日本オーディオ協会は11月30日、2018年からライセンスを開始した「ハイレゾオーディオワイヤレス」ロゴに、新たなカテゴリーとして左右独立型ワイヤレス製品を追加したと発表した。
左右独立型ワイヤレスイヤホンが若者を中心に人気を集めていることを受けて、同協会のハイレゾワーキンググループにて、左右のユニットが独立に動作するイヤホンなどの製品においてもハイレゾらしさが損なわれない技術要件を検討。その結果を「ハイレゾオーディオワイヤレス」ロゴに対応する左右独立型ワイヤレスの定義と定めた。
2018年の時点においては、左右独立型ワイヤレス製品は、外部電波などの妨害を受ける可能性が高いことや、左右の音楽信号にわずかな位相差が生じるといった懸念があり、対象製品から外されることになった。
使用環境における外部電波からの妨害について、ワーキンググループ内で評価方法を議論し、妨害の起きる環境を一律に定義することが出来ない、という結論に至ったという。また、この2年の間には各社のアンテナ技術や機器間の伝送方法が成熟してきており、多くの製品が発売されている背景も鑑みて、この点については各社の仕様や実力に任せることとした。
また、位相差については、実動作同等の実験機を用いて動的に位相差をずらした音源を作成し試聴したところ、大きく位相を揺らした場合と小さく揺らした場合では音質に影響を与える差があったという。ワーキンググループ内でハイレゾオーディオワイヤレス製品としての品位を保てる許容値について合意できた数値(±50μs)を、左右間位相差の定義とした。
左右独立型ワイヤレスイヤホンは、各社からノイズキャンセリング機能が搭載されたモデルも発売され、高い需要と人気があることから、ハイレゾ対応モデルの登場が待ち望まれているという。日本オーディオ協会は、同ライセンスの開始により、市場が活性化すること期待するとしている。
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