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グーグルの新スマホ「Pixel 4a」、Pixel 4に匹敵するカメラで高コスパ

2020年08月13日 12時00分更新

 Googleの新しいスマートフォン「Pixel 4a」は、Googleの技術をふんだんに搭載しながらお手頃価格を実現した「Pixel 3a」の後継というべき存在で、上位モデルとなる「Pixel 4」シリーズと同様のAI技術を駆使したカメラ機能が特徴だ。ミドルクラスの競争が激化している昨今だが、そうした中にあってPixel 4aがどの程度の実力を持つのかチェックしてみよう。

ボディーはコンパクトだがややチープ

 まずは本体の外観だが、Pixel 4aはディスプレーサイズが5.8型と、最近のスマートフォンとしてはコンパクト。本体サイズも約69.4×144×8.2mmと全体的にやや小さめなので、片手でも持ちやすい。

 ディスプレーには有機ELを採用しているが、カーブはしておらずフラット。ただしフロントカメラ部分をくり抜いたパンチホール構造を採用していることから、モダンさを感じさせるデザインとなっている。

「Pixel 4a」の前面。5.8型とコンパクトで片手でも持ちやすいサイズ感だ

Pixelシリーズとしては初めてパンチホール構造を採用し、従来のPixelシリーズと比べ高い画面占有率を実現している

 ただ有機ELながらも、指紋センサーはディスプレー内蔵型ではなく、背面に別途指紋センサーを搭載する形となっている。簡易的な顔認証もないことから生体認証はすべて指紋認証を使うこととなるのだが、コロナ禍の昨今ではマスクをしていてもロック解除がしやすく有難いと感じる一方、テーブルに置いている時などに本体を持ってすぐロック解除できないのと、デザイン面で古さを感じさせてしまうのは残念だ。

背面はマット調の加工が施された樹脂素材を採用。背面に指紋センサーが搭載されているというのも、最近では珍しい

 一方の背面は樹脂素材を採用。マットな加工が施されており指紋が付きにくいのはうれしいが、やはりガラス素材などを採用した機種などと比べ高級感がなく、所有感という意味では弱さを感じる。ちなみにカラーバリエーションはブラックのみと、こちらももう少しバリエーションが欲しかったところだ。

 なお本体下部には充電等に用いるUSB Type-C端子、上部には3.5mmのイヤホン端子が搭載されている。ミドルクラスとしてはスタンダードな内容といえるだろう。

本体上部には3.5mmのイヤホン端子を搭載している

単眼だがAI技術で簡単・綺麗に撮影できるカメラ

 Pixel 4aの大きな特徴となるのはカメラだ。メインカメラは約1220万画素/F値1.7の単眼構造と、ミドルクラスでも高い画素数を備えたカメラを3~4つ搭載する機種が増えている中では見劣りする印象だ。だがPixel 4同様グーグルのAI技術を活用し、シャッターボタンを押すだけであらゆるシーンで綺麗な写真を簡単に撮影できるようにしていることで、そのデメリットをカバーしている。

カメラはPixel 4シリーズと同様のスクエアなデザインだが、搭載されているカメラ自体は1つのみ

 その代表的な機能の1つが超解像ズームだ。Pixel 4aのメインカメラは最大7倍までのデジタルズームに対応するが、望遠カメラや画素数が高いイメージセンサーなどを使うのではなく、ソフトウェア処理によって7倍までズームしても劣化を抑えて撮影できるのだ。

 実際に7倍でズームしてみると、通常のデジタルズームでは被写体がボケてしまいがちなのだが、Pixel 4aでは細かな部分まで比較的くっきり写っていることが分かる。カメラの数が1つ少ない影響もあって8倍までのズームが可能なPixel 4と比べると倍率は低いものの、スナップショット用としては十分な性能といえる。

等倍で撮影した写真

同じ場所から7倍ズームで撮影した写真。通常のデジタルズームと比べかなり劣化が抑えられている

 またシングルカメラながら背景をぼかした写真を撮影できる「ポートレート」モードも、AI技術を活用した機能の1つ。Pixel 4同様、明暗の露出を別々に調節できる「デュアル露出補正」も搭載されているが、通常のカメラ撮影とポートレート撮影時とで画角が変わってしまうことに注意が必要。ポートレート撮影時は通常の「カメラ」モードより被写体から離れて撮影する必要があるため、慣れないうちは戸惑ってしまうかもしれない。

背景をぼかしたポートレート撮影も可能。通常のカメラモードと比べ画角が変わってしまう点に注意

 そしてもう1つ「夜景モード」を使えば暗い場所を明るく撮影できるというのも、Pixel 4譲りの大きなポイントといえるだろう。撮影時はPixel 4aを数秒間固定する必要があるものの、実際に撮影してみると、ミドルクラスの端末でも夜景をここまで綺麗に撮影できるのにはやはり驚きがある。

通常の「カメラ」で夜の公園を撮影したところ。木やベンチなどがなんとか判別できるくらいの明るさだ

同じ場所で「夜景モード」を使って撮影したところ。ライトを使ったかのように、被写体を非常に明るく写し出せていることが分かる

 ただ1つ弱点を挙げるならば、超広角撮影に対応できないことだろう。最近は風景の撮影などに超広角カメラを利用することが増えているだけに、ソフトウェアでカバーできない広い画角への対応は課題といえそうだ。

 なお、動画はメインカメラで最大4Kまでの撮影に対応しており、フルHD画質ならば秒間60コマまでの撮影も可能。撮影時に変更できるのは明るさの調整とズーム(最大5倍)のみと、非常にシンプルだ。

動画撮影は最大4K画質までの撮影に対応する

 一方のフロントカメラは800万画素/F2.0と、このクラスの端末としては標準的。だがメインカメラとソフトウェア技術を活用できることから、ポートレートモードや夜景モードの利用が可能だというのは大きなメリットとなるだろう。

ソフトウェア処理であることを生かしてフロントカメラでも夜景モードの利用が可能。こちらは通常の「カメラ」モードで撮影したところ

こちらが「夜景モード」を使って撮影したところ。カメラ性能の違いもあってメインカメラには及ばないものの、暗い場所でもかなり明るく写し出せることが分かる

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