「ToHeart」「こみっくパーティー」といった人気ゲームで知られるアクアプラスが制作した人気シミュレーションRPGシリーズ「うたわれるもの」。PCで発売された第1作目を皮切りに、アニメ化などもされたシリーズだ。
その後にコンシューマーで発売されたシリーズ3部作の2作目・3作目にあたる「うたわれるもの 偽りの仮面」「うたわれるもの 二人の白皇」が、DMM GAMESによりPCへ逆移植されたのがちょうど1年ほど前の話。
この2本だけでも楽しめる内容ではあったのだが、やはりシリーズの物語は最初から見たいというユーザーも少なくはなかったはず。そんなファンの願いが届いたのか、3部作の第1作目にあたる「うたわれるもの 散りゆく者への子守唄」がついにSteamに登場!価格は6600円になっている。
ようやく全編通してSteamから遊べるようになったので、さっそくプレイしてみた。
コンシューマー化からHDリメイクまで
長い歴史に沿って完成度も進歩︕
シリーズの起点となった「うたわれるもの」はPCで発売されたタイトルだが、渾身のストーリーと世界観が支持され、アニメ化やコンシューマー化も行なわれるなど人気を博した。
その後、アニメと同じ豪華声優陣を起用してPlayStation 2版「うたわれるもの 散りゆく者への子守唄」を発売し、異例のヒットを記録。さらにPlayStation 4(PS4)/PlayStation Vita(PS Vita)向けにHDリメイクもされ、シミュレーションパートの3D化をはじめ、続編2作と共通のシステムで大幅にリファインされた。
そして今回、まさにシリーズの原点と言える本作がSteamでリリースされ、ついに3部作全てがPCへの帰還を果たすことになったわけだ。
本格的な戦記物として紡がれる骨太なストーリー
既にリリース済みの3部作中続2編を紹介した際にも言ったが、「うたわれるもの」シリーズはジャンルこそシミュレーションRPGを名乗ってはいるものの、その実態は“シミュレーションRPGつきアドベンチャー”とでも言うべき構成で、アドベンチャーパートの比重がかなり重い。本作でもタイトルムービーが再生されるまでのプロローグだけで優に6時間を超えるボリュームがある。
ゲームの舞台となる世界はちょうど戦乱の時代の真っ最中で、プレイヤーの周囲も戦火が絶えない状況。物語は主⼈公である記憶喪失の青年が重症を負って倒れていたところを、メインヒロインの「エルルゥ」に助けられたことから始まる。主人公は「ハクオロ」と名付けられ、エルルゥたちの住む辺境の集落で平和に過ごすが、その日常はある日突然終わりを告げ、ヒロインたちとともに戦の日々に身を投じなければならなくなる。
さまざまな困難が次々と巻き起こって、そのたびに立ちはだかる敵と戦う筋書きは、王道の戦記物になっている。そのため、プロローグを過ぎると戦闘の機会は割と多く、よりシミュレーションRPGらしい印象だ。
もちろんヒロインたちとの交流も見所であることには変わりない。魅力的な女性キャラクターが次々参入し、主人公ハクオロとの個別のストーリーも展開されていく。
ハクオロは人格者として描かれており、ヒロイン達だけでなく多くの男性キャラクターも主人公の器に惚れ込んで参加している様子が見て取れる。そんなところもまた、戦記物らしさを味わえる部分だ。
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