ZTEが9月1日に中国で発表した「AXON 20 5G」は世界初のアンダーディスプレーカメラを搭載したスマートフォンです。ディスプレーにはフロントカメラは見えず、カメラを起動して自撮りにするとディスプレーの下に埋め込まれたカメラがONになるのです。実際のカメラ画質がどの程度のものなのかが気になりますが、ノッチのないフルビューディスプレーを実現する技術として他のメーカーも同様の製品を開発しているようです。
このAXON 20 5Gは製品そのもの以外にもちょっとした特徴があります。それは製品のパッケージです。スマートフォンのパッケージは2007年に初代「iPhone」が登場して以来、直方体の箱の形のものが主流となりました。AXON 20 5Gも同形の箱がパッケージなのですが、それが4種類もあるのです。
パッケージのイラストを見ると、AXON 20 5Gが先進的な技術を搭載していることを表しているようです。パッケージの色は赤、黄色、青、白とあり、それぞれ描かれているイラストも異なります。AXON 20 5Gは本体のカラバリは4色あり、その色ごとにパッケージも異なるものを採用しているというわけです。
ちなみに4色のカラバリは中国語で「黒洞引力」「幻影橙風」「流光海塩」「紫月凌雲」。ざっくり言えば黒、オレンジ、青、紫なのでしょうが、それぞれを翻訳すると「ブラックホール重力」「ファントムオレンジの風」「煌めく海塩」「雲の上の紫の月」。なかなかしゃれた名前です。
AXON 20 5Gのこのパッケージデザインは、スマートフォンをお店に買いに行ったときに箱を手に取って「どれにしようかな」と悩める楽しい体験も与えてくれるかもしれません。なかなか新しいアイディアに見えますが、実は同じように製品ごとにパッケージデザインを変えた製品をすでに他のメーカーが出しています。それはシャオミです。
シャオミの低価格5Gスマートフォン「Mi 10 青春版 5G」は、日本でauから発売になる「Mi 10 Lite 5G」の兄弟モデル。Mi 10 Lite 5Gのカメラを4800万画素(広角)/800万画素(5倍望遠)/800万画素(超広角)/200万画素(マクロ)に変更したモデルで、望遠はペリスコープカメラを搭載します。名前からわかるようにターゲットは20台前後の若い世代です。
このMi 10 青春版も黒、青、オレンジ、ライトグリーン、グラデーションと5色のカラバリがありますが、製品パッケージもそれぞれの色ごとにイラストを変えた5つが用意されます。楽しい感じのイラストはスマートフォンが中に入っているとは思えない雰囲気であり、このまま雑貨店などに置いても違和感なさそうです。
シャオミでも「Mi Note 10」など上位モデルは一般的なパッケージなので、このカラバリに合わせたパッケージデザインも一部の特定モデルだけなのでしょう。他のメーカーも同様のことをやっているかもしれませんが、各社のスマートフォンの商品サイトを見てもパッケージまで出している製品はほぼありません。そのため実際にお店に行かないとどんなものがあるかわからないのです。
そういえば筆者が5月に買ったNubiaの「nubia Play 5G」もイラスト仕上げのパッケージでした。でもこの1色しか売っていなかったため、全部で3色あるカラバリのパッケージがすべて同じなのか異なるものなのかはわかりません。
そういえばNubiaはゲーミングスマートフォン「RedMagic 5」でも中華風SF的なイラストをパッケージに描いています。RedMagic 5は背面が透明のモデルもありますがそちらはパッケージの色は黒。カラバリやモデルごとにデザインも変えているようです。
スマートフォンの箱は買った後は捨ててしまう人も多いでしょう。ですが買うときに「どのパッケージがいいかな」と悩んで買った製品なら、箱も含めてすべてに愛着がわくかもしれませんね。年々差別化が難しくなってきたスマートフォン、今後はパッケージのバリエーションを増やすことで新しい満足感をユーザーに与えてくれるかもしれません。
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