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この価格では「ありえない音」をアピール、finalのA4000/A3000の実力は?

2021年02月01日 13時00分更新

A4000とA3000が取り入れた新しい概念とは?

 両製品の特徴は、まず先に挙げた新しい評価法だ。これは決まった音圧で固定して、評価する従来のテストではなく、様々な音圧や音楽など、多角的な基準から試験し、実際のリスニングシーンに即した評価をするものだそうだ。例えば、「スローリスニング」という、長時間使用を想定した評価法が用いられている。

評価手法イメージ

 好評を得た「E3000」は、店頭で軽く試聴するだけでは、地味な音であり、同価格帯(数千円台)のイヤホンのようなドンシャリ系で、ユーザーにアピールしやすい音ではない。そんなE3000が好評を得たのは、長期間使用したユーザーの高評価が、SNSを通じて広まった結果であるとfinalは考えた。いわば「本物」を作るための製品開発の評価法とも言えるかもしれない。

 音の要であるドライバー部分には、自社設計で直径6mmの「f-CORE(エフコア) DU ダイナミックドライバー」を採用している。これは海外に新たな拠点を設けた上で新設計したもの。部品だけでなく、生産機器から起こしているという。

真鍮を使用したドライバー

 f-CORE DUのドライバーフロントハウジングの素材は、一般的なアルミニウムよりも磁力の影響を受けにくく、かつ比重の高い真鍮を使用。振動板の時間応答性能を高めるために、ボイスコイルに30μmの超極細CCAWを使用。最小限の接着剤で組み立てることで、可動部を徹底的に軽量化している。さらに振動板は、通常の1/3程度の小ロットで丁寧にプレスすることによって、圧力の偏りを最小限に抑え、歪みがなく均一な振動板の成形を実現している。低価格製品でも精密かつ丁寧に製作されていることがわかる。

装着イメージ

 ハウジングはABS樹脂製だが、接触面積を限定する形状により、圧迫感のない装着感を目指している。一見丸みを帯びている方が装着しやすいようにも思えるが、両モデルの角ばった筐体は装着性にも配慮して決められたデザインなのだ。

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