「XPG GAIA Mini PC」は、ADATAのゲーミングブランド「XPG」から登場した小型PC。容量約5リットルのコンパクトなボディーに最大8コアの高性能CPU、豊富なインターフェースを備えることに加え、ビデオカードも追加できる拡張性を備えている。
ラインナップはCore i9モデルとCore i7モデルの2モデルで展開される。ここでは上位のCore i9モデルをレビューしよう。
開封の儀をしてみたくなる存在感があるパッケージ
まず目を引くのがパッケージ。鮮烈なレッドのカバーの内側の化粧箱、内部の樹脂製パッケージまで高級感たっぷりで、ブロガーやYouTuberでなくとも思わず「開封の儀」をしたくなってしまうような存在感がある。
樹脂製パッケージは高品質なロックベルト付きで内側にも密度の高い硬質な緩衝材が詰め込まれており、本来を持ち運ぶときにも使えそうだ。
なお、PCパーツに詳しい方なら外観ですでにピンと来ているかもしれないが、本製品はインテルのゲーミングNUCベアボーンキットがベース。「Ghost Canyon」の開発コードネームでも知られる「NUC9 Extreme Kit(NUC9i9QNX)」を採用している。本体フロントにXPGブランドのミラーロゴが追加されているが、基本的な仕様は同じものでパッケージも共通のようだ。
Thunderbolt 3×2など
豊富なインターフェースを備えた容積5リットルのボディー
本体筐体の具体的なサイズは238×216×96mm、容積にすると約5リットルだ。重さは約3.23kgと、小さく軽量で扱いやすい。
両サイドパネルはスカルマークをデザインしたメッシュ仕様。フラットなフロントマスク、トップカバーの排気口も含め、シンプルながらこだわりを感じるデザインだ。
充実した端子類も魅力。Thunderbolt 3を2基搭載するので、高速なThunderbolt 3対応の外部ストレージが利用できる。カメラから高速にデータが取り込めるSDメモリーカードリーダー(SDXC、UHS-II対応)も搭載するので、クリエイティブ用途への適性も高い。
8コア16スレッドで最大5GHz動作のパワフルなCPUを搭載
コンパクトなボディーながら、パワフルな性能をもつのが本製品の大きな特徴。CPUにはCore i9-9980HKを標準装備。8コア16スレッド、最大5GHzで動作するノートPC向けとしては第9世代Coreプロセッサーの最高峰モデルだ。TDPは45Wで、ノートPC向けとしては発熱が高いモデルだけに放熱設計は入念になされている。
CPUとメモリ、M.2 SSDを効率的に冷却できるシロッコファンを搭載した専用設計の冷却機構を用意するとともに、全面メッシュ仕様の両サイドパネル、トップ排気を採用し、ボディー全体のエアフローを最適化している。空気は温度が上がると上昇していく性質があるため、こうした天面排気スタイルは最も効率が良いといえる。
XPGブランドのメモリーと高速SSDを標準搭載する
標準搭載のメモリとストレージはXPGブランドで統一。メモリはDDR4-3200(PC4-25600 SO-DIMM)が32GB(16GB×2)、ストレージは「XPG SX8200 Pro」の2TBモデルを搭載する。
XPG SX8200 Proは、3D TLC NANDフラッシュメモリとDRAMキャッシュを搭載した堅実設計のメインストリームモデルで、PCI Express 3.0x4対応のSSDとしてはトップクラスの性能をもつ。高性能なCPUに見合うぜいたくな構成だ。なお、M.2ソケットは標準で1基空いているのでさらに追加することも可能だ。
最大207mmまでのグラボが追加可能
ゲーム性能を重視するなら、うまく活用したい
本製品の魅力の1つが、これだけの小型筐体でありながら、外付け周辺機器以外の拡張の余地があることだ。M.2ソケットにSSDを追加できることもそうだが、最大207mmまでで、2スロット占有タイプのビデオカードを追加することができる。電源も500Wを搭載しており、ビデオカード用の電源コネクターもあるので、サイズさえ収まるのであれば、ミドルレンジ上位クラスまでは対応できる。
ビデオカードの性能はゲーム性能やクリエイティブ性能への影響が大きい。自分の好きなビデオカードを追加して、本機の利用用途をさらに拡大することも可能なのだ。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう