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キノコ帝国は銀河系の覇者になれるのか……

SFリアルタイムストラテジー「STELLARIS」、弱小菌類ロールプレイで銀河の支配を目指してみる

2020年09月25日 11時00分更新

文● 松野将太 編集● ASCII
提供: DMM GAMES

中盤以降、課題が続出……

ゲーム内時間で100年を過ぎると領土がほぼ確定。これ以降はやはり勢力としての活動がやや停滞してしまった

 しかし、ゲーム時間が100年を経過したあたりから、徐々にKinoko帝国の勢いも陰りを見せはじめる。勢力拡大にブレーキがかかった大きな要因は、領土がほぼ確定されて伸びしろがなくなると同時に、種族の能力の低さに起因する問題が表出しだしたことだろう。

 たとえば発見した惑星への植民などは順当に済ませていたものの、繁殖力や適応能力の低さが災いしてPOP(人口)が効率的に伸びないため、領土はいちばん広いのにPOP数は低水準、という歪な状態が解消できない。技術開発に関しても、時折発生するアノマリーやスペシャルプロジェクトといったイベントをこなすことで騙し騙し他国に追随していったのだが、やはり総合的にはそれほど芳しくない成長度合いになってしまう。

マップ上部の大帝国「Athanebian Alliance」は戦闘的で、やたらとKinoko帝国を愚弄してくる。回避の努力もむなしく、最終的には戦闘状態に入ってしまった

 また、かなりゲームが進んでから敵意むき出しの大規模帝国「Athanebian Alliance」が発見されたことも、こうした苦境に追い打ちをかけた。いきなり通信を入れて侮辱してくるわ、付近の国を従属国にしてドカンと勢力拡大するわ、こちら側の同盟国と戦争状態に入るわとやりたい放題で、成り行きではあるが、よりによって一番厄介な種族を敵に回してしまったわけである。始末の悪いことに、Kinoko帝国とは1か所だけ国境を接しており、これを早期にケアしなかったことで、さらに後々痛い目を見ることになる。

マップ各地の宇宙アメーバと艦隊戦をして空き領地を自国のものにしていく

とあるブラックホール星系への侵入時、特定勢力に属さない「ヴォイドクラウド」と戦闘に突入。ここで戦力を大きく削られたことから、スコアを落としてしまう

 中盤時点で先ほどのAthanebian Allianceに加え、もう1つの大規模帝国である「ヨンダリム帝国」がどんどんスコアを伸ばす中、Kinoko帝国は4位~5位前後で停滞する形に。まだ星系基地を築いていない場所に建設船を派遣しつつ、領地付近に転々と散っている宇宙アメーバの艦隊を迎撃してチャンスを窺うことにした筆者だが、ここで大きな問題が起こった。

 領地が確定していなかったブラックホール星系で「ヴォイドクラウド」と艦隊戦を行なった結果、敗戦して艦隊戦力が大きく削がれてしまったのである。これによりスコアをやや落としたKinoko帝国に、追い打ちのようにAthanebian Allianceの艦隊が領内に侵入。このゲーム、こちらが弱ったと見るや敵対勢力が容赦なく攻めてくることは日常茶飯事だ。

今こそ好機とばかりに進軍してくるAthanebian Alliance。艦隊を削られていたことに加え、移動が遅れたこともあって、あっという間に領地を奪われてしまった

 間の悪いことに、Athanebian Allianceの侵入地点付近には自国の艦隊が駐留していなかったため、あっという間に領地の星系をいくつも占領されてしまう我が帝国。領地を広くとったぶん艦隊を増強する、国境付近の星系基地をアップグレードするといった防衛策を怠った結果、手痛いツケを支払うことになった。

 結局、このままいいように国土を蹂躙されたKinoko帝国は、途中で盛り返すこともできず「詰み」状態となってしまう。序盤は慣れもあってスマートに進んだものの、中盤以降の平和主義ノウハウが足りずに銀河の覇権を諦めることとなった。

攻略はしんどいが、愛着が沸くロールプレイで
ゲームを楽しむのもアリ

「あとで確定させればいいや」と思っていたすみっこの星系にとつぜん人類帝国が出現。こういう不測の事態も本作の面白さではある

 初めてゲームをプレイする人が単純な攻略を目指す場合、このような弱小種族を作るロールプレイや縛りプレイはあまりおすすめできない。一方で、自分で作った帝国への愛着は沸きやすく、手がかかるだけに長時間のゲームのモチベーションになりえるのもまた確かだ。

 筆者はゲーム内時間で50時間を過ぎたあたりから完全にキノコの気分になっていたので、中盤とつぜん自国領内の空き領地に人類の帝国が出現し、あろうことかチマチマ勢力を拡大しはじめたときには「人間ふぜいがよお……」と呟いてしまったほど。考え方によっては、「STELLARIS」という作品を最大限楽しむための方法とも言えるかもしれない。どのような遊び方をするにせよ、「STELLARIS」が非常に奥深い作品である、ということは間違いないだろう。

(提供:DMM GAMES)

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