週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

2021年はモバイルノートでも5Gが当たり前になるのだ!!

富士通「LIFEBOOK UH (WU) 」5Gモデル実機レビュー = IF全部入りでTiger Lakeが速くて600g!

2021年02月11日 13時00分更新

 富士通のUHシリーズは世界最軽量のモバイルノートとして君臨しているが、2020-2021冬モデルではいち早くTiger Lakeを搭載したうえ、WWANも内蔵可能になった。5Gモデム内蔵の最上位モデルが到着したので使ってみました。

カスタマイズモデルは11万円台から

5Gモデムが積める超軽量モバイルノートなのだ

 UHシリーズの最新店頭モデルは「UH-X/E3」「UH90/E3」「UH75/E3」の3種類で、CPUは上位2機種がTiger Lakeの「i7-1165G7」で、UH75ではAMDの「Ryzen 7 4700U」を搭載している。メインメモリーはオンボードで8GB、SSDはUH-Xが1TB、UH90が512GB、UH75が256GB搭載だ。ボディーカラーはUH90が「ピクトブラック」「ガーネットレッド」「シルバーホワイト」の3種類で、UH-Xはブラックのみ、UH75はブラックとホワイトの2種類である。

店頭モデルの3色兄弟もいいですね

「ピクトブラック」の表面は一眼レフのようなザラザラ模様入りで、指紋も目立ちません

 従来と同様に、UHにはバッテリー容量が2種類あり、重量も異なる。最軽量モデルのUH-Xが25Whで634グラム、通常モデルのUH90とUH75は50Wh積んでいるが、810から834グラムに抑えている。バッテリー駆動時間(JEITA2.0)はi7モデルで25Whで11時間、50Whで22.5時間、Ryzenでは15.8時間と表記されている。執筆時のWEB直販のクーポン適用価格(税込み)で、UH-Xが21万9780円、UH90が20万8780円、UH75が18万6780円だ。

 UHのカスタマイズモデルは「WU-X/E3」「WU2/E3」などの型番になる。CPUにCore i7以外に「i3-1115G4」と「i5-1135G7」が選べるほか、メインメモリは32GB、SSDは2TBと、モバイルノートとしては珍しいくらい大量に積むことができる。

SSDはフルサイズのM.2で内蔵しています

 さらに、カスタマイズモデルでは日本語配列ながら、キートップに「かな表記なし」のスッキリキーボードが選択可能なほか、5Gの通信モジュール、のぞき見防止フィルター、OSとMicrosoft Office、メーカー保証の延長やワイド保証、バッテリー容量も選択可能だ。ちなみに25Whバッテリー選択時にはACアダプターは45W出力のものが、また、50Whバッテリー搭載モデルでは65W出力のものが付属する。

 WUの設計サイトで、5G対応モデルに、32GBメモリー(8GB+5万5400円)、2TB SSD(1TB+2万6000円)、かな表記なしキーボード(+2500円)でクーポン適用で約32万円となる。これをノン5Gモデルで選んでみると約29万円だから、5Gモデムの値段は3万円ということになる。ちなみに、最安を組んでみると、i3+4GB+128GBでバッテリー25Whだと11万7000円で購入できるのだ。

こちらが、かな表記のないスッキリ・キーボードです

本体右側面下部に5G通信のためのSIMスロットがあります。プラの蓋を開けて引き出す形で、頻繁に出し入れするのはちょっとストレスです

本体内で結構な面積をとっているSnapdragon X55 5Gモデム&RFユニットです

フルインターフェイス搭載で600&800グラム台
さらなる減量に成功したうえ15ミリの小型化も

天板がマグネシウムリチウムからカーボンになりましたが、塗装は変わらずのマットな仕上がりです

 最近は、NEC、富士通、パナソニックやVAIOといった日系メーカーだけでなく、ASUSやHP、Lenovoなどの海外系メーカーも、モバイルノートの「重さ」に注目するようになってきた。とはいえ、最新のTiger Lakeモデルを眺めてみると、小型軽量をうたうモバイルノートは、インターフェイスも削減しているものが多い。極端なものではタイプC×2のみで、1つは電源入力に使われてしまう。

 ところが、富士通のUH(WU)シリーズは私たちが必要とするインターフェイスを根性で固辞してくれている。モバイルでは軽視されがちな有線LAN端子(RJ-45)も、折りたたみ形で内蔵している。在宅勤務中心なら不用だろうと思っていたが、実際、安定したネット接続が必要な場面は逆に増えているのだ。会議やミーティング中に、回線の中断や速度低下を体験することがあるが、重要な会議の途中で画質が急降下したり、音が途切れたりすると、情けないことになる。今こそ有線LAN端子は重要なのだ。

 UH&WUには、本体左側に、USB3.2(Gen2)タイプC(USB Power Delivery、DisplayPort Alt Mode)が2ポートあり、USB3.2(Gen1)のタイプAが左右に各1ポートある。左側のものは電源オフUSB充電機能付だ。

Type-A×2にSDカードスロットとHDMIと有線LANまでついて600グラム台ですね

 Type-Aが2つあるのはストレスがない。マウスを挿したまま、USBメモリーを挿せる。さらに、HDMI出力とフルサイズのSDカードスロットまで内蔵する。我々取材班のためにあるようなマシンなのだ。

 細かい話になるが、以前のLAN端子は本体から引っ張り出して変形してコネクタをハメるカタチだったが、今回はロックを上げて本体に挿す形で、面積も取らないうえ、安心感も向上している。

上が前モデルのLANコネクタで、引き出して変形させる形でした。下の今モデルではパチンと金具を上げるだけです

 LAN端子の小型化に加えて、ACアダプター接続の専用端子もなくなったので、奥行きが15ミリも短くなっている。横幅は309ミリから307ミリへと2ミリ短くなり、奥行きは212から197ミリへと15ミリも短くなった。重さは2018年以降の最軽量698グラムから634グラムへと、64グラムも軽量化している。50Whモデルも855から810へと45グラム軽量になった。天板をマグネシウム・リチウムからカーボンにしたうえ、LCDユニットやバッテリー、キーボードも軽量化、狭額縁化も効いているそうだ。

底面はファンのある部分だけでなく、4か所に空気取り入れスロットがあります

 キーボードの配列は前モデルとほぼ同じで、大きなEnterキーがとても気持ちがいいうえ、独立のカーソルキーの使い勝手の良さも変わらない。キー間隔は19ミリ、ストロークは1.5ミリで「2段階押下圧」で打鍵感もとてもいい。おじさん的にはUS配列が好みだが、かな印字なしで見た目もかなりスッキリなのである。

「かな印字なし」なだけで、配列はJISのフルキーボードですから、使用感はベストです

最軽量モデルはキーボードバックライトはありませんが、フルバッテリーもでるには内蔵です

 タッチパッドは横幅が91ミリから97ミリへとより広くなり、2つのボタンが独立しているのも、とても使い心地がいいのだ。

 ディスプレイ上部のカメラはHelloの顔認証には使えないが、物理シャッター内蔵で安心。指紋センサーは電源キー内蔵なうえ、投入時に読み取るので、Windows起動後に再度タッチする必要がない。スマホでも、マスク着用で顔認証に失敗するより、指紋認証のほうが便利になってきたので、時流に合っているのである。

 ディスプレイは13.3インチのノングレアのIGZOで、高輝度・広視野角、フルHD解像度でおなじみの16対9=1920×1080ドットである。

カメラには物理的なスライド式シャッターが付いています

指紋センサー内蔵の電源ボタンは、PCでも標準になりつつありますね

13型はFHDで十分な解像度で、輝度、再度もIGZOで最高クラスです

利用エリアが急速拡大中
5Gはどれくらい速度が出るものなのか?

 5Gの通信機能は「まだ早くないですか」といわれそうだが、キャリアのエリアマップをみると、けっこう急速に拡大している。ドコモの予定を見ると、今年の4月末のところで、首都圏がかなりカバーされ、7月にはその周りにもいくのである。自宅が5G圏内になるのも遠くはないのだ。

ドコモが公開している5Gエリアマップ。左が今(1月末)で、3ヵ月後の2021年4月末には右のように急拡大します

 ちなみにUHの内蔵5Gモデムが対応するバンドは5Gがn77、n78、n79で、4GはB1、3、7、8、18、19、20、28、38、41、42、3GはB1、8である。5Gは残念ながら「ミリ波」には非対応でSub6のみとなる。

 試しに、UHを渋谷、新宿、秋葉原で試したところ、ダウンロードでは最高で800Mbps、アップロードでは50Mbps近い速度が出た。今後、基地局が増えれば、さらなる速度向上が期待できる。4~7月に向けて、5Gパソコンの速度計測は、継続していきたいと思っている。

左がUH(WU)で計測した例で、892と40Mbps出ています。右はiPhoneで、1119と104が出ました。アンテナが増えればPCでもこれくらい期待したいですね

Tiger Lakeはどれくらい回しているのか?
3DMarkで驚きの速度が!

 気になる最高速度計測だが、これまで、Tiger Lake搭載ノートを十台以上計測してきたが、「どこまで回すか」によって、最高速度がかなり大きく違っていた。冷却能力とバッテリー持続時間がからんでくるので、メーカー設計者の判断によるものだが、以前とちがい、速度差があるのだ。今回の計測モデルはi7-1165G7+32GB+1TB+5Gモデムという構成である。

 というわけで、まずはCPUの速度をみるCinebenchだが、R15、R20、R23の結果は839、1990、5093だった。特殊な冷却機構を持ち、飛びぬけて速いRazer Book 13では、同じCPUで996、2393、6230だったので、その8割より速いというのは、なかなか飛ばした速度で、平均よりも回しているマシンである。

 3DMarkではTimeSpyで1821、FireStrikeで5202、WildLifeで13323と、こちらは爆速を誇るRazer Book 13の1776、5243、12529を一部超えてしまった。メインメモリ32GBが効いたのか、3DエンジンがONになるとよりブン回す設計なのか、とにかく速いのである。

 SSDはCrystalDiskMarkでシーケンシャルのマルチリードが2392、ライトが1700で、これは爆速ではないが、標準よりは速い結果である。  バッテリーは50Wh搭載で、電源モード「最も高いパフォーマンス」、ディスプレイの輝度は最高で実施したところ、2時間45分稼働した。おじさんはモバイルノートはこの最悪シナリオで2.5時間動けば合格としている。もちろん、液晶の明るさと、バッテリーモードを落とせば、4時間は軽く持つのである。

 充電のほうは同条件で稼働しながらで、50%までが30分、70%までが46分、90%までが68分と非常に高速だった。50Whに65WのACアダプターとしては、最高クラスで、頼もしいのだ。もちろん、タイプC出力可能なモバイルバッテリーや小型ACアダプターでも給電できるので、外出荷物は節約できるのである。

ファンは1台のみで、フル回転するとちょっとうるさいです。

Wi-Fiと5Gのモデムのサイズ差が結構あります

スピーカーは本体底面手前であまり大きくはありません

フルインターフェイスに富士通の良心
アプリもたくさん入ってます

 フルインターフェイスとフルバッテリーを内蔵しながら、800グラム台で持ち歩けるのはやはり楽なのだ。奥行きが15ミリ小さくなったので、カバンにも入れやすくなった。

 ちなみに、富士通もPCには、他社でよく付属するOfficeやマカフィーだけでなく、多くのアプリが付属している。日本語入力ではATOK、年賀状作成の筆ぐるめ、Corel Digital StudioやPaintShop Pro、Power Directorで写真や動画の編集、英語学習アプリまで入っている。これらは「@メニュー」というアプリから、やりたいことを選ぶことで探し出せる仕組みだ。年賀状は出さないしという人でも、WordでWindowsの標準以外の毛筆のフルフォントが入っていればなにかと便利だし、My Cloudプレイは同一ネット上のテレビ録画(レコーダーやテレビのHDD内)が視聴でき、持ち出しも可能だ(いわゆるDTCP-IPのクライアントソフトですね)。無料・有料のアプリを探してインストールする手間がないのは楽なのだ。不必要ならアンインストールしてSSDの空きを増やせばいい。

「@メニュー」でやりたいことから、プリインアプリを選択できる

 というわけで、おじさんの最新モバイルノート選び3原則のうちTiger Lake採用と5Gモデム内蔵という2つをクリアした新UHには、次回は3つめの縦長画面(16対10とか3対2ですね)を実現していただけると最強です。よろしくお願いいたします!

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります