公式問い合わせよりも、ネットへの書き込みのほうが多い
10~20代はアプリの不満をレビューやSNSに書き込む
レビューは不満ありき?
アプリ利用中、急に落ちてしまった経験は誰にでもあるだろう。そんなとき、皆さんはどうしているだろうか。若者の行動は大人世代と少々異なるようなので、みていこう。
FROSKの「アプリクラッシュ調査レポート2020年上半期」(2020年9月)によると、「アプリにどう感じた時にレビューを書きたい(5段階評価の星を付ける、コメントを書く)と思いますか?」という質問に対して、「不満を感じた時」を選んだ割合は23.9%で、「満足を感じた時」(10.7%)の約2倍となった。全体に、不満を感じたときにレビューを書かれやすい傾向があるというわけだ。
不満を感じるときについて聞いたところ、「動作の安定性(強制終了や固まる)」(33.5%)がトップに。続いて、「動作の重さ」(32.5%)、「広告表示(頻度・表示方法など)」(29.1%)、「使い勝手、動作の分かりやすさ」(24.7%)、「カスタマーサポート」(22.6%)、「課金(コストパフォーマンス・無課金でも楽しめるなど)」(22.4%)などとなった。全体に、アプリの品質が低いとネガティブなレビューが書かれるリスクがあることがわかる。
「アプリが落ちた」不満をレビュー・SNSに書く若者たち
「アプリのレビューを書いたこと(5段階評価の星を付ける、コメントを書く)はありますか?」という質問に対し「ある」と回答した割合は、20歳~29歳が50.7%、15歳~19歳は47.3%と、他の年代より高い。
さらに「アプリが落ちる(クラッシュ、アプリが強制終了してホーム画面に戻ってしまう現象)経験はありますか?」という質問に対しては、15歳~29歳の約6割が「週1回以上」と回答。この世代は普段からスマホを長時間利用しているため、アプリが落ちた経験も多いということだろう。
「アプリが落ちる経験をして不満になった際に取った行動で、当てはまるものを選択してください」という質問に対し、10~20代の「運営・サポートに問い合わせた」を選択した割合は合計12%。一方、「レビューを書いた」(10%)と「SNSに書いた」(8%)の合計は18%となった。若者はカスタマーサポートよりも、アプリストアやSNSなどのオープンな場にネガティブなレビューや口コミを書き込みやすい傾向にあるのだ。
10~20代の若者をターゲットとしたアプリの運営者側は、アプリの品質が大切ということ、アプリが落ちるとレビューやSNSに不満が書かれる可能性が高いことはよく知っておくべきだろう。
著者紹介:高橋暁子
ITジャーナリスト。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki
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