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座面が気持ち良すぎで永久に座れそう

世界最高の座り心地を目指したゲーミングチェアー「Razer Iskur」 実機レビュー

2021年11月24日 11時00分更新

 長時間ゲームをプレイするにあたって、なによりも重要なのが「イス」。どんなに高性能なゲーミングPCや、キーボード、マウス、ヘッドセットなどのデバイスを揃えていたとしても、腰やお尻が痛くなっては快適にゲームを続けられない。

 そこで今回レビューするのがRazerのゲーミングチェアー「Razer Iskur」。実売価格6万6000円前後とちょいとお高めだが、お値段以上の価値がある製品である。セットアップの手順から調整機構の解説、実際に座り続けた感想などをレビューしていこう。

Razer「Razer Iskur」実売価格6万6000円前後

付属工具でカンタンに組み上げ可能 締めるボルトは10本だけ!

 本製品のサイズは74.5×66.5×137cm、重量は30.3kg。半完成品の組み立て式で、パッケージは94×76×44cmとかなり大きめだ。

 部品は、背もたれ部、座部、5本足ベース、キャスター、サイドカバー、ヘッドレスト、ガスシリンダーカバー、ガスシリンダー、ガスシリンダー固定台、ネジ類・ネジカバー・専用工具という構成。組み立ては15~30分ぐらいで完了する。

 組み立て手順については下記で詳しく解説しているが、実際に組み立てて感心したのが、専用工具が1本で共通化されていること。ゲーミングチェアーのなかには複数のネジに、それぞれべつの六角レンチを使用する製品があるが、本製品は工具を使い分ける必要はない。また、専用工具にT字型のグリップが設けられており、弱い力でもネジを回しやすい。細かな点だがユーザー視点に立ったうれしい配慮だ。

 また、全パーツの加工精度も高く、組み立てる際にネジが入りにくかったり、部品同士の取り付け位置の調整に力を必要とすることはなかった。初めて半完成品の椅子を組み立てる方でも、スムーズに完成させられるだろう。

パッケージは94×76×44cmとかなり大きめ

左上から、背もたれ部、座部、5本足ベース、キャスター、サイドカバー、ヘッドレスト、ガスシリンダー固定台、ガスシリンダーカバー、ガスシリンダー、ネジ類・ネジカバー・専用工具、説明書、ステッカー

専用工具にはT字型のグリップが設けられており、力を入れやすい

組み立ては、まず背もたれ部と座部を4本のネジで固定する。つぎに両側面のサイドカバーをネジで取り付けたあと、その穴をネジカバーでふさぐ。この時点で、背もたれ部から伸びているレバー付きケーブルを座部底面にスライドして固定する

座部にガスシリンダー固定台を4本のネジで装着する。ここは重要な工程なので4本のネジを仮締めしてから、改めてすべてのネジを増し締めしよう。このあとはほとんど力は不要。5本足ベースにキャスターを取り付けたら、そのまま裏返して、ガスシリンダーを差し込み、さらにガスシリンダーカバーを装着する

キャスターが完成したら、底部のガスシリンダー固定台にしっかりと差し込み、椅子全体を引き起こす。最後にヘッドレストを装着すれば完成だ

幅広い体型&体格にピタリと合う 豊富な調整機構

 Razer Iskurは幅広い体型、体格に合わせられるように豊富な調整機構が用意されている。調整機構をリストアップすると、座面の高さ、背もたれの角度、腰部サポートのせり出し量、リクライニングの強さ調整、リクライニングの固定、高さ・幅・角度を調整できる4Dアームレスト……となる。

 本製品最大の売りは腰部サポートシステム。ゲーミングチェアーでは腰部サポートをクッションでまかなっている製品が多いが、Razer Iskurの腰部サポートシステムはせり出し量を細かく調節できる。クッションでは高さぐらいしか調整できないが、本製品なら体格によって異なる脊椎の湾曲に合わせて微調整が可能だ。

座面の高さは実測で約10cm調整できる

背もたれは実測45度の角度まで倒すことが可能。なお合計リクライニング角度は139度だ

胸部サポートシステムは下側がせり出す構造となっており、実測で10~12cmのせり出し量が確保されている

ガスシリンダー台下部のダイヤルを回すと、リクライニングの硬さを調整できる

ガスシリンダー台下部のレバーを下げるとリクライニングをロック、上げると解除される

アームレストの高さは実測で約7cm調整できる

アームレストは左右に実測約3cmスライドできる

アームレストはさらに角度と前後の位置を調節可能だ

病院の診察台のような心地いい硬さでサポートされる

 筆者の身長は185cm、体重は112kg。相当な巨漢の部類に入ると思うが、Razer Iskurを現在快適に試用している。本製品はスペック上、身長は170~190cm、体重は136kg以下に適しているとされており、その範疇に収まっているので当然の結果とも言える。

 さて最も感銘を受けたのが座面の「高密度フォームクッション」。この硬さが絶妙で、半日座り続けてもお尻がほとんど痛くならない。病院のベッドや診察台のクッションをイメージすると、本製品の感触に近いと思う。

 調整機構で一番気に入り、多用しているのが腰部サポートシステム。ずっと座り続けると、筆者の場合はさすがに腰がこってくるのだが、腰部サポートをせり出して、リクライニングを少し倒すと、腰椎が伸びて、これだけで腰のこりがほぐれてくる。まるで座ったままストレッチをしているような気分だ。

 気になるのは耐久性だが、保証期間は3年間と長めに設定されている。また、多層合成レザーの強度テスト、腰部サポートやバックレストなどの耐荷重テスト、可動部分の負荷試験などが実施されているという。今回は短期間の試用なので耐久性については言及できないが、製品公式サイトでテスト内容の詳細が公表されているので安心感は高い。

クッションが柔らかい椅子は長時間座っていると疲れる。Razer Iskurは、病院のベッドや歯医者の診察台のクッションのような、心地いい硬さがある

座面には「高密度フォームクッション」を採用。体重がかかったときに人それぞれのお尻の形に合わせて、柔らかに支えてくれる

座面には「高密度フォームクッション」を採用。体重がかかったときに人それぞれのお尻の形に合わせて、柔らかに支えてくれる

ヘッドレストには「メモリーフォームクッション」を使用。首のうしろにぴったりと密着する

ゲーム体験を快適にする
Razer Iskurはコスパの高い「ゲーミングデバイス」なのだ

 筆者は規格外の巨漢なので、身長155cmの家族にも座り心地を試してもらったが、「腰部サポートとリクライニングを調整すれば快適に座れる」という感想を得られた。個人差はあるかもしれないが、細かな調整機構をフル活用すれば、身長170cm以下でも快適な座り心地を得られると思う。

 ゲーミングチェアーとしては実売6万6000円前後というのはお高めだ。しかし、ゲーミングPCのCPUやグラフィックボードなどのパーツと違って、性能が極端に陳腐化することはない。末長く愛用できることを考えれば、ゲーム体験を身体的に快適化するRazer Iskurは、コストパフォーマンスが非常に高いゲーミングデバイスなのである。

 

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