今年も「黒字の金曜日」がやって来る!
気がつけば今年もあと1ヵ月あまり。小売業界にとっては1年で最大の書き入れ時となる年末商戦の季節だ。ボーナスの支給をきっかけにクリスマス、年末年始と消費額が上昇する。いきおいクリスマスセールもどんどん前倒しになり、昨今では10月末のハロウィン直後からクリスマスイルミネーションが街を飾るようになった。
そして最近ではハロウィンとクリスマスをつなぐものとして、アメリカ発の商習慣である「ブラックフライデー」と「サイバーマンデー」が注目されている。この2つは、アメリカの感謝祭前後に実施される安売り期間だ。ブラックフライデーは感謝祭の翌日、つまり11月第4金曜日で、2020年は11月27日だ。
ブラックというとあまり良いイメージが湧かないが、ブラックは黒字を意味しており、小売業としては「必ず黒字を見込める金曜日」というわけだ。元々は感謝祭で売れ残った商品などを大幅値引きしたお店にお客が殺到したことから始まったとされる。
一方、サイバーマンデーは感謝祭の次の月曜日に実施されるセールを指す。2020年なら11月30日にあたる。ブラックフライデーが一段落した後、オンラインショッピングが好調になる傾向があることに気づいたネット通販サイトが始めたセールと言われている。この2つのセールからクリスマスまでの約1ヵ月の売上は、年間売上の20~30%を占めるとも言われ、店舗によっては半年分をこの時期に売り上げるという。
日本でもAmazonや楽天市場といったオンライン通販サイトはもちろん、イオンやららぽーとといった実店舗中心の小売業、そしてGoogle Store、Adobe公式ストアなどデジタルコンテンツを扱うショップでも実施するようになった。今後は10月のハロウィンを皮切りに、ブラックフライデー・サイバーマンデーを経て、クリスマス、年末、初売りまでをひとくくりに「年末商戦」として展開されることになるだろう
コロナ禍にオンライン通販は大盛況!
本場アメリカでは、ブラックフライデーで50%引き、75%引きといった大幅値引きセールが実施され、例年、感謝祭の夜から徹夜で行列ができるほど盛況となる。しかし2020年は新型コロナウイルスの影響により、実店舗でのセールよりもオンライン通販を中心とした消費活動がメインとなると予想されている。
この傾向は日本も同様だ。2020年春に実施された緊急事態宣言下における自粛期間にオンラインショッピングの利用が急増したのは言うまでもない。そしてまた寒さとともに感染者が増えている現状では、店舗での密を避ける意味でもますますオンライン通販が利用されるだろう。
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