360 Reality Audioを実際に体験した
360 Reality Audio対応スピーカーの第一弾製品となるSRS-RA3000とSRS-RA5000を、視聴する機会を得た。
SRS-RA3000とSRS-RA5000は設計が異なり、コンパクトな形状のSRS-RA3000は、80mmのフルレンジスピーカーで360度に音を拡散し、17mmのツイーターからの出力を、上部に設けられたディフューザーで上方向に慣らしている。さらに、パッシブラジエーターで低域を補完する。
やや大きめの筐体を持つSRS-RA5000は、上向きに46mmのスピーカーを3つ配置。外周を46mmのスピーカー3つで覆い、さらに70mmのサブウーファーを搭載する。
実売価格はSRS-RA5000が6万6000円前後、SRS-RA3000が3万6000円前後になる見込みで、いずれも4月16日の発売を予定している。
視聴は、同一のインストゥルメンタル音源を2ch再生と360 Reality Audioで切り替えて連続で聴くという内容だったが、360 Reality Audioモードに切り替えると、スピーカーの周りに独特の音場ができあがるのが面白かった。
具体的には、音楽に含まれる楽器の音が、それぞれ空間の中で決まった位置で鳴っている感覚であり、特に高音のパーカッションなど、耳につきやすい音色/ツイーターが担う音域では、それが顕著だった。
SRS-RA3000がディフューザーを使った自然な拡散なのに対し、SRS-RA5000は、よりはっきりと音が定位していると思えた。またSRS-RA5000はサブウーファーを搭載する分、360 Reality Audioモードに切り替えた際の低域の密度が非常に高く感じた。
音の印象はそれぞれで異なるが、両者の音の方向性や性質は近い。個人的には自然な音の広がり方をするSRS-RA3000がSRS-RA5000より実売価格で3万円ほど安価なので、新技術を体験できるデバイスとして、かなりお買い得なのでは? とも思った。
ヘッドホンでの視聴体験も面白い。スピーカーで聴くのと印象は異なるが、スピーカーと同じく、耳につきやすい音色の楽器は、どの方向から音が鳴っているかが、はっきりと伝わる。また、制作段階のLRパン振りで、音が左から右に流れるといった演出が入っている場合、2chの音源よりも、それが現実の音の鳴り方に近い、リアルな表情で体験できる。
なお、記事で紹介しているSRS-RA3000とSRS-RA5000は、3月24日から全国のソニーストアで先行体験が可能になるとのこと。発売前に聴きたい読者は要チェックだ。
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