進むオンライン購買行動
コロナ禍で「オンラインガチャ」が密かなブーム!? インスタで交換も盛ん
オンラインで買いたいモノ、リアルで買いたいモノ
コロナ禍で変わってしまった物事は多いが、なかでも購買行動は大きく変わったものの1つではないか。20~60代を対象としたアドビの「COVID-19(新型コロナウィルス)禍における消費行動の変化に関するリサーチ」(2020年7月)を見てみよう。
外出自粛がきっかけでオンラインで購入したものは、「生鮮食品以外の食品・飲料」(30.9%)、「本・雑誌・コミック」(28.8%)、「衣類・靴」(26.4%)だった。これまでオンラインでは買わなかったものまでオンラインでの購入が進んだというわけだ。
コロナ収束後はオンラインと店舗を併用すると回答したものが、「飲食店が提供する食事」(68.2%)、「生活必需品・トイレタリー」(67.3%)、「生鮮食品」(67.3%)となった。自粛生活中、Uber Eatsなどを使った飲食店の食事のデリバリーを利用した人は少なくないだろう。このように、日常生活で必須の商品も、今後は店舗だけでなくオンラインでも購入する意向が高くなっているのだ。
なお、オンラインで商品を購入するメリットは、最も多くの項目で1位が「配送してくれる」、2位が「商品の検索や比較をしやすい」となっている。外出しなくても済む点、効率的である点が評価されているのだ。
一方で、店舗で購入するメリットもある。最も多くの項目で1位となったのは「実物を確かめたい」だった。続いて「店舗に行くこと自体が楽しみ」「店舗だと知らなかった商品を発見できる」など、店舗ならではの体験を求める傾向が高かった。
「飲食店が提供する食事」(60.0%)、「本・雑誌・コミック」(48.2%)、「化粧品」(42.2%)では「店舗に行くこと自体が楽しみ」との回答が多く、「酒類」(40.7%)、「生活必需品・トイレタリー」(31.7%)、「生鮮食品以外の食品・飲料」(29.1%)では、「店舗だと知らなかった商品を発見できるから」との回答が多くなった。
実店舗ならではの魅力やメリットもあるが、オンラインでの買い物にもメリットは多い。2つを組み合わせることで、さらに快適な買い物体験ができるようになりそうだ。
交換も活発な「オンラインガチャ」
様々なものがオンライン化しているが、そのなかでもユニークなのが「オンラインガチャ」だ。Instagramで「#オンラインガチャ」は1.9万件、「#オンラインガチャ交換」は1000件以上投稿されている。
オンラインガチャとは、その名の通り、現地まで行かずにオンライン上でいわゆるガチャガチャができるサービスだ。バンダイがオンライン上でできる「ガシャポンオンライン」というサービスを運営しており、「単品(1~9回)」または「10連(10回)」購入を選んで画面上で購入すると、当たったものがその場で確認できる。当たったものは同じ月ならまとめて配送でき、送料は1回分で済むという仕組みだ。
一方、若い女性に人気が高いのは、アーティスト「EXILE」のオンラインカプセルだ。オンラインでカプセル用チケットを購入、画面上でガチャガチャを回すと、送料を支払えば当たったカプセル商品が送られてくる仕組みとなっている。
Instagram上では、当たった商品写真を投稿しているケースだけでなく、「○○と交換希望」「買取するよ」などのやり取りが多く行なわれている。「いくつか買ったけど、推しは当たらなかった。当たるまでと思ってついつい回しすぎてしまった。でもやっぱりどうしても推しがほしいから、Instagramで投稿して交換できた」と、ある女子大生に教えてもらった。
実店舗での買い物の良さもあるし、オンラインでの買い物の良さもある。今後は、さらに便利に実店舗とオンラインを組み合わせて買い物するようになりそうだ。ただしオンラインショッピングは便利な反面、ついつい買いすぎてしまったり、思ったものと違うなどの問題が起きることもあるので、注意してほしい。
著者紹介:高橋暁子
ITジャーナリスト。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki
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