春は初めて社会人になる人や、大学に入学し、新生活をスタートする人も多い。新生活をスタートするにあたり、いろいろと必要なモノが増えてくるが、最近ではテレワークやリモート授業など、パソコン(PC)が必須になるケースも増えてきている。もちろん、会社や学校側から提供される場合もあるが、提供されるPCの多くは、やや型落ちだったり、性能が低めといったこともある。
オフィス作業だけであれば、低スペックなPCでも十分であるが、一人暮らしを始め、仕事以外にもゲームや趣味での実況配信、イラスト作成と、エンターテイメント利用やクリエイティブな作業を行ないたい場合などは、力不足を感じるシーンも多い。そこで今回は心機一転、新生活を満喫するのにしっかりとしたPCが欲しいという人向けに、近頃話題のAMDのRyzenを搭載したオススメなPCをご紹介したい。
3月に発売されたばかりのRadeon RX 6700 XTを搭載
Ryzen 5との組み合わせでゲームでは最強のコスパ
最初に紹介するのは、TSUKUMOの「G-GEAR GA5A-V210/T2」だ。3月19日に発売されたばかりのビデオカード「Radeon RX 6700 XT」を採用し、CPUには、高いシングルコア性能により、ゲームをプレイするだけなら必要⼗分な性能で人気の高い「Ryzen 5 5600X」(6コア/12スレッド、3.7〜4.6GHz)を搭載する。
G-GEAR GA5A-V210/T2
●TSUKUMO
直販価格 21万2000円(送料込み)
「G-GEAR GA5A-V210/T2」の主なスペック | |
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CPU | AMD「Ryzen 5 5600X」 (6コア/12スレッド、3.7~4.6GHz) |
ビデオカード | AMD「Radeon RX 6700 XT」 (12GB GDDR6) |
マザーボード | MSI「B550-A PRO」(ATX) |
メモリー | 16GB(DDR4-3200 8GB×2) |
ストレージ | 500GB SSD(M.2、NVMe接続) |
光学ドライブ | DVDスーパーマルチ (DVD±R 2層書込み対応) |
インターフェース | DisplayPort出力×3、HDMI出力、USB 3.1 Type-C、USB 3.1 Type-A、USB 3.0 Type-C、USB 3.0 Type-A×4、USB 2.0 Type-A×4、ギガビットLANほか |
サイズ/重量 | 190(W)×475(D)×435(H)mm/約12kg |
OS | Windows 10 Home(64ビット) |
Radeon RX 6700 XTは、ライターの加藤勝明氏による既報記事のとおり前世代のRadeon RX 5700と同様にWQHD(2560×1440ドット)と謳っているが、各段に性能が向上し、WQHDでより高フレームレートでゲームがプレイできる性能を誇る。
液晶ディスプレーは、WQHDよりも高解像度の4K(3840×2160ドット)では、リフレッシュレートが60Hzのものがまだ主流で、120Hz以上と高リフレッシュレートで高解像度となると、WQHD対応の製品の方がラインアップは豊富。WQHD&高リフレッシュレートになると、ビデオメモリー(VRAM)も8GBでは足らないゲームも増えて来ているので、より長く使いたいのであれば、今買い換えるのにオススメなのは、Radeon RX 6700 XT以上のビデオカード搭載PCが望ましい。
CPUにおいては、ゲームをしながら実況配信するなど、マルチ作業をするには力不足ではあるが、PCゲームをプレイするだけ、あるいは動画の編集をするだけならば、シングルスレッド性能が向上し、1世代前のRyzen 7をも凌ぐRyzen 5 5600Xはベストな選択だ。
メモリーはRyzen 5 5600Xが対応する最も高クロックなDDR4-3200で、8GB×2とゲームをするだけなら十分な容量を備える。最近、非搭載が多い光学ドライブもDVDスーパーマルチを搭載し、ゲーム&DVD鑑賞を主に行なう人には嬉しい仕様。ただし、ストレージ容量は500GB SSDとやや少ないので、不安な人はBTOで増量することをオススメしたい。
気になる性能面も簡単にチェックしておきたい。まずは、CPU性能を計測する定番のCINEBENCH R23とR20、総合性能を計測するPCMark10のベンチ結果を見ていこう。CINEBENCHは3回計測したうちで、最も良い結果を採用している。
前世代で6コア/6スレッドのRyzen 5 3500でCINEBENCH R23のシングルスレッドのスコアーが1200台、6コア/12スレッドのRyzen 5 3600XTで1300台だったところ、1500台まで上昇。マルチスレッド性能も前世代のRyzen 5 3600XTでは9000台だったが、1万超えを果たし、従来のRyzen 7に近い性能を有している。PCMark10においても、ミドルクラスのCPUは総合スコアーが5000~6000番台が多い中、7600超えと高いスコアーを見せた。
次は3DMarkの計測結果を見ていきたい。
DirectX 11対応でフルHDのFire Strikeは、グラフィックステスト1で171.54fps、グラフィックステスト2で142.64fpsといずれも120fps以上の数値をマーク。DirectX 12対応でWQHDのTime Spyでもグラフィックステスト1で78.67fps、グラフィックステスト2で66.40fpsと、どちらも60fps以上でPCゲームがWQHD以上で十分快適に遊べる性能を示した。
Fire Strike UltraやTime Spy Extremeでは、60fpsを切ってくるが、解像度が4KのTime Spy Extremeでさえ、30fps以上のスコアーをキープしているので、重量級のAAAタイトルでもない限りは、WQHDでなら快適に遊べる期待感は高い。ただし、レイトレーシング対応でWQHDのPort Royalにおいては、グラフィックステストで26.79fpsと30fpsを下回るので、その点は留意しておく必要がありそうだ。
最後に実ゲームベンチでの計測を見ていきたい。まずは人気NO.1のFPSである「Apex Legends」の計測結果を確認したい。設定はデフォルトでほぼ「高」の設定。垂直同期はオフにし、フルスクリーンでトレーニングモードをプレイし、CapFrameXにて1分間計測し、平均と全体の1%である99パーセンタイルのスコアーの2種類を示す。
使用した液晶ディスプレーの最大リフレッシュレートが144Hzだったため、フルHDとWQHDの平均フレームレートが144fpsになっているが、これは頭打ちになっているため。最小フレームレートでは、やや差が出ているもののほぼ誤差範囲で、安定性という意味合いではフルHDの方がより安定するが、どちらも平均144fpsまで到達しているので、WQHDまでなら常時120fps以上で遊べるといって差し支えなさそうだ。
4Kになると平均90fpsを下回るが、最小フレームレートが60fpsを超えているので、カジュアルに遊んでいる人で、映像美を重視しているなら十分な性能と言える。
Radeon RX 6700 XTのPCゲームの計測結果は、すでにライターの加藤勝明氏がいくつか検証を行なっているが、ライトなゲームなら4Kでも120fpsを超え、やや重いゲームでも30fpsは下回らない性能を有している。
余談だが、スマホゲームでは3月30日現在セールスランキング上位3位以内にいる『原神』においては、PC版で60fpsまで対応し、4Kで平均60fps、最小56.7fpsと、ほぼ60fps張り付きでプレイできる。定番のFPSを高フレームレートで、3D RPGを4Kの高解像度&60fpsで遊ぶには、十分快適な性能を有していると言えるだろう。
以降は、型落ちだがよりコスパに優れたPC、省スペース、より高性能なRyzen搭載PCなどを紹介する。前述したTSUKUMOのPCの性能も参考にしつつ、予算に合わせてPCの購入を検討して欲しい。
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