第21回
9年の時を経て復活!ハチャメチャオープンワールドアクション「セインツロウ ザ・サード:リマスタード」先行プレイレポート
EXNOAは10月29日、人気クライムアクションゲームのリマスター版である「セインツロウ ザ・サード:リマスタード」日本語版を発売した。プラットフォームはPlayStation 4で、DMM通販での価格は5280円。オリジナル版の「セインツロウ ザ・サード」は2011年11月17日にリリースされたタイトルだが、それまでのオープンワールドゲームとは⼀線を画す悪ノリぶり、プレイヤーの度肝を抜くようなシチュエーションの数々など、いい意味でやりたい放題なゲーム性が人気を集めた作品だ。
今回、発売前に「セインツロウ ザ・サード:リマスタード」をプレイする機会を得られたため、この記事では序盤のプレイインプレッションをお届けしよう。
“今どきのグラフィックス”で⾊あせないメチャクチャぶりを体験可能
リマスター版は、もともとの作品の痛快なゲーム性はそのままに、オリジナル版から大幅にグラフィックス面を向上させているのが⼤きな特⻑となる。テクスチャーの精細度が向上しているのはもちろんのこと、登場するキャラクターや武器、⾞両といった装備類はモデリング⾃体を再構築。加えてゲーム内の照明エンジンにも⼿を入れたことで、より現代的なグラフィックスでゲームが体験できるよう進化している。
すでに述べた通り、オリジナル版「セインツロウ ザ・サード」がリリースされたのは2011年の11月。2011年といえば、PlayStation 3やXbox 360といったゲームハードの成熟期であり、その次の世代のハードであるPlayStation 4やXbox Oneの発売までは約2年ほどの隔たりがある、そんな時期だ。
当時こそグラフィックスにはまったく問題を感じなかったが、今あらためてPS3版やXbox 360版のオリジナル画面を⾒てみると、やはりポリゴンやテクスチャーに古さは感じられる。同作に限った話ではないが、このあたりの年代のゲームを引っ張り出してプレイしてみると、「あれ? こんなに画質悪かったっけ?」なんて感じるプレイヤーは、実際のところけっこう多いのではないだろうか。
対してリマスター版は、特に照明エンジンの刷新によるものだと思うが、グラフィックス面が現⾏世代のタイトルにかなり上⼿く寄せられている印象を受けた。建物などのポリゴンに若干のリマスターっぽさは感じられるものの、それも意識して⾒なければ気にならない程度。私見ではあるが、「2020年発売のタイトルです」と言われれば、すんなり受け入れられてしまうぐらいのクオリティーは備えているように思う。
そして、実際にプレイしてみるとすぐに感じることだが、本作の持つ破天荒さ、多数のパロディーから来る独特の面白さは、発売から約9年を経た現在でもまったく古びていない。車やヘリのほか、どう考えてもオーバーテクノロジーで動く豊富なビークル類で街中を走り回り、時に意味もなく銃撃戦を繰り広げ、恐ろしいほどの気軽さでリーパードローン(無人攻撃機による空爆)を使ったりできるメチャクチャぶりは、まったく目的を持たずにぶらぶらとプレイしているだけでも楽しい気分にさせてくれる。
特に、プレイ開始直後の銀行強盗でいきなり特殊部隊やヘリ相手の銃撃戦をさせられ、その後捕まったかと思いきや輸送機上で暴れまわり、あげく空中落下からの銃撃戦に発展する導入部は、このゲームの突拍子もなさを実によく表しており、何度プレイしても心を掴まれる。余計なことを気にせず、“今どきのタイトル”として本作を楽しめることは、初めて「セインツロウ ザ・サード」に触れるプレイヤーにとっても、すでに同作をプレイしたことのあるユーザーにとっても、大きなメリットと言えるはずだ。
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