近年は次世代移動通信システムとして5Gという言葉をよく耳にする。スマホなどで使われる最新の無線通信システムだが、無線LANルーターのWi-Fiも今まで主流だったIEEE802.11ac(Wi-Fi 5)から、IEEE802.11ax(Wi-Fi 6)への移行が加速している。
Wi-Fi 6の理論値は最大で約9.6Gbps、Wi-Fi 5の約6.9Gbpsの約1.4倍高速。周波数も5Ghz帯と2.4GHz帯(従来のWi-Fi 5ルーターの2.4GHz帯はWi-Fi 4を使用)どちらにも対応する。さらに、帯域をResource unit (RU) という単位でグループ化し、複数台の同時通信を行なう「直交周波数分割多元接続(OFDMA)」という技術を採用。帯域を効率良く使うことで、接続する端末が増えても大幅に通信速度が低下しない効果が期待できる。
Wi-Fi 6は、iPhoneならiPhone 11から対応。ノートPCへの採用も増え、最近だと人気で入手困難な家庭用ゲーム機「PlayStation 5」(PS5)でも対応している。データ転送の安定度などは、まだ有線LANの方が高いが、PS5はWi-Fi 6に対応するためPS4(初期型はWi-Fi 4、新型はWi-Fi 5)やNintendo Switch(Wi-Fi 5)よりは、無線LAN接続でも快適にゲームが楽しめる。
現在でも販売されている無線LANルーターの種類は豊富だ。大手家電量販店などで聞くと、無線LANルーターは価格で選ばれる人も多いという。Amazonなどでは、未だWi-Fi 4までしか対応していない数千円のモデルも販売されているが、今後のことを考えればどうせ買い替えるならWi-Fi 6対応ルーターを購入することをオススメしたい。アンテナの数やバンド数、親機子機のセットなどにより価格も変わるが、Wi-Fi 6で言えば1万円前後から5万円前後までがボリュームゾーンだ。
複数のゲーム向け機能を搭載したゲーミングルーターや、同時接続に強いトライバンド、次世代の高速有線LANの10Gbps/2.5Gbpsなどに対応するハイスペックモデル、さらに家の隅々までWi-Fiを届かせるメッシュルーターなど種類もさまざま。
そんななか、どれを買ってイイか分からない、という人にまずオススメしたいのがASUSの「RT-AX56U」。コストを抑えつつWi-Fi環境を新たに導入したい人や旧世代から買い換えたい人におすすめしたい1台だ。
RT-AX56U
実売価格:1万円前後
製品情報:https://www.asus.com/jp/Networking/RT-AX56U/
主なスペック | |
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無線LAN規格 | 802.11ax/ac/n/g/b/a |
周波数 | 5GHz/2.4GHz |
無線LAN速度(5GHz帯) | 最大1201Mbps |
無線LAN速度(2.4GHz帯) | 最大574Mbps |
CPU | 1.5GHz、クアッドコア |
搭載メモリ | 512MBメインメモリ+256MBフラッシュメモリ |
アンテナ数 | 外付けアンテナ×2 |
ストリーム数 | 2ストリーム(2.4GHz/5GHz 2×2) |
セキュリティ機能 | WPA/WPA2/WPA3-Personal、WPA/WPA2-Enterprise |
インターフェース | USB3.0×1、USB2.0×1、LAN×4(1000BASE-T)、WAN×1 |
サイズ | 235(W)×129.3(D)×47.5(H)mm(アンテナ含まず) |
重量 | 456g |
対応OS | Windows 7/8/10、Mac OS X 10.6、iOS9.0以降、Android |
対応する最大通信速度は、2×2ストリーム(送信×受信アンテナ数)の1201Mbpsになるが、トレンドマイクロのセキュリティ技術「AiProtection」や、同社のメッシュWi-Fiシステム機能など、必要十分な機能を備えている。
キモの最大通信速度はノートPCを含め、Wi-Fi 6対応のPCがサポートしている2402Mbpsに届かないが、PS5や一般的な最新スマホのリンク速度は1201Mbpsになっている。そのため、最新スマホや次世代ゲーム機をメインに使うなら、スペックは十分と言える。
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