チップセットは意外と高性能、通信も充実
続いて性能について確認すると、チップセットはクアルコムの「Snapdragon 720G」を搭載しており、一般的なミドルクラスの端末よりはやや上の性能を持っている。メモリーは4GBと標準的だが、ストレージは64GBでmicroSDによる容量追加もできない点はやや心もとない。
では実際の性能はどうだろうか。いくつかのゲームで確認してみた限りでは、「Snapdragon 765G」を搭載した5Gのミドルハイクラスのスマートフォンと同等の品質までの設定が可能だった。
そこで試しにSnapdragon 765Gを搭載した「Pixel 5」とベンチマークアプリで比較してみたところ、やはり性能面で大きな違いは出なかった。そう考えると4Gのみの対応とはいえ、Rakuten Handのコストパフォーマンスはかなり高いといえるだろう。
バッテリーを確認すると、Rakuten Handの容量は2750mAhで、コンパクトなサイズ感を実現するためとはいえ最近のスマートフォンとしてはやや小さい。とはいえ、Rakuten Handのコンセプトを考えるとゲームなどをバリバリプレイするデバイスではないことから、派手な使い方をしなければそれほど大きく困ることはないだろう。
さらに通信に関する部分を確認してみると、先にも触れた通りカバーしているのは4Gと3Gのみで、当然のことながら楽天モバイルの4G帯域(バンド3)と、バンド18などローミング先であるKDDIの帯域はしっかりカバーしている。それに加えてバンド1やバンド19など国内他社の主要帯域もカバーしているほか、Rakuten Miniでトラブルを起こす要因となった、アメリカでのローミング用となるバンド4やバンド5にもあらかじめ対応しているようだ。
加えてRakuten Handは、4本のアンテナを用いて通信を高速化する「4×4 MIMO」に対応し、2×2 MIMOのRakuten Miniよりもダウンロード速度が1.5倍になるとうたっている。手元にRakuten Miniがあったことから、試しに「Sppetest by Ookla」を使って通信速度を測定し、比較してみた。
その結果、Rakuten Miniは測定タイミングによってややムラが出る結果となったのに対し、Rakuten Handは安定して下り50Mbps以上の通信速度が出ていた。無論、環境による部分も大きく、1.5倍とまではいかなかったものの、一定の効果が出ていることは確かなようだ。
【まとめ】価格の割に性能は高いだけにカメラが惜しい
総じて見ると、Rakuten Handはコンパクトなサイズ感ながら性能は比較的高く、FeliCaも搭載していることから日常使いの端末としては非常に適したモデルといえるだろう。コンパクトだがRakuten Miniほど小さくないのでLINEやSNSなどの利用は便利だし、画面は狭いがそこそこの性能を持つのでゲームも快適にプレイできるなど、2万円のモデルとしてはかなり頑張っている。
ただ一方で、メインの端末として1台持ちで使うにはやや心もとない印象があるのも事実。楽天モバイルのエリアが整備途上というのも大きいのだが、やはりカメラ機能の乏しさが、メイン端末として活用する上で厳しい部分があると感じてしまう。やはりRakuten Mini同様、サブ端末としての利用がベストといえそうだ。
| 楽天モバイル「Rakuten Hand」の主なスペック | |
|---|---|
| ディスプレー | 5.1型有機EL(19:9) |
| 画面解像度 | 720×1520 |
| サイズ | 約63×138×9.5mm |
| 重量 | 約129g |
| CPU | Snapdragon 720G 2.3GHz+1.8GHz(オクタコア) |
| 内蔵メモリー | 4GB |
| 内蔵ストレージ | 64GB |
| 外部ストレージ | 非対応 |
| OS | Android 10 |
| 対応バンド | LTE:1/2/3/4/5/7/18 /19/26/28/38/41/42 W-CDMA:1/2/4/5/6/19 |
| VoLTE | ○(楽天) |
| 無線LAN | IEEE802.11ac |
| カメラ | アウト:4800万画素 +200万画素(深度測位) /イン:1600万画素 |
| バッテリー容量 | 2750mAh |
| NFC/FeliCa | ○/○ |
| 防水/防塵 | ×(防滴)/○ (IPX2/IP5X) |
| 生体認証 | ○(画面内指紋、顔) |
| SIM形状 | eSIM |
| USB端子 | Type-C |
| イヤホン端子 | ○ |
| SIM形状 | ブラック、ホワイト、クリムゾンレッド |
| 価格(税込) | 2万円 |
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります







