Intel Z590チップセット搭載マザーボードがGIGABYTEから発表された。Z590チップセットでは、第11世代と第10世代のインテルCoreプロセッサーも対応し、第11世代を搭載した場合PCIe Gen4で動作する。Z590単体で見るとThunderbolt4やUSB 3.2 Gen2x2への対応のほか、第11世代の電力要求に耐えるべく、電源回路が強化されているのが特徴的だ。
マザーボードのラインナップが多いので、発売後にどれを買おうか悩まないよう事前にGIGABYTEのZ590搭載マザーボードをチェックしていこう。
2020年1月22日時点で発表されている製品は9種。フラッグシップであるZ590 AORUS XTREMEを筆頭に、基準的な仕様がそろうZ590 AORUS MASTER、クリエイター向けおよびホワイト基調ビジュアルのZ590 VISION G、ややエントリー向けとなるZ590 UD ACが主立った区分になる。
AORUSは5種、VISIONは3種、UDは1種となっているため、まずはわかりやすい。Z490搭載マザーボードをすでにチェック済であれば、似た仕様が多いため判断しやすいだろう。
SSD拡張カードとUSB DACが付属する最上位モデル
Z590 AORUS XTREME
フラッグシップであるZ590 AORUS XTREMEは、前面も背面もナノカーボンコーティングされた放熱強化シールドのビジュアルが特長的なE-ATX(30.5×27cm)で、見た目と性能を高次元で融合させたグレードになる。
ちらっと見える基板部にそびえる20+1のデジタル電源フェーズのインパクトも強い。さらに、デジタルPWMに加えて、各フェーズに100A DrMOSのパワーステージを用意している。スペックシートを見ると、ダブラーを採用し、フェーズ数が倍増したと記載されている。
フェーズの冷却は、GIGABYTE独自の「Fins-Array II ヒートシンク」を採用する。ナノカーボンコーティングに加えて、従来のヒートシンクよりも表面積を300%増加させつつ、通気性を向上させたルーバー・スタックフィン設計にしたものだ。
第1世代のFins-Arrayと見比べるとフィン数が増し、より冷却効率が高くなっている。リアI/Oカバーはアルミ製でFins-Array IIと接続されているため、ここでも放熱できるという徹底した冷却仕様だ。これは第11世代Coreプロセッサーの要求に応じつつ、オーバークロック性能の向上を狙ったため。もちろん、定格運用時には安定性に直結する部分でもある。
MOSFETの冷却には8mmヒートパイプを採用するほか、Fins-Array IIとボード間は7.5W/mkのサーマルパッドを使用するなど細かい部分もフラッグシップらしい仕様になっている。
次にM.2スロット。Z590 AORUS XTREMEの場合は、合計3スロット。第11世代Coreプロセッサーを搭載した場合は、最上段のスロットがPCIe Gen4で動作し、残る2スロットはチップセットに接続されたPCIe Gen3動作になる。
またレイアウトでみると、ビデオカードの巨大化に伴い、PCIe 16xレーン直下がデッドスペースになりがちであるため、そこにM.2スロット×2を配置。これは他のモデルでも同様であり、また他メーカーも似た傾向にある。
Z590 AORUS XTREMEならではの要素として、コネクターの向きがある。約90%が側面を向いており、ケーブルマネージメントやエアフローの確保が容易になっている。右側面や下部がその仕様になっており、ケース内をスッキリさせやすい。
他のモデルでもおなじみの機能としては、PCIeスロットはステンレスで補強されており、重量級のマザーボードの重さにスロットが負けない作りになっている。メモリースロットも同様で、ねじれやボードの曲げ、静電気放電を抑制している。もちろん、電源コネクターは接点電気抵抗を低減させるソリッドピンを採用している。
サウンドはRealtekのIC「ALC1220-VB」に、ESSのDAC「ES9018K2M」+TIのオペアンプ「OPA1622」と豪華な構成。ノイズ対策として音源周りは独立構造となっている。
フロントオーディオでも、高いサンプリング周波数を持つDSD Audioをサポートし、ヘッドフォン向けのUSB Type-CポータブルDAC「Essential USB DAC」が同梱されているなど、ヘッドフォン派にもうれしい仕様になっている。
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