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CESから2021年のヘッドホントレンドを垣間見る

2021年01月18日 09時00分更新

 例年この時期はアメリカのラスベガスで開催されるCESのウォッチから始まり、その年の製品予測などを行う。昨年度のCESはまだパンデミック前であったのでリアルイベントとして開催されたが、今年のCESはオンラインでの開催となった。

 その中からオーディオ関係の新製品などをいくつか紹介したいと思う。またアップルはCESに参加する企業ではないが、CESでの製品群は前年のアップル新製品のトレンドを受けるものが多いということも言える。そうしたアップルの落とす影にも着目していきたい。

 まず興味深いのは「V-Moda M-200 ANC」だ。これはV-Modaでは初のBluetoothヘッドフォンとなるが、既存のM-200(有線)スタジオモニターヘッドフォンをワイヤレス化してアクティブ・ノイズ・キャンセリング(ANC)機能を搭載した製品のようだ。また価格が499ドルとワイヤレスヘッドホンにしてはかなり高価なのもポイントだ。自分で外装ペイントのデザインをカスタマイズできるなどユニークな特徴もある。

 V-ModaのCEO、Val Kolton氏は2011年にフジヤエービック主催のヘッドフォン祭を訪問したこともあり、HeadFiなどにもよく顔を出している。マニアック気質なことでも知られているが、なかなかユニークな製品だと思う。

 また高音質、外装の良さ、高価格帯という点からアップルの「AirPods Max」を連想させる点が興味深い。また音傾向もM-200をベースにしていることから、ワイヤレスヘッドホンながらもコンシューマー向けとは異なるプロ志向のサウンドになるように思える。ソニーやボーズを中心に、3万円前後の人気機種が多いマーケットがどう動いていくのか、行かないのかも今年の注目点となるだろう。

 流行の完全ワイヤレス型で、ノイズキャンセリング機能搭載のイヤホンも多数発表された。

 「Anker Soundcore Liberty Air 2 Pro」は、129.99ドルと低価格でありながら、ANCを搭載し、6つのマイクにより通話品質も向上させたという製品だ。低価格でANC搭載、コロナ禍によるリモートワークにも考慮した通話品質の向上……と、これも時代を反映した製品と言える。Anker独自のアプリによって自分用に音を最適化するHearIDにも対応している。

 また、有線イヤホンの注目モデルとして、老舗のゼンハイザーから「Sennheiser IE300」が発表された。これは高級イヤホンのIE800に採用され、定評のある 7mm ExtraWideBand (XWB)ドライバーをさらにリファインして搭載したものだ。ミドルクラス製品だが、音質の高さに期待だ。IE300はすでに国内でも販売開始されている。価格はオープンプライスで、実売価格は3万7000円ほどだ。

 最近、アップルが「歯を噛みならすことでイヤホンのコントロールができる技術"through body"の特許を取得した」ことで話題になったが、「Mobvoi Earbuds Gesture」はジェスチャーコントロールをもったユニークな完全ワイヤレス型イヤホンだ。動画を見てもらうと分かりやすいが、TicMotionと呼んでいるコントロール技術で、通話がかかってきたときに頭でうなずくと通話ができたり、頭を横に振ると通話を拒絶したりできる。そのために両手がふさがっていても良いというものだ。国内では発売していない、クラウドファンディングによる製品である。価格は69ドルほど。

 また、CESと同時期に、サムスンが新型Galaxyの発表イベントで「Galaxy Buds Pro」を発表した。ANC搭載に加えて、アップルの空間オーディオを思わせる「360°オーディオ」という機能を搭載している。360°オーディオでは仮想的にマルチチャンネルオーディオが再現され、モーショントラッキングセンサーが頭を動かす際に音の方向を正確に特定してリアルな映画鑑賞を可能にするという。また、低遅延のゲームモードや、会話を認識すると外音取り込みモードに切り替わるという興味深い機能も取り入れられている点が新しい。

 こうした製品からは低価格ANC、ワイヤレスの低遅延モード、ジェスチャーコントロールなどが読み取れる。またアップルの影響を受けて高級ワイヤレスヘッドフォンや空間オーディオなどもトレンドになっていくのかもしれない。今年のオーディオ界はやはりコロナ禍の影響を受けるだろうが、また確実に進んでもいくことだろう。

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