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小島寛明の「規制とテクノロジー」 ― 第114回

北朝鮮、盗んだ仮想通貨を資金に 日本もターゲットか-倶楽部情報局

2021年02月22日 18時00分更新

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 本日は、ASCII倶楽部の人気記事「北朝鮮、盗んだ仮想通貨を資金に 日本もターゲットか」を紹介します。


 北朝鮮が、仮想通貨(暗号資産)を取引所から盗み出し、核開発の資金にしているという。

 ロイターが2021年2月10日付で、北朝鮮が2019~2020年の間に、約330億円相当の仮想通貨を盗んだと報じている。報道によれば、国連安全保障理事会の専門家小委員会が、今後公表される年次報告書で、北朝鮮のサイバー攻撃について言及するという。

 さらに、11日付のAP通信は、北朝鮮は盗み出した仮想通貨を原資に、核開発に必要な技術や機器をイランなどから調達していると指摘している。国連の専門家がAP通信に語ったとされる。

 北朝鮮による国を挙げたサイバー攻撃と仮想通貨の窃取は、これまでに何度も指摘されてきた。

 仮想通貨は、国境を越えた資金の移動の容易さに特徴があるだけに、北朝鮮の違法行為への対応には困難がともなう。

●セーシェルの取引所で293億円被害

 2020年9月、インド洋の島嶼国「セーシェル共和国」に拠点を置く、仮想通貨取引所クーコイン(KuCoin)がハッキングを受け、2億8100万米ドル(約293億円)相当の仮想通貨が盗み出された。

 クーコインの発表によれば、現地時間9月26日未明、同社のウォレットから巨額のビットコインやERC-20トークンなどが引き出されたことを検知したという。

 ロイター通信によれば、10月にも2度目のハッキング被害があり、2300万米ドル相当の仮想通貨が盗まれている。

 国連の報告書は、どの取引所がサイバー攻撃を受けたかについては具体名を言及していないが、攻撃の「軌道」や資金洗浄に関連する動きから「北朝鮮との結びつきを強く示唆する」と指摘しているという(ロイター通信から引用)。

 この取引所の具体名について国連は明言しないものの、時期や被害額などさまざまな要素から、ほぼクーコインだろうとみられている。

●取引所への攻撃で2000億円超える「収益」

 北朝鮮の関与が疑われる仮想通貨取引所へのサイバー攻撃は、数多い。

 2019年8月30日に国連安全保障委員会の小委員会が公表した報告書は、北朝鮮が、仮想通貨取引所や金融機関へのサイバー攻撃により、「推定で最大20億ドル(約2092億円)」の収入を得たと指摘している。

 サイバー攻撃に関与したハッカーは、おもに朝鮮人民軍の情報機関として知られる「偵察総局」の指揮下で攻撃を実行し、核兵器や弾道ミサイルを含む大量破壊兵器開発に必要な資金を集めていたとされる。

 1年ほど前には、国を挙げたサイバー攻撃と資金洗浄の一端を知ることのできる動きがあった。

 米国の司法省などが2020年3月、1億米ドルを超える仮想通貨の資金洗浄に関与したとして、中国人2人を起訴した。

 米司法省の発表によれば、2018年に北朝鮮が取引所をハッキングし、2億5000万米ドル相当の仮想通貨を盗む事件があり、2人はこの資金洗浄に関与したとされる。

 盗まれた仮想通貨は、自動化された取引を繰り返し、多数のアカウントを行ったり来たりして、追跡が難しくなった。

 2人は、医師の写真と偽造身分証明書を複数の取引所に提出し、架空のユーザーのアカウントをつくったとされる。

 少なくとも113の仮想通貨口座が、この資金洗浄で利用されたと米司法省は指摘している。


 続きは「北朝鮮、盗んだ仮想通貨を資金に 日本もターゲットか」でお楽しみください。

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