週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Xアイコン
  • RSSフィード

常に人の前に向く「台座」に込められた秘密

Amazonが「Echo Show 10」の説明会を開催、関根勤とモノマネ対決も

2021年04月13日 16時30分更新

 Amazon.co.jpは4月13日、Alexaに対応した「Echo Show 10」の製品説明会を開催した。

 既報の通り、左右に350度動く台座を持ち、使用者に合わせて自動でディスプレーの向きが変わるスマートスピーカー(スマートディスプレー)だ。価格2万9980円で、色は2色。発売は4月14日を予定している。

 日本向けEchoデバイスのプロダクトマネージャーである北野氏は、Echoデバイスのコンセプト4点を紹介。それぞれ「いつも大切な人とつながる」「安心を提供する(プライバシー保護など)」「日々の生活をより便利に」「家族全員が楽しめる」だ。

北野氏

 Echo Showシリーズは2018年12月にEcho Showを発売して以来、国内でも複数のタイプが登場している。Echo Show 10は、モーション機能付きであることに加え、1300万画素のカメラを搭載。2つのツィーターとウーファーによるパワフルなスピーカー(聴き手に合わせて指向性を制御可能)、ZigBee対応のスマートホームハブ機能、サステナビリティに配慮したデザインといった特徴も備える。

モーション機能に合わせて、UIもアップデート

 ソフトウェア(UI)面でも進化した。スマホのAlexaアプリからEcho Show 10の内蔵カメラにアクセスできる「スマートホームカメラ機能」は可動式の台座をうまく応用したもの。直近で対応した「Netflix」や「Amazon Prime Video」の視聴機能も魅力ある機能だ。加えて、発売に合わせてJOYSOUNDカラオケ/Cookpadなど、モーション機能を生かせるAlexaスキルが追加された。ほかにも、最大7人が参加できるグループ通話、ホーム画面のカスタマイズ機能(スマートホーム機能のオン/オフや天気の画面分割表示など)がある。これらの一部は従来のEcho Showシリーズでも利用できる。

最大7人同時のビデオ通話が可能。

訂正:ビデオ通話の最大人数が当初の発表と異なることが分かったため本文を修正しました。(2021年5月10日)

 ハードウェアは、VR技術を駆使して開発。開発者がVRグラスを掛け、3Dモデルの動作を確認しながら作業を進めたという。特に重視したのが静穏性で、ブラシレスモーターによる静かな回転にこだわっている。このモーターは耐久性と少ないエネルギーでの稼働も特徴だ。

 使用者がどの方向で使っているかの認識は、音声の向きとコンピュータービジョンの組み合わせで実行する。カメラは人の姿をとらえると、画像の形状・曲線・色に応じた数百のデータポイントに変換してから保存(実際の画像は保存しない)。個人を特定できるような状態では処理しない。データはすべて端末上に保存された状態で処理され、クラウドなどに転送することはしない。また、どのタイミングで稼働するかについても最適化(予測)している。例えば、会話中に背後に家族が通った場合どうするか、うなずくと頭を動かすの違いをどう識別するかなどだ。

カメラから取り込んだ人物の動きなどの情報はスライドのように、個人が識別できない範囲まで抽象化し、かつデバイスの中だけで扱われる。さらに一定期間が過ぎると削除される仕組み。個人情報の取り扱いにも配慮した仕組みだ。

 Amazonによると、正面のゾーンに人がいて動かなければデバイスは動かない。カメラに映るが中央以外のゾーンでは、物体がある程度とどまる場合だけ動き、意図的に遅れて動く設計にしている。最後にモーションのゾーンとして、カメラに映る一番端に動いたときはカメラが動き、その場所にいるユーザーの位置に画面を動かす。

 逆に動かさないのは内蔵カメラが覆われているとき、まったく別の方向から声が聞こえたときなどだ。デバイスの回転範囲は、ユーザーで指定できる。周囲に食器や花瓶を置いた場合は、ぶつかる前にEcho Show 10が検知し、今後ずっと置かれるかどうかの確認が出る仕組みだ。ここで設定をすると台座の可動域が制限される。なお、スピーカーはディスプレーと一緒に回転するので、常に正面に向いた音が出る。

 ただ動くだけに見える台座だが、このような研究と検討を経て、自然な使い勝手を目指している。

 プライバシー保護にも配慮しており、マイク・カメラ・物理的なカメラカバーなどを持つ。モーションのオン・オフなどについては、本体だけでなく、アプリからも設定できる。逆に言うと、ユーザーの使用履歴などから学習した結果をフィードバックしてAmazonに伝える仕組みは持たず、アップデートなどでの機能改善はあるものの、基本的には汎用的に用意されたアルゴリズムに基づいた動作をするデバイスということになる。

 また、米国とは一部仕様が異なるソフトウェア処理があり、独自プロセッサーのAZ-1を積むものの英語版のAlexaが対応しているような最適化処理などは適用されない。ホームセキュリティデバイスにするための「Alexa Guard」やウェブ会議ソフトとして、ZoomやChimeが利用できないのも米国とは異なる仕様だ。

関根勤さんがEcho Show 10とモノマネ対決

 午前のトークセッションには、関根勤さんと関根麻里さんが親子で出演。Echo Show 10の機能を体験した。特徴のひとつであるビデオ通話は、あらかじめ設定した名前を呼ぶだけで簡単に通話相手が呼び出せ、人の声と動きに合わせて正面にカメラが向く。また、人物のサイズなど、とらえた映像を適切な構図に自動で拡大縮小できる点も便利だ。

 体験を終え、関根勤さんは「映像がきれいだ」と絶賛。麻里さんも「(呼び出し方が簡単なので)子供たちと一緒に使える点がいい」とした。そのうえで、スマホでビデオ通話をしたときの経験を披露。ウド鈴木さんのように、スマホの向きが悪くて、天井だけしか映っていなかった……という失敗を防げるとした。

 また、Alexaの面白機能として、モノマネを紹介。「アレクサ、○○のモノマネして」と話しかけると、反応することがある。

 そこで、モノマネが得意な関根勤さんとも対決。それぞれアニメキャラのマネをした。判定役は麻里さん。結果は2勝1敗でEcho Show 10の勝利。唐突に「るぱ~ん」と叫ぶAlexaに一同が爆笑。ハキハキと「は~ひふへほ~」と発音するAlexaを「声の調子がいい時のばいきんまんだね」としたりしながら、「そっくり過ぎない(対決の意気がそがれない)ところもよかった」と関根勤さん。

 全体を通して関根麻里さんは「声ひとつでいろいろな便利なことができて、忙しい人にいい。外出前の準備の際に別のことをしながら天気を確認できたり、思いついたときに買い物リストに入れておけば、あとから携帯でみられるので、何が必要かを忘れなくて済む」と使いこなしのアイデアを示した。「声で操作するので子供がリモコンを持って行ってなくすことがない」など主婦ならではの視点も新鮮だった。

 関根勤さんも「素晴らしい」と絶賛。一人暮らしの老若男女が増えているとしたうえで、(コロナ禍で)会話をしない人も増えていて「ほほの筋肉が弱る」、学生さんなどでも定期的に話しかけておけば「就職して、社会に出てからもいい」と感想を述べた。

 トークセッションの中では、明石家さんまさんの声が人間の声として認識されにくいという意外な事実も。また、モノマネつながりで、「孫に伝授したい、モノマネは?」という質問には、誰でも簡単にできるものとして「オーマイガッという言葉とともに、フレミングが左手の法則を見つけた瞬間」(想像で分からないので、やったものがち)がいいのではと提案。これには「子供にフレミングは分からないのでは?」というツッコミも出たが、笑顔を絶やさない、関根家の日常も垣間見られた。

 Echoスピーカーは家族と一緒に使うもの。「笑いを通じて人生が楽しいんだと刷り込んでいくのがモットー」という関根家でも活用のシーンは多そうだ。

■関連サイト

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります