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静かな駆動音、力強いブラッシング

磁力で動く電動歯ブラシ「オーラルB iO」の歯磨き能力がすごい

2020年09月17日 12時00分更新

オーラルB iO

リニアモーターカーの原理を用いたオーラルB iO

 突然だが、電動歯ブラシを使っているだろうか? 私は10年以上電動歯ブラシを使っているのだが、とにかく電動歯ブラシはいいものである。

 どこがいいのかというと、手磨きでは到達しにくい、ハイレベルなブラッシングが可能になる点である。電動歯ブラシをはじめて使ったとき、「え? こんなにツルツルになる?」と思ったのをよく覚えている。

 現在愛用しているのは、2019年発売のブラウン「オーラルB ジーニアスX」である。これで磨くと、歯に何もついていない状態になる素晴らしい電動歯ブラシなのだが、今回、「自宅で歯科クリーニングのような磨き上がり」を実現する「次世代の電動歯ブラシ」である最新モデル「オーラルB iO」が発売されるという。電動歯ブラシファンとして、試さないわけにはいかない。

日本歯周病学会理事の岩田 隆紀氏も認める技術力

 「Oral-B by Braun」を国内で展開するプロクター・アンド・ギャンブル・ジャパンは、9月2日に新製品発表会を開催。ここで「オーラルB iO」を披露した。

 発表会では、日本歯周病学会理事・指導医・専門医であり、 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科、歯周病分野主任教授の岩田 隆紀氏が登壇。また、2020 オリンピック日本代表に内定され、P&G東京 2020 大会応援キャンペーン「Thank you, Mom」の日本代表アンバサダーでもある瀬戸 大也氏、お笑いコンビ チョコレートプラネット、フリーアナウンサーの宇垣 美里氏もゲストに招き、コロナ禍における健康管理・コンディションを整える工夫や、1年後を見据えた今後の目標、意気込みといったテーマでトークセッションを披露した。

プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパンは、9月2日に新製品発表会を開催。写真はゲストとして登壇した瀬戸 大也氏、チョコレートプラネットのお二人と、フリーアナウンサーの宇垣 美里氏

 岩田 隆紀氏は、「全身の健康も踏まえると、口内環境を正しく整えることは非常に重要。歯磨きをする時間をしっかり確保し、しっかり汚れを除去する意識づけをする上でも、オーラルB iOは役立つと期待できる」とコメント。また「オーラルB iOは、高い歯垢除去力が望め、適切な側方圧でのブラッシングが可能。技術力の高さを実感しました」と話した。

静かな作動音、力強い駆動

 オーラルB iOは10月2日発売予定。価格はオープンプライスで、実売価格は4万円弱となる見込みだ。今回、発売前の製品を試す機会を得たので、実際に使った感想をレポートしたい。

左が今回発売のオーラルB iOだ

 写真の左が今回発売のオーラルB iO、右が2019年発売のオーラルB ジーニアスXだ。オーラルB iOは液晶ディスプレーが目を引く。

写真の下がオーラルB iO

 デザイン的には、オーラルB iOはボディーからブラシにかけて流れるようにつながる流線形のデザインが特徴的。艶消しでさらさらとした手触り、凹凸が少なく、未来感がある。なお、デザインの刷新により、替ブラシも専用のものが用意される(アルティメイトクリーンとジェントルの2種類)。

付属する充電器

 その駆動方式「リニアマグネティックシステム™」には、リニアモーターカーの原理を利用しているという。つまり、磁石のN極同士、S極同士の反発する力をブラシの回転力に変換している。磁気のエネルギーを精密にコントロールし、ブラシ1本1本を振動させる(遠心マイクロモーション™)という。

 付属する充電器も、従来の突起に差し込むタイプから、磁石でスタンドに設置する方式に変更されている。充電器の使用感は、Qi規格のスマートフォンの充電に近い。なお、3時間の充電で最大12日間の駆動が可能(1日2回、1回のブラッシングを2分と想定した場合)。

色鮮やかなディスプレー

 なんと言っても、スマートディスプレーが目を引く。電源ボタンの下に埋め込まれているのだが、消灯している状態だと目立たず、デザインに溶け込んでいる。しかし電源を入れれば、色味のビビッドなはっきりとした表示で視認性はバツグン。

標準クリーンモード(DAYLY)

弱い力で駆動する「超やわらかクリーンモード(SUPER SENSITIVE)」

舌磨き用の「舌クリーニングモード(TONGUE CLEAN)」

 モード切り替えが可能で、「標準クリーンモード」「やわらかクリーンモード」「しっかりクリーンモード」「超やわらかクリーンモード」のほか、一定の周期でマッサージができる「歯ぐきケアモード」やホワイトニングに特化した「ホワイトニングモード」、舌磨き向けの「舌クリーニングモード」も搭載する。

 これらのモード切り替え機能はオーラルB ジーニアスXにも搭載されていたのだが、LEDのインジケーターでモードを判別できる仕様だった。オーラルB iOでは、スマートディスプレーにアイコン付きで表示してくれるので、ひと目でモードが視認できる。

適正な圧で磨けている

 早速使っていこう。まず起動して感じるのが、静かな駆動音だ。ギアで駆動する2019年発売のオーラルB ジーニアスXは、「ガシャガシャガシャ」と、やや大きめな駆動音だった。ところが、オーラルB iOは「ウーン」といった音しかしない。ギアとギアの物理的な噛み合いがなくなったためだが、ギアによる電動歯ブラシの駆動音に慣れていると、驚くほどの静かさだ。

 オーラルB iOのブラシは、歯に軽く押し当てるだけで、ブラシの振動で汚れをかき出し、歯から汚れをきれいに除去してくれる仕様。ゴシゴシと磨く必要はない。歯を磨く際に、力を入れすぎると歯茎を傷つける原因になり得るから、かえって軽く押し当てたほうがよい。

 力加減のコントロールに役立つのが、押しつけ圧の検知機能だ。オーラルB iOは、センサーで圧を検知。適正な力で磨けている場合は、LEDはグリーンに点灯する。

やや力が弱い場合

 すこし力が足りない場合は、白に点灯する。白に点灯したら、力をやや強めればよい。

押しつけすぎた場合

 押しつけすぎたときは、レッドに点灯する。力を弱めよう。慣れてくると、適正な力加減が身についてくるので、グリーンやレッドに点灯することはあまりなくなるが、いつでも最適な力加減で磨けるのは、セルフオーラルケアに気を遣うならありがたいポイント。

歯の内側の磨きにくいポイントも、カンタンにきれいにできる

 電動歯ブラシを使っていて、個人的に一番いいと感じるのが、奥歯の内側など、磨きにくいポイントもカンタンに磨ける点。

 重ねてになるが、オーラルB iOの場合、軽い力で押し当てるだけで、振動で汚れを浮かせ、かき出し、浮いた汚れをブラシで一掃してくれる。奥歯の内側も、軽く当てただけでツルツルだ。振動の具合も、歯に心地よく感じる力加減であり、使っていて楽しいと感じるほどだ。

タイマーが表示される

 また、駆動中はスマートディスプレーにタイマーも表示してくれ、本製品を使った推奨のブラッシング時間である2分までどのくらい残っているか、ひと目で視認できる。

すぐにブラッシングをやめると、悲しそうにする

 2分に満たない時間でブラッシングをやめてしまうと、オーラルB iOは悲しそうな顔をする。

2分以上磨いた際の表示

うれしそうな顔をする

 反対に、きちんと2分以上のブラッシング時間を守れば、オーラルB iOはうれしそうな顔をする。ちょっとした遊び心といえばそうなのだが、正しいブラッシング習慣を身につける工夫でもあり、かつ、愛着も湧くのでうれしい工夫だ。

バッテリー残量表示

 磨き終わると、スマートディスプレーにバッテリー残量が表示される。パーセンテージだけでなく、バッテリーのアイコンでも同時に示されるので、かなりわかりやすい。

付属のトラベルケース

トラベルケースにもバッテリーを内蔵しており、収納すると充電ができる

 付属のトラベルケースを使えば、ブラシと分けた状態で、オーラルB iOを清潔に持ち歩ける。ケースにはバッテリーを内蔵しているため、旅行時は、充電器でなくトラベルケースを待ち歩けばいい。

公式アプリと接続すれば、より便利。毎日の記録もできる

 

歯を磨いているときの表示。薄くオーバーレイ表示されているのが、いま磨いているポイントだ

 なお、オーラルB iOは公式の無料アプリ「Oral-B(iOS/Android)」との連携にも対応している。アプリを使えば、オーラルB iOに内蔵された加速度センサーにより、磨いているポイント、どのくらいの時間、どの場所を磨いているのか、押しつけ具合は適性か、といった情報をスマートフォンの画面でチェックしながらのブラッシングが可能になる。

 歯のアニメーションが表示され、ブラッシング開始前は全体がブルーに沈んで表示される。ブラッシングをしていくと、時間に応じて徐々に白く変化する。全体が白くなれば、ブラッシングは完了だ。

ブラッシングをすると、徐々に白くなる

押しつけすぎた場合は、アプリにも警告が表示される

すべての箇所を、推奨時間以上磨けた場合の表示。真っ白になる

 ブラッシングを終了すると、その日のレポートを表示する。ブラシ圧、カバー範囲、ブラッシング時間を示してくれ、また、マウスウォッシュや歯間ブラシを併用した場合も、その記録を残しておける。

磨き終えると、その日のレポートが表示される

 スマートフォンとの接続はBluetooth。スマートフォンと連携する家電でありがちなのが、毎回接続に時間がかかったり、うまくデバイスを見つけられないことが多かったりして面倒になるパターンだが、オーラルB iOとiPhone XS(iOS 13)の組み合わせは、接続のスピード、安定性ともにノンストレスだ。初期設定後、6回〜7回ほど使ったが、つながりにくかったことが一度もなかった。

 なおアプリは絶対に使用しなければいけないものでなく、オーラルB iO単体でも快適に使えるのだが、アプリと組み合わせて記録を取っていけば、毎日ていねいなブラッシングをするモチベーションにもなるので、ぜひ併用をオススメしたいところだ。

この秋に買う電動歯ブラシのおすすめはこれだ!

 製品の特徴、実際に使ってみた使用感をレポートしたが、確実に言えるのは、オーラルB iOは完成度がものすごく高い電動歯ブラシであるということ。

 駆動音は静かなのに、パワフルで、歯の表面、手磨きでは汚れが残りがちになるポイントの汚れをカンタンに除去できる、優れたブラッシング性能をそなえている。またスマートディスプレーは視認性が非常によく、使い勝手を格段にアップさせている。

 これだけでも十分高品質な製品だが、バッテリー機能付きのトラベルケース、アプリとの連携など、一段と楽しく、使いやすくする工夫も盛り込まれている。

 歯ブラシの価格としては手が届きにくい部分もあるのだが、口腔内の健康を保つための要素が詰まっているし、価格分の満足感が得られる製品なので、買って後悔することはないはず。特に、電動歯ブラシをこれまでも使っていて、買い替えを考えているユーザーは、今後数年に渡って長く愛用できる電動歯ブラシとしてオススメだ。

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