週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

360 Reality Audioについて考える

2021年03月29日 13時00分更新

 先週ソニーが、独自の立体音響技術である「360 Reality Audio」を国内でも本格的に導入することを発表した。発表では、邦楽コンテンツの充実なども図られていくと考えられる。スマホやタブレットなどの再生機器を主にターゲットとしているとも言われているが、ポータブルオーディオにはどう影響していくのだろうか? またどのような準備が必要となるのだろうか?


紹介動画

アップルの空間オーディオと似た印象だが、性格は異なる

 360 Reality Audioは、国内ではAmazon Music HD、海外ではDeezer、TIDAL、nugs.netなどでの配信が開始されている。nugs.netは聞き馴染みがないかもしれないが、ライブ音源を中心に配信展開しているサービスで、MQAも初期に取り込むなど新技術の導入にも前向きなサービスだ。

360 Reality Audioに最適化した再生ができる、ソニーの「WH-1000XM4」

 3次元的な音の広がりを意識したフォーマットということで、アップルの「空間オーディオ」も連想するが、再生機器の動的な位置変化にフォーカスしている空間オーディオとは異なる。例えば、空間オーディオは最新のアップル機材を要求するのに対して、360 Reality Audioでは機器の条件がゆるやかだ。ただし、ソニー製(360 Reality Audio認定機器)ならば、最適化した「よりよいサウンドが楽しめる」というスタンスを取っている。

360 Reality Audioのイメージ

 コンテンツに関しては、空間オーディオはアップル独自フォーマットを要求しない反面、必然的にドルビーアトモスなどを採用している映画コンテンツが主となる。360 Reality Audioでは、独自のエンコードを必要とするため、製作・配信側の対応が必要となるが、音楽などのコンテンツを楽しめることも想定している。nugs.netが取り組んだのもライブの臨場感あふれる再生が可能だからということだろう。

 また、音楽プロバイダーでもあるソニーならではなのかもしれない。

 いずれにせよ、360 Reality Audioはより広い音楽ファンをターゲットにした技術といえるし、タブレットやスマホでこそ楽しむものだと言えるかもしれない。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この連載の記事