機動力が高い「E-M10 Mark IV」で
猫散歩も快適で楽しくなる!
9月30日、オリンパスの映像事業が新会社「OMデジタルソリューションズ」に移り、その株式の95%が2021年1月1日付でJIPに譲渡されることが発表された。要するに、オリンパスのデジタルカメラはオリンパスから「OMデジタルソリューションズ」という新会社に切り離されるというだけで、まだまだ続くのである。気にせず使い続けて、あるいは購入しても良いし、わたしも普通に使い続けてる。
というわけで9月に発売されたのが、OM-Dのエントリー向けミラーレス一眼「E-M10」の4代目Mark IV(約9万円前後)。これがなかなか小さくて小気味よく動く気持ちいいカメラなのだ。軽くてコンパクトなので気軽に持ち歩いて「あ、いい感じの猫がいた」と思った時バッグにちょうど入ってるようなカメラ。でもって、ちゃんとファインダーもついててしっかり構えて撮れる。
神社で綺麗に寝てる白猫を見つけたのでファインダーを覗いて、背景に猫っぽい置き物を入れて撮影。
動物認識AFとか猫瞳AFといった最先端のイマドキ機能は持ってないけど、ファインダーを覗いている時はタッチパネルをパッドがわりに使えるし、背面モニターで撮る時はタッチAFでサッと猫の顔を触っちゃえばいいので慣れれば気にならない。
例によって、チルト式モニターを開いて親指をシャッターボタンに置いて猫目線で撮るのが好きなのである。左手の指でタッチAFしてAFポイントを猫に合わせたら、レンズの下から左手を添えて構えを安定させて撮る。
自転車の下にいた黒猫だ。
撮ってたらトコトコと車の脇に移動。近寄っても逃げないのでギリギリまで寄って地面すれすれから狙ってみたら……猫がカメラではなくわたしの顔を見上げてしまったのでこんな写真に。
しゃがんでカメラだけ低い位置に置いてローアングルで狙うとこういうことがたまにあるのだ。そりゃあ猫からすればカメラよりも撮ってる人の方が気になるわけで、これを避けるにはレンズに猫じゃらしでもつけるしかないかも。面白そうだから今度やってみようかと思ったりもする。
でも大抵はちゃんと「それはなんだ?」って感じでカメラを見てくれるのでうれしい。この貫禄あるハチワレは、公園で常連のおばあさんに撫でられてるところを撮らせてもらったのが冒頭写真。
すごく人懐こいですよというので、手を出したらゴロンとひっくり返ってお腹を撫でさせてくれた。右手でお腹を撫でながら左手でアクロバット撮り。カメラをどうやって持ったのかよく覚えてないのだけど、褒められた撮り方じゃない。でもカメラが軽量で手振れ補正がしっかりしてるので、いざというときは撮影の基本を無視することもあるのだ。
これができるから軽くて手ぶれ補正がしっかりしたカメラってありがたい。その最たるものがスマートフォンなのだけど、ミラーレス一眼でもそれができるカメラがあるってことで、小さくて軽くて手ぶれ補正付きはネコ撮りには正義なのだ。
手ぶれ補正の話が出たとこで、最後は手振れ補正が優秀だと助かるわーというカット。夜の住宅街、デカくて人懐こくて夜しか顔を出さない(昼間はどこに隠れているのか見たことないのである)チャトラがいるのだが、その猫に会うべくE-M10 Mark IVに、シグマの30mm F1.4という明るい単焦点レンズをつけて出かけたときのカットがこちら。じっとしててくれたのでシャッタースピードを落として撮影した23時の猫だ。
暗くてもAFはちゃんと仕事してくれるし、手ぶれ補正もきっちり働くし、小さくても実に実用的なカメラなのだ。高価で重くて賢くて高性能なフルサイズカメラもいいけど、散歩に適した手頃で軽くていつでもサッと働いてくれるマイクロフォーサーズのカメラも良いのである。
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筆者紹介─荻窪圭
老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/
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