「家電量販店スタッフに聞く、2020年夏の家電選びのコツ」最後を飾るのは、ヤマダ電機日本総本店LABI1池袋です。売上高国内トップのヤマダ電機グループの中で、最大の売り上げ規模を誇る旗艦店。同店の黒物チーフフロア長である小林隼貴さんにテレビ、デジカメ、アクションカメラの推し家電を解説してもらいました。
4Kテレビなら65型でも一般的なリビングに入る
「押し家電大賞2020」のテレビ部門で1位のソニーの有機ELテレビ「ブラビア A9Gシリーズ」について、小林さんは「実は77型が結構売れています」と、少し意外なところから話し始めます。
小林 「今テレビを買いに来ているのは、10年前のエコポイント時に購入された買い替えのお客様。当時、高画質なプラズマテレビの55型が60-70万円していました。現在、さらに大型の65型有機ELテレビが同じくらいの価格。画質が良くなり、画面も大きくなったのに当時と同じ価格ということで、映画好きのお客様が買っていかれます」。
液晶テレビのバックライト方式と異なり、プラズマテレビは自発光方式のため光漏れがなく黒がしまって映し出され、暗部の階調表現が豊か。黒つぶれがないため、暗いシーンの多い映画を観るのに最適で、当時は映画好きがこぞって購入したものです。有機ELも自発光方式で同様に暗部に強いため、プラズマからの買い替えは有機ELを選ぶ人が多いのです。
小林 「そこでソニーのブラビアです。画面から音が出るアコースティックサーフェスオーディオプラスは、映画館と同じように画面から音が出て臨場感が高まるだけでなく、左右の音が出る位置も表現できます。例えば、ドラマで二人が話しているシーンでは、右の俳優のセリフは右から、左の女優のセリフは左から聴こえるのです。YouTube動画の音声も左右振り分けて聴こえます。大画面になるほど、この音響による臨場感を味わうことができます」
また、以下のようにもコメント。
小林 「推し家電2位のパナソニックの有機ELテレビ、ビエラGZ2000シリーズも、ソニーとは異なるアプローチで音響による臨場感を味わうことができます。画面裏に上方向に搭載したイネーブルドスピーカーにより、音を天井に反射させることで、あたかも頭上から音が降っているように聴こえます。立体音響のドルビーアトモス対応コンテンツだけでなく、地デジ放送も臨場感が増しますよ」
小林さんはパナソニックが作った展示台とデモ映像コンテンツを駆使し、丁寧に立体音響の効果を説明してくれます。右から左、下から上に、後ろから前にと、様々な方向から迫りくる、そして消えていく効果音をテレビの前に座って体感すると、それだけで新型テレビが欲しくなってきます。有機ELの画質の良さを説明するときにも、液晶テレビと並べたコーナーにお客を連れていき横並びで比較するなど、小林さんは体感型接客を心がけているようです。
最後に3位の東芝の有機ELテレビ「レグザX9400シリーズ」については、「やはり、テレビとして唯一無二の全録機能、タイムシフトマシンを語らないわけにはいきません。過去番組表をワンタッチすれば簡単に昨日以前の番組を観られるのは本当にスゴイです」とし、来年に延期されてしまいましたが、さまざまな競技・試合が実施される、世界的なスポーツイベントなどで全録機能は本領を発揮すると説明します。
小林 「(大きな見どころがあるシーンがあっても、強い関心がなければ)たいていは夜のニュースで結果だけを知ることになります。タイムシフトマシンならば、夜のニュースで活躍を知っても、さかのぼって中継を見ることができます。加えて、始めにジャンプ機能もスゴイ。テレビをつけたら何やら面白そうな番組がやっている、最初から見たかったな、というときにワンボタンで番組のオープニングから見ることができます。時間を気にせず、録画予約の手間もなく、後出しで話題の番組をいつでも好きなときに観られるなんて、夢のような仕組みですよね」。
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