利用規約は18歳以上限定だが……気軽に話せて親近感もわく
音声SNS「Clubhouse」で大人と出会う高校生たち
有名人と直接話せる音声SNS、18歳からのハズだが……
音声SNS「Clubhouse」が人気となっている。実名制で招待にも電話番号を利用する、音声でコミュニケーションするSNSだ。知り合い同士で話すだけでなく、気になるテーマのルームに参加して話を聞いたり、自分もスピーカーとして話したり、著名人のトークショーに参加したりなどの使い方がされている。
まだAndroid版はなくiOS版限定だが、コロナ禍で他人と簡単に会えないなか、リアルコミュニケーションや新しい出会いが得られる場として人気となっている。Clubhouseにおける未成年トラブルについてみていきたい。
中高生も利用中だが、事件につながる恐れも
Clubhouseは利用規約で18歳以上対象とされているが、特に年齢を確認する仕組みなどはなく、未成年も利用できる。実際、時間によっては高校生ばかりが集まるルームも生まれている。筆者は「中学生」というユーザーを見かけたことがある。
「高校生が数名でにぎやかに話していたから、ついでにインタビューしてきた」と、ある40代男性は言う。「高校生に人気のアプリとかサービスとか聞けて楽しかった。でも、知らないおじさんと直接話せるわけで、心配になった。事件につながりそう」
直接話せることで、相手に好意を抱いたり、信頼したりしやすくなる効果がある。また、気を許してお喋りしているうちに、個人情報を漏らしてしまったり、直接会う約束をしているユーザーも少なくない。実際あるルームでは、盛り上がって「明日会おう」と約束しているユーザーがいた。
これまでにもボイスチャットができるオンラインゲームで親しくなり、未成年が呼び出されて誘拐されたり、性被害に遭う事件が続いている。つまり、そのような被害につながる可能性があるのだ。しかもアプリ側で音声の録音などはされていない上、記録も規約で禁止されているため、証拠が残らない可能性がある。
「招待してほしいから、Twitterで招待してくれる人を見つけて、電話番号を教えて呼んでもらった」という人がいる。見知らぬ人に電話番号を教えることで、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性が出てくる。
ここまで説明したように、使い方によっては思わぬ被害に巻き込まれる可能性がある。保護者は子どもにリスクを教え、アプリを使わない約束を取り付けるべきだろう。
著者紹介:高橋暁子
ITジャーナリスト。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki
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