週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Xアイコン
  • RSSフィード

基幹データ活用を促進

日立、AWS上に無停止DB環境を整備する「HiRDB Cloud Service」

2020年12月07日 19時30分更新

:「HiRDB Cloud Service」の利用イメージ

 日立製作所は12月7日、パブリッククラウド上にノンストップデータベース「HiRDB」の環境を迅速に整備し、基幹データ活用を加速するマネージド・データベース・サービスとして「HiRDB Cloud Service」販売開始した。

 第1弾として、Amazon Web Services上において、HiRDBが保有する基幹業務のデータを活用した新サービスの開発や安定稼働を支援するサービスを提供。これにより、パブリッククラウド上で既存のアプリケーション資産を活用した新サービスを迅速に提供が可能となり、企業や公共機関のデジタル化に役立つという。

 HiRDBは、自社開発の高信頼な基幹系リレーショナルデータベースとして、25年以上にわたり社会インフラを含む多くの基幹業務を支えてきた。また近年、基幹業務のクラウド移行のニーズに対しても多くの実績を重ねてきたという。今回、これらの活動を通して蓄積してきたノウハウを取り込み、本サービスを提供する。本サービスの特徴は以下の通り。

1.既存のHiRDBデータを活用した新サービスの開発基盤をパブリッククラウド上で迅速に整備可能

 HiRDBの利用経験が浅いIT部門担当者でも、ユーザーの専用ポータルから、構成・容量など最小限の項目を選択するだけで、およそ10分でAWS上にHiRDB環境を構築し利用開始できるという。また、同じポータルから、HiRDB環境のバックアップや容量の拡張などの運用設定も可能(2021年度に提供予定)。日立のインフラ設計や運用設計のノウハウが取り込まれているため、複雑な設計をせずに新サービスの開発基盤や本番用基盤に適した高信頼なHiRDB環境を構築できる。

 さらに、専用ポータルからアプリケーション開発などに必要なHiRDBクライアントプログラムを入手できるため、ユーザーの環境で稼働する各種アプリケーションに適したHiRDB接続用のドライバーやライブラリーを容易に準備できる。加えて、会話型SQL実行プログラム(HiRDB SQL Executer)も入手できるため、HiRDB内のデータベースの編集や、既存のHiRDBデータをオンプレミス環境からAWS上に転送する作業などに、すぐに着手できる。

2.既存のCOBOL資産などを引き継ぎながら、新たな業務サービスを効率的に開発可能

 HiRDBは幅広い開発言語に対応しており、AWS上で既存のCOBOL資産などを引き継ぎながら、新たな業務サービスをJavaなどの一般的な開発言語で効率的に開発が可能。また、上位互換性を保証しているため、データベースのバージョンアップ時に既存アプリケーションの修正工数を抑えられる。これらにより、新サービス開発に集中するとともに、継続的に業務開発の効率化が可能としている。

3.日立の高信頼化技術とサポートにより、パブリッククラウド上での業務サービスの安定稼働を実現

(1)基幹業務を支えてきた冗長化構成をパブリッククラウド上で利用可能

 社会インフラ分野で実績のあるHiRDBと高信頼化システム監視機能「HA モニタ」を組み合わせた冗長化構成をAWSのアベイラビリティゾーンをまたいで配置し、データを同期した系切替えを利用できるため、サービスの停止リスクを低減。これにより、データベースが停止した場合だけでなく、スローダウンした場合にも、自動的に待機系に切り替えることで、業務サービスを継続できる。

(2)基幹業務システムをワンストップで支えてきたサポート体制をパブリッククラウドでも利用可能

 社会インフラ分野を含む基幹業務システムの安定稼働をワンストップで支えてきた日立のサポート体制を、パブリッククラウド上で稼働する本サービスでも利用できる。障害発生時の要因の一次切り分けや障害対応、専用ポータルの操作方法などを日立のサポートチームが支援する。これにより、HiRDB環境とAWSにまたがる複合的な問題が発生した場合も、日立の総合的な技術支援により、迅速な復旧が可能としている。

 日立は今後、本サービスのMicrosoft Azure対応やHiRDB環境の構築・運用の自動化機能などを強化するとともに、基幹業務のクラウド移行を支援するサービス・ソリューションを拡充していくという。

価格および提供開始時期

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります