週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

本システムを利用した映像作品を公開

二次元キャラクターと3D素材を自動生成するシステム、PFN

2021年03月11日 17時30分更新

Crypkoで自動生成されたキャラクターの例

 Preferred Networks(PFN)は3月10日、キャラクターや高精細な3Dモデルが簡単に生成できるクリエイティブ産業向けデジタル素材生成システムを開発したと発表した。

 本システムは、経済産業省「コンテンツグローバル需要創出促進・基盤整備事業費補助金(J-LOD)」第4弾の採択事業として開発したもの。

 デジタル素材自動生成システムは、キャラクター自動生成・高精細3Dモデル生成の2つの機能で構成される。キャラクター自動生成は、同社が開発したキャラクター生成プラットフォームCrypko(クリプコ)により、深層学習を利用し、制作者が定義した顔のパーツ、表情、髪の色などに合ったキャラクターのCGを自動生成する。これまでCrypkoは顔が生成対象だったが、上半身までより高い解像度で生成することが可能となった。

 高精細3Dモデル生成機能では、実物のアイテムを専用の3Dスキャナーに配置し撮影するだけで、高精細な3Dモデルを簡単に自動生成できる。様々な材質や大きさの被写体に対応しており、小型のアイテムであれば、およそ6時間の撮影作業で当日中に200点以上の3Dモデル化が可能としている。生成した高精細3Dモデルは市販の編集ソフトで自由に加工・複製し、映像作品やゲーム等で使用できる。

実物の写真

3Dスキャンで生成した高精細モデル

回転させた3Dモデル(低解像度)

3Dモデルのメッシュ構造

 本システムを利用した映像作品の第1弾として、PFN、キングレコード、ポリゴン・ピクチュアズが共同で、バーチャルシンガーHACHI(RK Music所属)の楽曲「20」をフィーチャーした短編動画を作成。動画中の主人公はキャラクター自動生成システムが生成したキャラクターを元にデザインされ、スマートフォンや背景の文房具などのアイテムは高精細3Dモデル生成機能を用いて実物から生成されたものが元になっている。また、動画に登場するギターのコンピューターグラフィックス制作過程では細部の質を上げるため外部クリエイターと共同作業している。

短編動画で使われたギターと家具の3DCG

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう