コロナ禍でバタバタした2020年、マクロレンズが大変よく売れたと聞く。外に出られない分、室内で撮影を楽しむにはマクロレンズが最適ってわけだ。
外に出ないなら、家の中で楽しむためのレンズを買うってアリだな、新しいレンズってテンション上がるしな、でもいいレンズを買う金はない……でも買っちゃったのだ。それも2本。といっても実はどっちも1万円以下! 中国製のマニュアルフォーカスレンズなのだ。
きっかけは中国の銘匠光学という会社が2020年12月に発売した35mm F1.4のレンズ。これが8910円とは思えない作りと、使いやすさと一部で評判になったから。その値段なら買ってみてもいいかも、と手を出しちゃったのである。冒頭写真がそれ。窓際においた猫スリバチで日向ぼっこしてるうちのかふか。8910円のレンズでこれだけ撮れたら問題なさすぎ。
そのレンズはこんな感じですごくコンパクトで金属製で見た目もいい。マニュアルフォーカスマニュアル絞り。今のレンズは電気接点を持っていてカメラ側にレンズの情報を伝えられるようになっているけど、このレンズはそんなの一切ない。非常に原始的なレンズなのだ。ボディーは富士フイルムの「X-T4」をセレクト。富士フイルムはマニュアルフォーカスをアシストする機能が充実してて良いのだ。
8910円のレンズなのにフォーカスリングはスムーズで回しやすいし、写りも予想以上にまともで……もっとヘンなボケ方するとか周辺光量がぐんと落ちるとかそういう安いレンズっぽさがあっても良かったくらいちゃんと撮れる。絞り開放でググッと寄って撮ると、柔らかい感じになってすごくいい。
こういうレンズを富士フイルムのカメラにつけると、フィルムシミュレーションで遊びたくなる。特に「クラシックネガ」がお気に入り。しっとり感がいい感じに出る。
思ったより楽しかったので調子に乗って別のレンズも買ってしまった。こちらも同じく中国製だけどメーカーを変えてみた。七工匠の25mm F1.8とちょっと広角のレンズ。X-T4につけると38mm相当になる。室内で飼い猫を撮るならこのくらいの方が使いやすそうだったのだ。このレンズ、ググッと寄れるのもいい。
ギリギリまで寄ってみようってんで、寝てるかふかの爪を狙ってみた。遠近感を強調して広角感が出る感じを狙ったのである。
マニュアルフォーカスなのでじっとしてないと難しいけど、いつも寝てるシーンではつまんないよねってことで、ソファに座っていたらかふかがやってきて、ニャアと鳴いた瞬間をゲット。
お次はちょっと違う雰囲気でってことで、遠くを見るかふかを隙間から。前後のボケを狙って。頰ではなく目にピントが合うよう慎重に。
このかふか、いったいどこにいるのかというと、パソコンラックの上の段に置いてあるプリンターである。最近、仕事用デスク経由でここに飛び乗るのがお気に入りなのだ。時々キーボードを思い切り踏んづけて飛ぶのである。だから時々画面に余計な文字が打たれてることもある。
仕事用スペースから見るとこんな感じ。複合機は上面が平らでちょうど猫1匹落ち着けるスペースがあり、しかもちょっと高い位置に置いてあるので猫が好むのである。
マニュアルフォーカスというとちょっと難しそうと思うかもしれないけど、ミラーレス一眼は「拡大表示」できるし「マニュアルフォーカスをアシストする」機能を持ってたりして、一眼レフよりマニュアルフォーカス向きなのだ。家の中でマニュアルフォーカスに慣れたら外に行くのもよし。
では、最後にモノクロで。
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筆者紹介─荻窪圭
老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/
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