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バランタインの「キーモルト」を味わう

2020年09月08日 18時40分更新

文● ナベコ 編集●ASCII

バランタインの「キーモルト」4種が限定発売

 お酒をたしなむ人ならばウイスキー「バランタイン」の名前を聞くと心が弾むのではないでしょうか。

 「バランタイン」は、スコットランドのハイランド、ローランド、スペイサイド、アイラの4つの地方の厳選されたモルト原酒とグレーン原酒を使用した、スコットランドを代表するブレンデッドウイスキー。現在、スコッチウイスキーとしては世界第2位の販売量を誇ります。

 中でも1937年に生み出された「バランタイン17年」はウイスキーファンに愛され続ける不朽の名作。発売当時には長期熟成のブレンデッドウイスキーはまだ珍しく、その完成度の高さは人々を魅了しました。現在に至るまでウイスキーファン、専門家からの評価は高く、様々な賞を受賞しています。

 そんなバランタインの香りや味わいの"キー"となっている、シングルモルトが登場。「バランタイン シングルモルト グレンバーギー18年」「同 グレンバーギー15年」「同 ミルトンダフ15年」「同 グレントファーズ15年」が9月1日から数量限定で販売されています。

 いずれも700mlボトル。希望小売価格は「グレンバーギー18年」が1万2000円(税別)。他の3種は7000円(税別)。

 ブレンデッドウイスキーはご存じのように、複数のウイスキー原酒を掛け合わせて造ります。想像してみてください1本の「バランタイン」の中には、実は様々なウイスキーが"有る"のです。

 ブレンドでは基本的に味を一定に保つため、原酒の味の変化や、原料調達の関係などをふまえて、年によって配合を調整しています。そんな中でも、バランタインの味づくり欠かせない蒸留所の原酒。それがキーモルトです。

 これまでにも「グレンバーギー15年」「ミルトンダフ15年」「グレントファーズ15年」は数量限定で販売されたことがありましたが、今回は「グレンバーギー18年」が新しくラインナップに加わりました。

 サントリー主催のメディア向けオンライン説明会では、バランタイン5代目マスターブレンダーであるサンディー・ヒスロップ氏がスコットランドにあるバランタイン社のテイスティングルームから中継で登場。直々に、それぞれの味わいの特徴を教えてくださいました。

バランタインのキーモルト、それぞれの特徴とは?

バランタインのマスターブレンダー、サンディー・ヒスロップ氏が中継で製品の特徴を説明してくださいました

 バランタイン5代目マスターブレンダーであるサンディー・ヒスロップ氏。ウイスキーの伝統、品質を守ること、それと、イノベイティブなウイスキーを生み出すこと、その両方が使命だと語ってくださいました。また、素晴らしい原酒を見出して世に紹介することもブレンダーの役割ひとつだとも。

・「ミルトンダフ15年」

 豊かな水源をもつMiltonduff(ミルトンダフ)蒸留所。

 味わいは、微かなシナモンを感じるフローラルな香り、クリーミーな口あたり、長く続く余韻が特徴。サンディー氏いわく、3つの蒸留所の中でもわかりやすい特徴としては"スパイシー"。

 記者がテイスティングしたところ、今回の4種の中でも非常に強みがある味わいで、バランタインの土台になっているというイメージが湧きました。

4種のシングルモルトと、「バランタイン17年」、日本限定の「バランタイン17年トリビュートリリース」をテイスティングしました

・「グレンバーギー15年」

 サンディー氏が個人的にも好みというGlenburgie(グレンバーギー)蒸留所のシングルモルト。わかりやすい特徴は"フルーティー"だそう。

 15年ものは、洋梨や赤りんごを思わせる香り、フルーティーな味わい、ほのかな甘い余韻が特徴。

・「グレンバーギー18年」 

 18年ものは、やはりフルーティーなのですが、15年ものよりも味にまろやかな奥行きが出て、余韻が長く続きます。

 15年ものは繊細であるがゆえにどこか印象が薄くなってしまったところ、18年ものは芳醇味も増してわずか3年でここまで味が深くなるものと驚きました。価格面をみると、グレンバーギー18年は4種の中でも熟成年数が長いためひとつだけさらに高値。買うのに思い切りが必要だなと思いつつも、個人的に一番魅力的と感じたのは、この18年です。

・「グレントファーズ15年」

 伝統的なウイスキーの手法を守り続けているというGlentauchers(グレントファーズ)蒸留所。わかりやすい特徴は"ナッツ"の香り。

 ナッツを思わせる香り、滑らかで繊細な口あたり、ラズベリーやカシスのような味わいが特徴です。サンディー氏は、子供のころに食べたお菓子の香りを思い出すと語っていました。ナッツや大麦糖に近い香りがお菓子を彷彿させるのでしょう。

シングルモルトの魅力を知るとバランタインが一層おいしくなる

 これら4つの味をテイスティングしてみて、バランタインを味わうと、複雑でありながらバランスがとれたバランタインの魅力を一層強く感じられるようです。バランタインの優雅な香りや、フローラルでスパイシーな絶妙な味わいは、キーモルトの個性が織りなして造られるのです。複数の原酒が奇跡のように出逢ったからこそバランタインが実現した、そんなことを考えると胸がポッポと熱くなります。アルコールのせいでしょうか!

 「バランタイン シングルモルト」各種のテイスティングは素敵な体験でした。いずれも数量限定で発売中。値段は安価ではありせんが、バランタイン好きであれば味わう価値があります。バーで見かけた際にチョイスしてみるのもアリでしょう。

ナベコ

酒好きライター、編集者。カンパイからすべてが始まるはず。「TVチャンピオン極~KIWAMI~ せんべろ女王決定戦」に出演するなど酒活動しつつ食トレンドを追っています。♪アスキーグルメでおいしい情報配信中♪

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