone、Call of Duty: Black Ops、Call of Duty: Modern Warfare、CS:GODestiny 2、Doom Eternal、Final Fantasy: XIV、Half Life: Alyx、Metro Exodus、Monster Hunter: WorldTom Clancy's Rainbow Six Siege、Red Dead Redemption 2、Resident Evil 2、Sekiro: Shadows Die Twice、Tom Clancy’s Division 2、Valorant

リストにない「PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS」でも「THX競技モード」を有効化できた。ほかにも対応ゲームはあるはずだ

 デザイン面におけるカスタマイズ機能が「Razer Chroma RGB」。メーカーサイト(https://www.razer.com/synapse)から「Razer Synapse 3」をインストールすれば、「Chroma Studio」を使って、フルカラーのエフェクトを自由自在にカスタマイズできる。

 闘争本能をかき立てるため、もしくは平常心を保つため、目的に合わせてライティングをセッティングしてみよう。もちろん無点灯にも設定できるので、お固いビデオ会議に参加する際にも安心だ。

「Razer Synapse 3」はRazer Chroma RGBだけでなく、キーボードのマクロ機能、マウスのカスタマイズ機能なども利用できる

Razer Chroma RGBのライティングをカスタマイズするのが「Chroma Studio」。左下から「効果」を選択し、適宜カスタマイズを施したうえで「保存」を押すと、該当デバイスに反映される

「Razer Kraken V3 X」ではウェーブ、オーディオメーター、スターライトなど計9種類のプリセットを利用できる。個人的に気に入ったのは「スペクトラムサイクリング」。1680万色のスペクトル全体をゆっくり変化させるエフェクトは実に幻想的だ

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう