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最高で最強の猫撮りカメラ、キヤノン「EOS R5」誕生!

2020年08月18日 12時00分更新

ごろんと転がっておもちゃに手を出してる子猫(名前を覚えられない)。こっちも寝転がって猫瞳AF発動。2020年8月 キヤノン EOS R5

 まごうことなき最強猫撮りカメラがいきなり誕生したのである。まあ、お値段もそれなりに最強なのだけど(約50万円)、一度これで猫を撮ると価格のことを忘れたくなるレベル。それがキヤノンの新主力デジタル一眼「EOS R5」だ。

キヤノンのEOS R5。ハイレベルな猫AFを搭載してる上に、AFが速くてレスポンスがいいのでめちゃ気持ちよく撮れるのだ。レンズはちと高めの70-200mmを装着したところ

 EOS R5のすごいとこはいろいろあるのだけど、何はともあれAF。これがめちゃ速くて賢いのだ。記事作成用に借りた機材をソファに座っていじっていたときのこと。最近、膝に乗りたがるうちのかふかが「あ、膝が空いてる!」とばかりにとことこと駆けてきたのである。

 で、思わずカメラを向けるよね。それで撮れたのがこちら。いやあびっくり。連続して撮ったのだけど2枚ともちゃんと顔にピントがあってる。膝に向かって一直線ってのがよくわかる。

こっちに走ってきてソファに手をかけた瞬間のかふか。目は目標をしっかり捉えております。2020年7月 キヤノン EOS R5

その次の瞬間。ちゃんとかふかの目に合ってるのがわかるかと思う。左前足が飛び乗る姿勢になってる。2020年7月 キヤノン EOS R5

 ちなみにこのあとは猫が近すぎてピント合わなかったので膝乗り写真はなし。このときのセッティングはシャッタースピードが1/250秒(室内なのでISO感度を上がるけどシャッタースピード優先)。AFは「サーボAF」(他社で言うコンティニアスAF。常にフォーカスを合わせ続ける)。

 そして「検出する被写体」を「動物優先」にする。EOS R5は被写体検出機能を持ってて、今までも「顔」や「瞳」は検出していたのだが、今回はそれに加えて「犬や猫や鳥」にも対応したのだ。で、検出機能を「動物優先」にすると、動物がいたときにそっちを優先してくれる。

 ではさっそく、猫AFの威力を確かめるべくいつもの保護猫シェルター queueへ出動である。夏の午後だったのでみんな寝ていたのだけど、その中でベッドっぽいものの下で寝てる子猫2匹を捕捉。カメラを向けると、手前に寝てた方が目を覚ましてくっと顔を上げたのである。その瞬間がこちら。「ん?」って表情でちょっと顔を上げた瞬間だ。

猫瞳AFの瞬間。AF動作時は青い枠になる

そして撮れたのがこちら。ちゃんと目にピントがあって鼻はボケてる。このボケのきれいさ(70-200mm F2.8)もたまらん。2020年8月 キヤノン EOS R5

 冒頭写真もそんな感じで撮影してる。逆光だったので+2の補正をかけてるのだが、階調表現がしっかりしてるので逆光ならではのほわっとした感じがすごくいい。さすがフルサイズセンサーのプロ機。しかも一度食いついたら離さない。瞳を捕まえたら多少横を向いてもちゃんと追いかけてくれるのである。

横顔でもちゃんと瞳にくいついてくれるので、撮る方としてはものすごくありがたい。構図とタイミングに集中できるからね。2020年8月 キヤノン EOS R5

 サーボAFにしておけばずっとフォーカスを合わせ続けてくれるのでこっちへ歩いてくる猫でもOKである。

歩いてくる子猫を連写した中の1枚。ちゃんと顔にピントを合わせ続けてくれるので連写も気持ちよい。2020年8月 キヤノン EOS R5

 だがしかし、猫はいつもこっちを見てるわけじゃない。猫だからね。すぐそっぽを向いたり目を閉じたりする。だから猫を撮るときは「瞳」だけを認識しても実用性は低いのだ。その点EOS R5は「瞳が見つからなかったら顔を探せばいいじゃないか」AFを持ってるである。目を閉じてて瞳が見つからないとこんな風に顔を見つけてくれるのだ。素晴らしい。

目を閉じてて瞳を見つけられなかったので、顔全体を捉えてくれた。これは大事

お昼寝タイムをこっそり撮影……でも薄目をあけてるってことは撮ってるのバレてるな。2020年8月 キヤノン EOS R5

 でも、欲しいところにピントがこないことはある。猫が何匹もいてややこしいシチュエーションとか。そんなときはタッチパネルなりスティックなりを使って自分で「ここ」と指定してやる。最後の1枚は寝てる猫の顔よりも舐めてるとこに合わせたかったのでカメラ任せでは無理だったケースだ。

2匹が仲良く陰陽スタイルで寝てるところにちょっかいを出しにきた……かと思いきや、毛繕いをしてあげてるのだった。2020年8月 キヤノン EOS R5

 いやもうこのカメラはヤバい。他にもヤバいところはあるのでそれは次回に。 ボディーだけで約50万円もするのでおいそれとは買えないのだが(それでも供給不足になるくらい売れてる)、この猫AFの食いつきの良さとフルサイズセンサーならではの高画質を考えたら欲しくなるのである。

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筆者紹介─荻窪圭

 
著者近影 荻窪圭

老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/

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