第59回
Qualcomm Snapdragon Soundとは? 96kHz/24bit対応のaptX Adaptiveを軸にした新しいオーディオ体験
シャオミ、オーディオテクニカ、Amazon Music HDが対応
そして、はじめのパートナーとしてはスマホメーカーとしてXiaomi、再生機器メーカーとしてオーディオテクニカ、そして音源提供先としてAmazon Music HDを紹介している。
Amazon Music HD紹介の動画では、ニール・ヤングが登場したのが個人的には面白かった。この連載でも何度か書いているように、ニール・ヤングはハイレゾ音楽の推進者なのだ。「雷鳴はDマイナーなのだ」というカントリーミュージシャンのコメントからも、自分たちの音楽を高音質で正しく聞いて欲しいというミュージシャンの気持ちが伝わった。
キーノートの動画においては、Snapdragon Soundが"end to end sound technology"、つまり包括的なサウンド技術であるということ、また機器横断的なエコシステムであると述べているのが印象的だ。また、モバイルオーディオのみならず、ゲーミングに言及しているのも興味深い。
快適なワイヤレスオーディオという体験の提供
このようにQualcomm Snapdragon Soundとは単に一つのコーデックのような技術を指すのではなく、スマートフォン、イヤホン、音楽ソースなどを通じて提供される、一連のオーディオ体験を指している。モバイルに限ってはいないが、当初はストリーミング音源をワイヤレスイヤホンを使用してスマートフォンで聞くことをターゲットにしているようだ。
Snapdragon Soundを構成する製品群・音源には、Qualcomm Snapdragon Soundのロゴの記載されたバッジが付与される。つまりSnapdragon Soundバッジのついたシャオミのスマホで、同様にバッジのついたアマゾンのプレイリストを、バッジのついたオーディオテクニカのワイヤレスヘッドホンで聴くと最高の音質を快適な低遅延で楽しめることを保証しますということのようだ。
端的に言うと、Snapdragon Soundとはソニーが主導したハイレゾ認証マークにも似ている。Qualcommが主導して高音質音楽体験を保証する枠組みのようなものだとも言えるだろう。
Snapdragon Sound対応のハイレゾプレイリストもすでに公開
Amazon Music HDでは、すでにSnapdragon Soundに対応するハイレゾのプレイリストが公開されている。
Snapdragon Soundは、漠然とした概念のようなものだが、その中心となる技術は、新たに96kHz/24bit対応になったaptX Adaptiveである。aptX Adaptiveは2018年に発表されたが、当初は48kHz/24bit対応とされていた。それがあらたに96kHz対応となったタイミングで、リブランドする意味もあるかもしれない。実際にSnapdragon Soundにおいて保証されているサンプリングレートは96kHz/24bitまでのようだ。
また、クアルコムの提供するSnapdragon Soundのホワイトペーパーを読むと、目的にハイレゾオーディオのみならず、音声会話の品質向上が掲げられている。このためにaptX Voice技術も採用されている。
そして、もうひとつの応用領域がゲーミングだ。これにはaptX Adaptiveのもうひとつの側面である低遅延が活かされている。ここでは競合機種に対してSnapdragon Soundがどの程度の低遅延かが表にされている。
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