「機動戦士ガンダム 戦場の絆」(以下、戦場の絆)は、2006年11月7日に稼働して以来バージョンアップを繰り返し、今なお愛され続けている「コックピット型チーム戦術バトル」のアーケードゲーム。筐体内では、ドーム型スクリーンにプロジェクター(REV.3ではフルHDプロジェクターに変更)で映像を投影してコックピットを再現。2つのの操縦桿と左右のペダルを操作し、まるで本物のMS(モビルスーツ)を操縦している感じが得られるとして人気を博した。
そんななか、今年の2月に行なわれた「ジャパン アミューズメント エキスポ 2020(JAEPO2020)」にて、正統続編である「機動戦士ガンダム 戦場の絆Ⅱ」(以下、戦場の絆Ⅱ)の制作を発表。また、ロケーションテストも10月29日~11月1日に開催を予定している。その前に、本作をプレイする機会を頂けたのでご紹介したい。
43インチのフルHDディスプレーを並べた
迫力ある3画面映像出力に変更!
本作は前作のドーム型から高精細な43インチのフルHDディスプレーを3枚用いたオープン型の操縦席へと生まれ変わった。何故変更したかを聞いてみたところ、ドーム型では外から何をしているかが分かり辛く、プレイしていない友人が中に入って見ているといったこともあったため、外からプレイが見られる形に変えたという。
今回はそうした事情もあり、ドーム型から08小隊の公式設定画にあるような1年戦争時のコックピットをイメージして、3画面ディスプレーでコックピットを再現。レバーとペダル操作はそのままに、前作の操作感は残しつつ、高精細な映像かつ、角度の付いた大型ディスプレーによる迫力と没入感を実現している。
また、標準でボイスチャット機能を搭載。しかしながら、衛生面などの問題からヘッドセットは付属していない。プレイヤーが自分で用意したヘッドホンやイヤホンを使用する形になる。ちなみに、ボイスチャットのオン/オフは任意で切り替えでき、ヘッドホンやイヤホンを挿していない場合は利用できない。
もちろん、イヤホンやヘッドホンを使わなくてもゲーム内の音はスピーカーで聞こえる。スピーカーは、左右のディスプレーの下部に1基ずつ、シートの頭の左右に1基ずつ、シートの下にウーファーがあり、合計5つのスピーカーにより迫力のサウンドが楽しめる。
ステーションでは電子マネー決済に対応
さらに、筐体(ステーション)にはコインセレクターがなく、Edyなどが利用できる電子マネー決済に対応。ターミナルも新しくなっており、リプレイやランキングの閲覧など、今までできることは同じようにできる他、ステーションへのエントリーと、時間貸出機能を実装。
ターミナルでは硬貨での決済が可能なため、硬貨しか持っていない人は、ターミナルにてステーションのエントリーを行ない、硬貨で支払うことでステーションがロックされ、ステーションにて「バナパスポート」をかざすことでゲームプレイが可能になる。
時間貸出機能では、大学の時間割のようなものが表示され、どの時間が空いているのか確認して、支払いも含めてステーションの予約が可能になる。
本作は「戦場の絆」らしさはそのままに、チーム戦をもっと面白くならないか、ということを目指して新仕様を追加しているとのこと。キービジュアルも連邦軍とジオン軍で2種類用意されている。敵軍のMSを倒して4人のチームメンバーでポーズを決めているイメージになっているそうだ。
初心者でも安心して楽しめる
ミッション形式のチュートリアルも実装
本作では、従来の全国対戦の他、友達と同じ部屋に入って対戦が楽しめるプライベートマッチも従来と変わらず備わっている。加えて、新しい機能として「チュートリアル」が設けられている。たとえば、“三連撃を決めてみましょう”“敵の攻撃をかわしてみましょう”など、技術を習得しながらゲーム内アイテムを手に入れるといった、他のゲームのミッションモードのような内容になるという。初めてプレイする人や、初級者の取っ掛かりになるモードになりそうだ。
本作の基本内容は、大幅に前作と変わることはない。デッキ選択という要素はあるが、作戦を協議し、戦い、リザルトに進む。実際にプレイしてみたところ、操作方法は現行の戦場の絆となんら変わらないように感じた。
筆者は過去に数回しかプレイしていないため、細かい仕様については発言を控えるが、左右のレバー操作、左ペダルでジャンプ、右ペダルでダッシュという操作感は、そのままといった感じ。MSのスピード感もほぼ同じだが、高精細で臨場感の高い映像美と、迫力あるサウンドの組み合わせにより、リアルな体感が増した印象を受けた。
カテゴリーによっては特殊アクションが変更
砲撃型の仰角調整など、特殊アクションも今までどおり用意されている。格闘型ならブーストやジャンプで格闘モーションがキャンセルできる「ブーストキャンセル」、近距離型では任意にシールドを構えて一定量敵の攻撃を防ぐことができる。
デッキを編成して3機のMSを切り替えて戦える
また、「戦場の絆」ではプレイヤーが使えるMSは1機だけだったが、「戦場の絆Ⅱ」では、3機のMSを編成し、自分だけのデッキを構築できるようになった。同じMSを3機入れることもできる他、カテゴリーの縛りもなく、自由にデッキ構築が行なえる。そのため、戦闘の展開によっては、カテゴリーの異なるMSに変えて戦局を変えられる。さらに、今までは1機のみしか使えなかったため、使われるMSに偏りがあったところ、3機あれば1機くらいはプレイヤーの好きなMSを使ってもらいたいという狙いもあるようだ。
MSの乗り換えは、敵に撃破された場合や、基地拠点の近くにある帰還エリアにて、ICカードのカードリーダーの横にあるボタンを押すことで帰還が可能。しかし、帰還中は一定時間無防備になり、MSの操作ができない他、帰還完了前に攻撃を1発でも受けたら解除されるそうだ。
ちなみに再出撃は、今までの「戦場の絆」と異なり、撃破されても任意で帰艦しても一度拠点に戻り、輸送機に乗って再出撃することになる。上空から地上に降りていくシーンがあり、空中にいる間から行動が行なえる形になる。これにより、自分で任意にリスタートポイントが指定できる他、高いところに最初から移動する、といった戦術の幅が広がるとのこと。
加えて、カスタマイズも進化。従来の「戦場の絆」はMSごとに装備できる武装が限られていたが、「戦場の絆Ⅱ」では武装ごとに装備できるMSが決められており、その選択できる武装の中から装備するというシステムに変わるという。
今まではプレイするとMSのみが増えたが、「戦場の絆Ⅱ」では武装もどんどん増えていき、同じ武装を複数持っていたら「ハイパー・バズーカ」が「ハイパー・バズーカ」(Lv2)とより強力になるような、できることを増やしていきたいため、このようなシステム変更が行なわれたようだ。
さらに、装備する武装によってMSのカテゴリーも変わる可能性もあるようなシステムも考えているとのこと。たとえば、ザク・バズーカを持たせるとシャア専用ザクⅡが射撃型になり、他の武装なら近距離型など、同じMSでも武装によってカテゴリーが変わるという。そのシステムがあれば、武装によってカテゴリーを変え、好きなMSで3機編成といったデッキ構築の楽しさも増しそうだ。
カラーも単色だけでなく、迷彩柄やダメージ柄などいろんな種類を用意し、自分のアピールポイントに使って欲しいとのこと。
また、「戦場の絆Ⅱ」ではモバイルサイトにて、従来と同じく戦績の閲覧できる他、デッキ編成やカスタマイズができるようにしたいとのこと。そのため、今まで以上にゲームをプレイした後にモバイルサイトを見ることが増えると想定できるため、コミュニティー機能も実装予定。日時を指定して、一緒にプレイする人を募集する掲示板のようなものをイメージしているようだ。
ちなみに、まだ変わる可能性はあるとのことだが、稼働初期は各軍11機で計22機のMSで稼働予定とのこと。舞台は一年戦争周辺に戻す予定で、0080の機体が最も新しい機体になるようだ。とはいえ、武器によってカテゴリーが変わるため、機体カテゴリーの幅が狭いという感じにはならないのではとのこと。
さらに、稼働後は1月ごとに各軍1機ずつ新機体を実装予定で、1年ぐらいでかなりのボリュームになるはずという。
「戦場の絆」は、アーケードでしか楽しめない、本物のMSに搭乗しているような感覚でプレイできる唯一無二のゲームだが、「戦場の絆Ⅱ」はそのプレイ感はそのままに進化し、武器の選択やカラー変更にて、より自分らしさをアピールして楽しめる、まさに正統進化と呼べる作品へと昇華していると感じた。今後の新たな情報にも期待したい。
※ご案内した画像やシステムは開発中のものです。
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