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サンプル価格は1100円、9月に出荷予定

ソニー、デュアルバンド測位で消費電力9mWを実現したIoT・ウェアラブル機器向けのGNSS受信LSIを商品化

2020年08月19日 18時15分更新

 ソニーは8月19日、IoT・ウェアラブル機器向けの高精度GNSS受信LSI「CXD5610GF」と「CXD5610GG」を商品化すると発表した。CXD5610GFは、GNSS受信LSIとしては業界最小だというデュアルバンド測位で9mWの消費電力を実現した。サンプル価格は1100円で、9月に出荷予定だ。

 位置情報を利用するIoT・ウェアラブル機器の用途拡大にともない、GNSS受信LSIへの需要が高まっている。IoT・ウェアラブル機器は、厳しい通信環境や不安定な使用条件下においても動作させるため、測位精度や通信の信頼性確保が必要とされているほか、機器の大きさの制約上、バッテリーを小型化する必要がある。その一方、GNSS機能利用時には、衛星信号を定期的に受信・測位するための消費電力が大きく、バッテリーの持ち時間が短いという課題がある。

 CXD5610GFとCXD5610GGは、従来のL1帯に加えて、衛星の環境が整備されつつあるL5帯信号受信にも対応するGNSS受信LSI。デュアルバンドでの測位が可能で、独自の測位アルゴリズムによりウェアラブル機器特有の厳しい環境下においても、高精度で安定的な測位が可能だという。

 また、独自開発の高周波アナログ回路技術とデジタル信号処理技術を採用することで、CXD5610GFはGNSS受信LSIとしては業界最小の連続測位時電力9mW(デュアルバンドでの受信時)を実現したとのこと。

 両モデルとも、ファームウェアなどを格納するための不揮発性メモリーを内蔵。そのため、外付けメモリーを追加することなく最新のファームウェアへのアップデートが可能で、省スペース化によるIoT・ウェアラブル機器の小型化に貢献するとしている。また、データ処理は本製品内で完結するため、低消費電力化やアクセス速度の向上にもつながるとのこと。

 ソニーは本製品により、電源を外部から供給できないスマートウォッチなどのウェアラブル機器や、トラッカー用途などのIoT機器における、新しい商品やサービスの開発機会の拡大に貢献するとしている。また、測位精度や安定的な通信が求められる自動車向けサービスなど、幅広い用途での活用も期待できるとのこと。

 主なスペックは以下のとおり。

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