週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

20GBが月2480円! auの新料金「povo」の特徴や注意点、他社との違い

2021年01月16日 12時00分更新

 KDDIは13日、オンライン専業の新料金ブランド「povo(ポヴォ)」を3月に開始すると発表した。20GBで月2480円(以下、すべて税抜)という料金が目玉で、ドコモ「ahamo」やソフトバンク「SoftBank on LINE」に全面対抗する内容となっている。両サービスとの違いやpovoならではの要素について、現時点でわかっていることを6の項目に分けて紹介する。

ドコモ「ahamo」、ソフトバンク「SoftBank on LINE(仮称)」に続いて、KDDIからもオンライン専業の新料金が登場!

【au「povo」でわかっていること その1】
他社より500円安いのは他社でセットの通話定額を外して実現

 まずは料金。ahamoとSoftBank on LINEが「20GBで2980円」なのに対し、povoは「20GBで2480円」という料金設定になっている。ただし、単純に月500円安いのではなく、前2サービスでは基本プランに組み込まれている「1回5分以内の通話が定額」という部分が切り離されて、オプションになっているため。povoの「5分以内通話かけ放題」は月500円なので、これを追加すると同額に。月1500円で時間制限が無い「通話かけ放題」を追加した場合も3社で横並びの金額となる。

先行2社よりも月500円安い料金が打ち出されている。実際には通話定額がオプションになっている分が、この料金設定になっているわけだが、実際に「1回5分の通話定額は要らない」という人は少なくないはずだ

 通話定額が必要な人にとっては「なんだ、安くないのか」と感じるかもしれないが、友達や家族との通話にはLINEを使うので、普通の電話はほとんどかけないよという人は、povoがターゲットにしている若年層ではすでに多数派になっていると思われる。そうした利用者には通話定額のオプション化は歓迎だろう。

1回5分までの通話定額を追加すると他社と同じ2980円に。もちろん時間制限無しのかけ放題も可能

【au「povo」でわかっていること その2】
通話定額の部分以外は他の2社とほぼ同じ 5Gも夏から利用可に

 ahamoやSoftBank on LINEと同じく、povoもオンライン専業でコストを削ることで料金を抑えている。契約にはpovo専用サイトからの申し込みが必要で、サポートはauショップや電話では受けられない

povoのサイトでは、契約やサポートはオンラインのみで、店頭や電話でのサポートが無いことが明示されている

 月20GBの通信量でその超過後も最大1Mbpsで利用可能、追加チャージは1GBあたり500円という点も同等だ。5Gについては今夏以降の対応予定で追加料金などは不要。キャリアメールも他社同様に提供されない。なお、ahamoで追加料金無しで利用できる国際ローミングについては詳細は公表されていない。

【au「povo」でわかっていること その3】
独自の特徴が「トッピング」 1回200円でそこから1日使い放題

 他社に無く、povoならではの特色としてアピールされているのが「トッピング」。前述の通話定額オプションもそうだが、月2480円というシンプルな基本プランをベースに、ユーザーがスマホで簡単にオプションを追加できるようUIも含めて工夫している。

基本プランに機能を追加していく「トッピング」がpovoの売り

スマホ時代の新サービスらしく、スマホ上でトッピングの追加は完了。「画面はイメージです」とのことだが、「2時間ムービー見放題」「24時間SNS使い放題」といったトッピングも検討されている!?

 その第1弾として提供されるのが「データ使い放題 24時間」。200円をプラスで支払うと、そこから24時間、データ通信が使い放題となる(月20GBの通信量から消費されない)。なお、通信速度については「ネットワークの混雑時や動画・クラウドゲームなどの利用時に制限する場合があります」という記載がある。

 povoではテザリングが追加料金不要で利用できるが、この使い放題オプションでも同じ。週末にスマホでガンガン動画を見る予定だったり、旅行や出張時などでネット接続がテザリング頼みといったケースに威力を発揮しそうだ。たとえば月10日を「使い放題」にしても、プラス2000円で合計4480円と、各社の使い放題系プラン(3月開始のau「使い放題MAX 5G/4G」は月6580円)よりは格安。このオプションを理由にpovoを選択するという人も出てきそうだ。

【au「povo」でわかっていること その4】
当初は端末は販売されないので各自用意する必要あり

 povoのサービス開始当初は端末のセット販売は予定されておらず、契約者が各自でSIMフリースマホなどを用意する必要はある。povoはこれまでのauのサービスと基本的に同一のネットワークが用いられるため、auで販売されたスマホもそのまま利用可能のはずだが、端末の対応状況などの詳細は後ほど公表される予定。

 若干気になるのが4Gと5Gの関係。auでは、4G契約のauのSIMが5Gスマホで、また5G契約のauのSIMは4Gスマホで利用できない。これがpovoでも同じだとすると、いろいろと面倒事が発生する可能性も考えられる。一方でUQ mobileやau MVNO(IIJmio、mineoなど)の4G契約のSIMであれば、iPhone 12やauの5Gスマホでも使えるので、このあたりはユーザーが混乱しないで済む対応に期待したい。

auの4G契約のSIMでは動作しないiPhone 12だが、UQ mobileのSIMでは動作する。SIMのみの提供でスタートするなら、ユーザーの混乱を招くような仕様はなるべく排除されていることを望みたい

【au「povo」でわかっていること その5】
UQは15GB+2480円に データ繰り越しにメリット大

 povoの登場でUQ mobileとの関係が気になるところだが、こちらは店頭での販売/サポートも用意されるサービスとして、今後も展開される。さらに2月開始の新料金「くりこしプランS/M/L」を発表。メインとなる「くりこしプランM」は月15GB(超過後は最大1Mbps)で月2480円と値下げして(従来の「スマホプランR」は月10GBで月2980円)、競争力をアップしている。

UQ mobileも値下げ&増量した新プランを2月に開始する。Y!mobileも追従する

 「くりこしプラン」にはauやpovoにはないメリットもある。それがプラン名にも含まれている「使い切れなかった通信料の翌月繰り越し」だ(UQ mobileのプランでは以前から対応)。月15GBの「くりこしプランM」で月5GBしか使わなかった場合、10GBが翌月に自動で繰り越されて25GBになる。しかも繰り越し分が先に消費されるので、翌月の通信量が10GB未満だった場合は15GBがそのまま翌月に繰り越されて30GBになる。

 格安SIMでは比較的一般的な繰り越し機能だが、ライバルのY!mobileにはなく、通信量的に中間層のユーザーには価値のある料金・サービスと言える。

【au「povo」でわかっていること その6】
auやUQ mobileからの変更は無料 手続き方法自体はまだ不明

 他社と同様に、au/povo/UQ mobileの3つのブランド間での移動における、契約解除料/MNP転出手数料/新規事務手数料はすべて無料(今年2月以降)。また、auからpovoへの移動時の詳細はまだ公表されていないが、au⇔UQ mobile間では今夏以降に料金プラン変更と同じ手続きになる(それ以前はMNPの転出入が必要)とされているため、当初はなんらかの作業が必要なのかもしれない。

KDDIの3ブランド間の移動では解除料や各種手数料は不要。ただし、SIMの交換やMNPの手続きが必要かなど、詳細な仕様はまだ不明

 なお、ドコモ/KDDI/ソフトバンクはいずれも今春のMNP転出手数料の無料化を公表済みだ。

 

■関連サイト

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう