インスタとTwitterを使い分けて情報収集する若者たち
高校生はSNSを情報収集・検索ツールとして使う
若者はSNSで何を調べている?
以前解説したように、若者はほとんど検索をしなくなっている。しかし、もちろん検索する行為が減っただけで、ゼロになったわけではない。では、どのようなタイミングで何を検索するのだろうか。テスティーの「SNSの検索機能に関する調査」(2020年2月)を見てみよう。
10代、20代の若者が使うSNSは、LINE、Twitter、Instagram、TikTokなど。LINEは連絡用に使われるが、TwitterやInstagramは情報収集のために使われることが多いのが特徴だ。
同調査結果でも、Twitterの利用目的は、高校生が「情報収集」(90.9%)、「検索ツールとして」(48.4%)、「知り合いの投稿を見る」(40.7%)。大学生が「情報収集」(90.9%)、「検索ツールとして」(52.7%)、「知り合いの投稿を見る」(51.2%)と、主に情報収集や検索ツールとして使われていることがわかる。
Instagramの利用目的も、高校生が「情報収集」(76.4%)、「知り合いの投稿を見る」(70.1%)、「情報発信」(47.8%)。大学生が「情報収集」(78.4%)、「知り合いの投稿を見る」(59.0%)、「情報発信」(43.7%)と、やはり情報収集・情報発信ツールとしての利用だ。
流行を知るInstagram、口コミを調べるTwitter
10代、20代の若者は、SNSを情報収集ツールや検索ツールとして活用している。では、どのような情報を収集・検索しているのだろうか。
Twitterで検索したことがあるジャンルは、男子が「スマホアプリ」(25.7%)、「食品」(21.6%)、「電子機器」(18.5%)など。女子が「コスメ・スキンケア」(32.7%)、「ファッション」(28.9%)、「食品」(25.7%)などとなった。
一方、Instagramで検索したことがあるジャンルは、男子が「ファッション」(20.5%)、「食品」(14.1%)、「飲料」(11.2%)、女子が「ファッション」(36.2%)、「コスメ・スキンケア」(34.4%)、「食品」(22.1%)だった。
ある女子大生は、「映えるアイテムはインスタで探す。コーディネートとか、人気のアイテムとかはインスタを見ればすぐにわかる。Twitterは口コミを見る。インスタではみんな悪口とか言わないけど、Twitterでは本音が出るから信じられる」と言っていた。「買い物とかははずしたくないから、インスタで流行を調べてから、Twitterでその商品の口コミを見たりしている」。
Instagramは写真映えするもの、流行っているものなどが検索され、Twitterではリアルな口コミが求められるものが検索される傾向にあるというわけだ。若者はSNSを特性に合わせて使い分け、欲しい情報を入手している。参考にして活用してみてはいかがだろうか。
著者紹介:高橋暁子
ITジャーナリスト。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki
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