週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Xアイコン
  • RSSフィード

コロナ禍でオフィスはどう変わったか? 大塚商会の決算から垣間見えること

2021年02月15日 09時00分更新

テレワークとともに「たのめーる」が初めて前年割れ

 大きな変化を受けたトレンドのひとつが、テレワークの増加だ。

 2020年末までのテレワーク支援実績は約4万社、約43万人。2020年上期時点でのテレワーク支援実績は1万9000社、22万7000IDであったことに比べると、顧客数が倍増していることがわかる。

 また、ウェブサービス(ASP)は、前年から32万9000人増加して、295万6000人が利用。たよれーるおよびOffice 365は64万人、どこでもキャビネットは22万人が利用しており、「これらのサービスは、テレワークの浸透とともに伸長している」という。

 だが、テレワークの推進とともに、オフィスへの出社が減少したことで、オフィス用品通販サイトの「たのめーる」の売上高は、前年比1.9%減の1634億円と、通期業績では、初めて前年割れとなった。

 とはいえ、第4四半期は5.3%増と反転。「成長路線に戻りつつある」と、回復に自信をみせる。

たのめーるの売上高年次推移

 ちなみに、オフィス用品通販サイトは、アスクル、コクヨ、たのめーるが御三家と言われるが、アスクルとコクヨが、紙のカタログを廃止しており、たのめーるだけがそれを残す状況となった。大塚社長は、「購買担当者が、ページに付箋を貼って注文をするという使い方が定着している。紙のカタログにも価値がある。他社との差別化要因として今後も残していきたい」と述べた。

GIGAスクール構想がパソコン需要を一気に広げる

 もうひとつが、児童生徒に1人1台のPC/タブレットを整備するGIGAスクール構想の影響だ。

 先に触れたように、大塚商会の年間販売台数は、PCは14.1%減と2桁台の前年割れとなったが、GIGAスクールの導入が本格化した第4四半期は、前年同期比33.9%増の62万6991台と、大幅な成長をみせた。前年同期となる2019年度第4四半期(2019年10~12月)も、Windows 7のサポート終了を2020年1月に控えていたこともあり、前年同期比37.0%増の46万8271台と大幅な伸びを記録していたが、2020年度第4四半期は、それをさらに大きく上回る実績となったのだ。

パソコン販売台数の四半期推移

 大塚社長は、「第4四半期において、GIGAスクールによる教育分野向けパソコン需要が一気に伸びた」とし、半分となる約30万台がGIGAスクールによるものだという。
また、12月末時点で126億円の受注残があり、これが2021年度第1四半期(2021年1月~3月)の売上げに計上される予定だ。

 GIGAスクール構想の1台4万5000円の補助金をもとに単純計算すると、28万台のパソコンが受注残となる計算だ。前年となる2020年度第1四半期のパソコン販売実績は、37万4780台。すでに、その75%がGIGAスクール構想で達成されていることになる。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この連載の記事