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箱根駅伝で活躍したBMWの電動バイク「C-evolution」に乗った!

2021年01月16日 15時00分更新

ずっしり重いが、安定感バツグンのボディー

C-evolutionのハンドル部

C-evolutionの左ハンドル部

メーターパネル部。表示はLCDだ

リバーススイッチを押している間、ディスプレイにはRの文字が表示され、バックできる

 車両重量は275kgと、250ccのガソリンエンジン搭載のスクーターと比べて約100kg近く重く、BMWのC650とほぼ同等かそれ以上。大型バイクでは珍しくはない重さなのですが、慣れていないと駐輪場での出し入れに苦労することも。それゆえ左手グリップにはリバースボタンが設けられており、押しながらスロットルを回すと車両が後進。教習所バイクの押し引きで悪戦苦闘した人でもラクラクに扱うことができるでしょう。左手グリップにはリバースボタンのほか、ウインカースイッチとホーンボタン、ライトのハイビーム/ロービーム切替のほか、インフォメーションディスプレイの表示切替スイッチ、ハザードスイッチなどが設けられています。

右手ハンドル部

ROADモードを選択した様子。速度を挟んで右側のバーが出力、左側が回生で再生量がすくないことがわかる

出力、回生ともにMAXのDYNAMIC

出力を抑えて回生量がMAXのECO PRO

BMWの電動車。左がi8、右がi3

 右手にはイグニッションボタンのほか、走行モード切替スイッチとヒーターグリップのスイッチがあります。ヒーターグリップはHIとLOの2段階切替で、寒い日にはうれしい装備です。モード切替は4段階。通常のROADのほか、回生ブレーキを使わないSEIL、ROADをベースに回生力を強めたDYNAMIC、そして加速が穏やかなECO PROの4モードが用意され、走行中でも切替できます。こうしたEVシステムはBMWの純EV、i3で培われた技術が使われているのだとか。

充電ポートを開けたところ

急速充電には対応していない

 フロントカウルの左側には、充電ポートが用意されています。本体付属のケーブルを介してAC200Vコンセントと接続すると、約4時間半でフル充電できます。ここで注意しなければならないのが、高速道路のサービスエリアなどに設置されている急速充電器を利用することができないこと。急速充電は専用端子が規格されているのですが、C-evolutionにはスペースの問題か、その端子が用意されていないのです。言い換えると、遠方へ行く際、目的地または経由地にAC200Vコンセントもしくは通常充電器が用意されているかを事前に確認しないと、帰ってくることができないということ。ちなみに公称航続距離は約160kmと電気自動車に比べると短め。もちろんアクセルの開け方や走行モードによって上下しますが、筆者が運転した感覚ですと130km程度は走れそうでそうでした。

鍵のついた収納部を開けたところ

収納部の奥にETC2.0車載器が取り付けられている

 カウル右側にはETC2.0車載器も備えた小さな小物入れを用意。ETCカードが入れづらいのは難点ですが、BMWはETC車載器を全車標準装備しており、別途購入しなくてよいのはちょっとオトク感があります。

足回りの様子。ベルト部にはカバーが取り付けられている

リアはシングルディスクブレーキ

 モーター出力は定格出力19kW(26PS)、最高出力35kW(48PS)で、国産250ccクラスのスポーツバイクのトップである45馬力を上回るもの。トルクに至っては72Nm(7.3kgm)と、250ccクラスを大きく凌ぐナナハン級! もちろん電子制御でバッチリ制御されていますので、アクセルを捻った瞬間にリアがブレイクしてコントロール不能になることはありません。こうして生まれコントロールされた動力は歯付ベルトとリングギアによって、片持ちスイングアームで支えられている160/60R15サイズの後輪タイヤに伝達されます。

フロントは倒立フォークでデュアルディスクローターを装備

 フロントは40mmの倒立フォークで、上下にステムを設けた剛性感が高いもの。タイヤは120/70R15とスクーターとしては大きめサイズが採用されています。ちなみにこのタイヤサイズはC650と同一。改めてC-evolutionは250ccというクラスには収まらないバイクであると感じます。300kg近い車体を止めるブレーキはフロント側は270mmのデュアルディスクで、キャリパーはニッシン製2ポット。リア側はさすがにシングルディスクですが、ローター径はフロントと同じ270mmでキャリパーも2ポット。もちろんABS機構も装備されています。ちなみに、ABSはドイツのボッシュ製が採用されました。

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