週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Xアイコン
  • RSSフィード

グーグルの5G対応新フラッグシップ「Pixel 5」、Pixel 4から何が変わったのか

2020年10月22日 12時00分更新

 グーグルの新しいフラッグシップモデル「Pixel 5」は、グーグルのAI技術を活用したカメラなど従来のPixelシリーズの特徴はそのままに、新たに5Gに対応させたのが大きな特徴。一方で、採用するチップセットをミドルクラスに抑えてリーズナブルな価格設定(7万4800円)にするなど、従来のPixelシリーズのフラッグシップモデルとは異なる傾向も見られる。

 では実際のところ、Pixel 5はどの程度魅力的なモデルに仕上がっているのだろうか。前機種の「Pixel 4」と比較しながら検証してみよう。

アルミボディーとパンチホールで軽量・大画面化

 まずは外観を確認していこう。Pixel 5は6.0型と、5.7型だったPixel 4と比べて大画面化がなされているのだが、Pixel 4a同様フロントカメラ部分をパンチホール構造に変え、ベゼルを減らしたこともあってサイズは70.4×144.7×8.0mmと、Pixel 4(68.8×147.1×8.2mm)と遜色ないサイズ感を実現。横幅も比較的狭いのでコンパクトで持ちやすい印象だ。

「Pixel 5」の正面。6.0型ディスプレーを採用しながら横幅は70.4mmと比較的狭く、片手でも持ちやすい

「Pixel 4」(左)とPixel 5を並べてみたところ。パンチホール構造の採用で上下のベゼルが薄くなっているのが分かる

 またPixel 5は、本体素材もPixel 4のガラスとは異なりアルミを採用しており、それもあってか重量は162gから151gと、10g以上の軽量化がなされている。当然素材感はかなり違っており、共に指紋の付きにくい、ざらつきのある加工が施されているものの、高級感という意味ではPixel 4の方が上に感じる。

Pixel 5の背面。アルミ素材を採用しているが表面はざらつきがあり指紋などは付きにくい。指紋センサーも背面に用意されている

こちらもPixel 4と比較。デザインは似ているが素材感はかなり違っている

 ただPixel 5は、金属素材を採用しながらもワイヤレス充電、そして他の機器をワイヤレス充電できるリバースワイヤレスチャージに対応している。これはワイヤレス充電をする部分だけ別の素材を採用することで実現しているようで、色々な工夫の跡を見て取ることができる。

 生体認証は、こちらもPixel 4a同様、背面に搭載された指紋センサーを使う形が取られている。顔認証のみだったPixel 4と比べればコロナ禍の現状にあってはメリットのある仕様ではあるが、一方でデザインのモダンさに欠けるなどいくつかのデメリットがあるのも事実。有機ELディスプレーを搭載しているだけに、やはりディスプレー内蔵型の指紋センサーを採用して欲しいと感じてしまう。

 他のインターフェースはPixel 4と大きく変わっておらず、端子類は充電などに使用するUSB Type-Cのみで、イヤホン端子はない。カラーはSorta Sageと、Pixel 4と同じJust Blackの2色展開となり、共に1色展開となる「Pixel 4a」や「Pixel 4a(5G)」との差異化が図られているようだ。

側面にイヤホン端子はなく、下部にUSB Type-C端子があるのみ

デュアルカメラは望遠から超広角に
動画も機能充実

 では、Pixelシリーズの大きな特徴の1つとなっている、グーグルのAI技術を活用したカメラ機能はどう変化しているのだろうか。Pixel 5は2つのカメラを搭載し、それぞれの性能は1220万画素/F値1.7、1600万画素/F値2.2と、Pixel 4(1220万画素/F値1.7、1600万画素/F値2.4)と大きく変わっているワケではない。

 だが1600万画素のカメラの位置付けが大きく変わっており、Pixel 4はこちらを望遠カメラとして活用していたのだが、Pixel 5では超広角撮影用のカメラに変更されている。それゆえPixel 5のデジタルズームは7倍までと、Pixel 4が8倍までに対応していたのと比べるとやや性能が落ちている。

カメラはPixel 4と同じデュアルカメラだが、一方のカメラが望遠から超広角に変更されている

超広角カメラ(0.6倍)で撮影した写真

同じ場所から広角カメラで(等倍)撮影した写真

 とはいえPixel4以降の機種では、AI技術を活用して劣化の少ないデジタルズームを実現している。それゆえ7倍と8倍の差であればユーザーにとっても許容範囲といえ、無理に望遠カメラを搭載するよりは、従来対応できておらず、ニーズも大きい超広角撮影を重視するという判断に至ったといえそうだ。

同じ場所から7倍のデジタルズームで撮影した写真。望遠カメラがなくても劣化を抑えながら遠くの被写体を撮影できる

 もちろん夜景を綺麗に撮影する「夜景モード」も搭載。こちらは内容が劇的に変化した訳ではないが、Pixelシリーズのカメラの特徴として期待している人も多いだけに有効活用したいところ。ソフトウェア処理であることからフロントカメラや超広角カメラでも利用できるのはうれしい。

Pixelシリーズでおなじみ「夜景モード」も搭載。暗い場所でも明るく撮影できる

 一方、Pixel 5は動画撮影時の機能充実も図られている。Pixel 5では4Kまでの解像度に対応し、フルHD画質であれば秒間60フレームの撮影が可能だが、動画撮影時の手ブレ補正に4つの機能が用意されているのだ。

 具体的には通常の手ブレ補正となる「標準」のほか、遠方撮影時にカメラを固定したかのような撮影ができる「固定」、動きの激しい被写体を滑らかに撮影する「アクション」、そして映画のようにスムーズなパン撮影ができる「シネマティック撮影」の4つ。上手に活用すればより質の高い映像撮影ができるだろう。

 ただ一度撮影を開始すると、途中で手ブレ補正モードの切り替えをすることはできない。また「アクション」では解像度やフレームレートの変更ができず、「シネマティック撮影」ではフレームレートの変更、そして音声の録音ができない点に注意する必要があるだろう。

動画撮影時には用途に応じて手ブレ補正を複数から設定可能。「シネマティック撮影」を選べば映画のようなパン撮影が可能だが、音声が録音できないことに注意

 なおフロントカメラは800万画素/F値2.0と、こちらもPixel 4と大きく変わらない。動画の手ブレ補正の変更などはできないが、ポートレートモードや夜景モードなどは利用可能。またPixel 5では、撮影した後の顔写真に対して、光の当て具合を変えることができる「ポートレートライト」という機能も用意されていることから、有効活用すればよりこだわったセルフィーの作成も可能になるだろう。

セルフィー撮影後は編集画面から「ポートレートライト」を選ぶことで、顔に当たる光の当て具合を調整可能だ

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この連載の記事