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ファースト音質インプレッション

ハイブリッド型になったNoble Audio「FALCON PRO」、人気機種の音はこう進化した

2020年12月05日 09時00分更新

 Noble Audioは、ハイエンドのカスタイヤホンメーカーとして知られているが、完全ワイヤレスイヤホンの「FALCON」で成功を収め、一般層への知名度も向上した。

 その後継機として、10月には「FALCON2」も発売となった。FALCONシリーズは、音質がいい完全ワイヤレスとして知られているが、Noble Audioというブランドに対して、さらに高い期待感があったのも事実だ。その点でFALCON2はドライバー自体が初代と同じという不満点もあったと思う。

FALCON PRO

 そのNoble Audioから、今度は「完全ワイヤレス史上最高音質」をテーマとした製品が登場した。「FALCON PRO」である。FALCON PROは、FALCON2をベースにしつつ、さらなる高音質を追求した上位モデルである。

マルチドライバー化でより豊かな高域再現と音場の拡大を

 その特徴としては、まずマルチドライバーの採用が挙げられる。

 FALCON PROは高域用にバランスド・アーマチュア型ドライバー(以下、BAドライバー)を2基、中低域用にダイナミックドライバーを1基採用したハイブリッド型のマルチドライバー構成を採用している。高域用にはKnowlesの最新世代BAドライバー「SRDD」を採用。これをノズル先端に配置して、音導管でのロスを低減させている。結果として、より豊かな高域再現と広い音場などを可能にしたという。

 ダイナミックドライバーも変更している。優れた音響特性を持つという、6mm径のチタンコーティング振動板「Tri-layered Titanium-coated Driver」(T.L.T. Driver)を新たに採用している。振動板のベースは特性の異なる複合素材で、これにチタンコーティングを施したものだ。

 FALCON2が採用した「Dual Layered Carbon Driver」(D.L.C. Driver)はポリウレタンとカーボン(グラフェン)の2層構造、FALCON PROで採用したT.L.T. ドライバーはポリウレタンとPEEKの複合素材にチタンコーティングした3層構造ということだ。単にコーティングが変わっただけと片付けられない、大幅な刷新と言えるだろう。これによってスケール感豊かな低域表現を実現したとしている。

 またこの設計に合わせて、"Wizard"の異名を持つ、Noble Audioの創設者ジョン・モールトン博士がチューニングを再調整している。資料において、FALCON PROはアナログ方式のクロスオーバーネットワークを内蔵しているという説明があるが、おそらく帯域の切り分けは音導管の太さや長さで調整してると考えられる。

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