2020年最後の「這いつくばって猫に近づけ」は2020年新作カメラ猫の後編。9~12月だ。
7~8月にキヤノンからEOS R5/R6と大物が出たと思ったら、9月はニコン。数字は同じ「5」だけどNikon Z 5はお求めやすい価格の初めてのフルサイズミラーレス一眼にぴったりな製品。猫瞳AFも使えて画質は上々なやつなのだった。
ちょうどいい具合に望遠レンズを持っていたので、にゃあといった瞬間の顔のアップを。こういうとき猫瞳AF万歳である。タイミングと構図に集中できるからね。
9月は引き続きエントリー向けのマイクロフォーサーズミラーレス一眼、オリンパスの「E-M10 Mark IV」。マイクロフォーサーズは軽快なので、持ち歩きの負担が少なくていい。そのわりに写りは悪くないのだ。猫AFはないけど。
2020年の秋は各シリーズのエントリー向け、という言い方がどうか微妙だけど、主力機種の弟分、あるいは末弟的なカメラが続々と出てきたのが特徴で、9月はパナソニックのフルサイズミラーレス一眼の弟分、「LUMIX DC-S5」が登場。兄貴分の「S1/S1R」が非常に貫禄があって筋肉質で(まあ、ゴツくてちと重かったということだが)、それに比べるとS5はギュッと締まった感じがいい。最初からこのサイズで出してほしかったという声も。
10月になるとソニーからもコンパクトなα7の弟分、いや、従来とはちょっと違うシリーズなので甥っ子か年下のいとこくらいの感じかも。上面がフラットでバリアングル液晶を持つ「α7C」の登場である。フルサイズミラーレスとしては非常に小さくて軽いのが良い。
このカメラはまた別途、猫写真をいっぱい撮ってまとめてここで紹介したいと思ってる。
さて、11月には富士フイルムから主力モデル「X-T4」の弟分というか甥っ子というか、新しいシリーズの小型軽量モデル「X-S10」が誕生。小型軽量ながらボディー内手ぶれ補正搭載という魅力的なカメラである。
さらに、キヤノンから「EOS Kiss M2」が登場。エントリー&ファミリー向けデジタル一眼の定番モデルがマイナーチェンジ。まあ、この写真を撮ったのは12月だけど、11月発売組ということで。
と、弟分シリーズが一段落したところで、ニコンが主力モデルを投入である。まずは11月に主力モデルZ 6の後継機「Z 6II」が登場。主力機だけあってレスポンスも上々で操作も快適。冒頭写真がそのZ 6IIで撮った猫。お寺の不動堂の廻縁に前足をかけてちょっとたそがれてた猫。その「はー、疲れたー」って感じがたまらなかったのでその雰囲気が出るようちょっと上から撮影したのだ。1年お疲れ様でした感が出てる。
Z 6IIからはもう1枚、85mm F1.8という単焦点レンズをつけた夜散歩で出会った猫。機動力があるマイクロフォーサーズやAPS-Cサイズのコンパクトなカメラもいいけど、こういう写真を撮れると思うと多少かさばっても(ミラーレス機なのでボディはそこまで大きくないが、画質を求めるとレンズがグッと大きく重くなるのだ)持っていきたいなと思うのである。
モニターを開いて地面すれすれからじっとタイミングを待って撮った写真だ。やっぱチルト式モニターは猫を撮るのに良い!
12月にはハイエンドモデルの「Z 7II」が登場。Z 6IIより画素数がグッと多い高画質モデルだ。毛の1本1本までピシッと描写してくれるのがたまらんのである。
2020年はコロナ禍でcp+などの実際にカメラに触れるイベントが中止になったし、撮影に出かけるのも憚られる時期がけっこうあったのだけど、ご近所をぶらぶら散歩して新しい発見をしたり思わぬところで猫に出会ったりというのもまた楽しからずや、というわけで、2021年もよろしくお願いします。
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筆者紹介─荻窪圭
老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/
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