ASUS JAPANは12月1日、ウェブホスティングサービス、コンテンツデリバリーネットワーク(CDN)、エンタープライズ向け仮想デスクトップ インフラストラクチャー(VDI)アプリケーション、高性能計算(HPC)、データ分析などを対象としたサーバー「RS620SA-E10-RS12」を発表した。
RS620SA-E10-RS12は、2Uフォームファクターに6つのノードを備えた高密度サーバー。各ノードにはAMD EPYC 7002を1つ搭載できる。ノードあたり最大280WのTDP、最大64コア、および1つのPCI Express(PCIe)4.0スロットと1つのOCP 3.0スロットを含むPCIe 4.0 x16帯域幅をサポートする。PCIe 4.0 x16スロットはNVIDIA T4のようなロープロファイルGPUに対応し、さまざまなAI推論ワークロードを高速化する。最大12基のホットスワップ可能なストレージベイは優れた柔軟性を発揮し、最大6つのSATA/SASハードドライブと6つのNVMe SSD、あるいは12基すべてにNVMe SSDストレージを配置できる。高いコア数と転送速度の両面で優れた機能を備えたRS620SA-E10-RS12は、システム全体の柔軟性に優れるとする。
ハイパフォーマンスコンピューティング、人工知能、およびデータ処理アプリケーションの高速転送に関する要件を満たすために、ストレージおよびネットワーキングインターフェイスコントローラ(NIC)でPCIe 4.0をフルサポートする。SDS(ソフトウェア定義ストレージ)やSDN(ソフトウェア定義ネットワーク)の成熟に伴い、企業は業務運用にHCI(ハイパーコンバージド インフラストラクチャー)を積極的に採用している。これにより、企業はストレージ、ネットワークスイッチ、コンピューティングに別々のデバイスを購入する必要がなくなり、リソースのプール化により、ITインフラストラクチャーをより効率的に利用できるという。
TCO(総保有コスト)においてもAMD EPYC 7002プロセッサーのハイコアカウント(HCC)に貢献。クラウドとHCIの両方で仮想化アプリケーションを利用する場合は、CPUコア数が多い方が有利だが、本製品はハイコアカウントと高密度設計を備え、さまざまなシナリオやITインフラストラクチャーでの使用に適するという。また、最速のPCIe 4.0デバイスにも対応しているため、デジタルトランスフォーメーションの課題にもすぐに取り組めるとする。
本製品は、標準性能評価法人(SPEC)によるSPEC Powerのエネルギー効率のベンチマークで最高ランクを獲得。AMD EPYC 7742プロセッサーをベースに行なわれたテストでは、Windows ServerとLinuxの両方を使用し、ベンチマークの結果が実際のパフォーマンスと動作条件に関連しているか確認されたという(結果は2020年10月12日現在のもの)。
サーバー業界では、環境に対する意識や電力効率が重要なトピックとなっており、同社は2019年、リアルタイムでサーバーの温度を監視し、動的にファン曲線を調整することでファンの消費電力を低減するサーバーの熱管理技術「Thermal Radar 2.0」を発表。RS620SA-E10-RS12は、CPUの負荷をリアルタイムに監視することで、ASUSサーバがCPUコアと周波数の全体的な負荷を自動的に調整できるようにするASUS独自の技術「Power Balancer」も備えている。これにより、全体的な消費電力を削減することで、効率を向上させ、コストパフォーマンスを最適化するとうたう。
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